シリーズをタイに戻したシクサーズは“完全体”ではない?リバースHCがヒートに警戒を促す「我々はまだエンビードのベストを見ていない」<DUNKSHOOT>

シリーズをタイに戻したシクサーズは“完全体”ではない?リバースHCがヒートに警戒を促す「我々はまだエンビードのベストを見ていない」<DUNKSHOOT>

ハーデン(左)の活躍もあり戦績はタイに。さらにエンビード(中央)も本調子ではない状況から、シリーズはシクサーズ優位と見る向きも。(C)Getty Images

マイアミ・ヒートとフィラデルフィア・セブンティシクサーズによるイースタン・カンファレンス・セミファイナルは、第2戦を終えてヒートが2連勝を飾った。しかし、現地時間5月6日に行なわれた第3戦、右眼窩骨折と軽度の脳震盪のため離脱していたジョエル・エンビードがマスク着用で戦列復帰すると、シクサーズが99−79で圧勝した。

 この試合、エンビードはフィールドゴール5/12(成功率41.7%)の計18得点に終わるも、36分20秒コートに立ち、両軍最多の11リバウンドを奪取。「たとえ彼が本来の姿ではなくても、このチームをもの凄く助けてくれる」と語ったダニー・グリーンが7本の長距離砲を沈めて21得点と爆発したほか、タイリース・マキシーが21得点、6アシスト、ジェームズ・ハーデンが17得点、8リバウンド、6アシストと活躍し勝利に貢献した。

 一方のヒートはジミー・バトラーがゲームハイの33得点をマーク。しかしチーム全体でフィールドゴール27/77(成功率35.1%)、3ポイント7/30(成功率23.3%)とショットが低調に終わった。
 「どんなチームであろうと、ホームやアウェーに関係なくジョー(エンビード)が出場すれば劇的に変わってしまう。彼はこれまでのキャリアでそれを証明している」

 かつてのチームメイトをそう評し、バトラーは敗戦を悔やんだ。

 そして迎えた8日の第4戦、エンビードは第1クォーターだけで15得点と好発進。さらにハーデンが見事なパス捌きに加え、代名詞のステップバックスリーを放り込むなどチームトップの31得点に7リバウンド、9アシストと大暴れ。両エースが躍動したシクサーズが116−108で接戦を制し、シリーズ戦績を2勝2敗の五分に戻してみせた。

「本当に何も変わっちゃいない。俺はショットを決めただけ」と平然と語ったハーデンだが、今季途中にブルックリン・ネッツからシクサーズへ加入後、30得点超えは2度目で、プレーオフでは初。フィールドゴール試投数18本は今ポストシーズン最多で、要所で3ポイントを突き刺したことも大きかった。これにはゲームハイの40得点を奪ったバトラーも「彼はいい選手。やるべきことをやってみせたんだ」とハーデンの活躍を称えている。
 「これで2勝2敗。俺たちにはまだやらなきゃいけないことが山ほどある。でも俺は、このチームが達成できることを楽しみにしている」

 そうエンビードが語ったように、シクサーズはチームとして自信を取り戻したと言えるだろう。

 もともと、両軍のレギュラーシーズンにおける戦績は2勝2敗ながら、ヒートはハーデン加入後のシクサーズとは対戦していなかった。

 そのため、ヒートのエリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)は「今シーズン対戦した時のチームとは全然違うね。彼(ハーデン)は間違いなくダイナミックに変えてしまう。彼はMVP選手なんだ。あの男はゲームを巧みに操ることができる。それは得点やアシストをしたり、ディフェンスを翻弄して相手にダメージを与えることができるからだ」と警戒していたが、まさにその通りとなった格好だ。
  2勝2敗で並んだこのシリーズは、10日にヒートのホームで第5戦が行なわれる。エンビードとハーデンが揃ったシクサーズと2試合を戦い、ヒートがアジャストしてくる可能性はあるものの、シクサーズのドック・リバースHCは相手にプレッシャーを与えていた。

「我々は、このシリーズでまだジョエルのベストを見ていない。彼は依然としてマスクを着用した状態でどうプレーすべきか把握しようとしている」

 第4戦の第1クォーターで15得点を奪ったエンビードだが、第2クォーター以降は9得点のみ。24得点、11リバウンドと活躍したとはいえ、この男がベストコンディションではないのは明らかだ。

 そんなエンビードがもし次戦以降、30得点、いや40得点以上を稼ぎ出すような展開となれば、ヒートが苦戦することは間違いない。勝利チームがシリーズ突破に王手をかける第5戦は、ますます重要な一戦となるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

【PHOTO】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!

関連記事(外部サイト)