「自分の番をずっと待っていた」名門セルティックスで不動の地位を確立したスマート「今の状況を有難く思う」<DUNKSHOOT>

「自分の番をずっと待っていた」名門セルティックスで不動の地位を確立したスマート「今の状況を有難く思う」<DUNKSHOOT>

セルティックス生え抜きのスマートは、ヒートとの第2戦、あと1リバウンドでトリプルダブルという活躍で勝利に大きく貢献した。(C)Getty Images

現地時間5月19日、ボストン・セルティックスがマイアミ・ヒートとのイースタン・カンファレンス・ファイナル第2戦に127−102で快勝し、シリーズ戦績を1勝1敗のタイとした。

 セルティックスは第1クォーター残り5分41秒の時点で、ヒートに13−18とリードを許していたものの、ロバート・ウィリアムズ三世に代えてグラント・ウィリアムズを投入すると、そこから57−27のランで一気に試合を決めてみせた。

 見事勝利したセルティックスでは、エースのジェイソン・テイタムが27得点、5リバウンド、5アシスト。さらにジェイレン・ブラウンが24得点、8リバウンド、ウィリアムズが19得点、新型コロナウイルスの安全衛生プロトコルから復帰したアル・ホーフォード、ペイトン・プリチャードがそれぞれ10得点と続いた。

 そして第1戦を捻挫のため欠場していたマーカス・スマートが5本の3ポイント成功を含む24得点に9リバウンド、12アシスト、3スティール、1ブロックと多彩な活躍で勝利に大きく貢献。

 セルティックスが誇るハート&ソウルは、チーム最古参の在籍8シーズン目。身長190p、体重99sのパワーガードで、14年のドラフト1巡目6位で入団後、毎年プレーオフにも出場してきた。

 もっとも、彼はセルティックスで常に先発を務めてきたわけではない。過去にはアイザイア・トーマス(現シャーロット・ホーネッツ)やカイリー・アービング(現ブルックリン・ネッツ)、ケンバ・ウォーカー(現ニューヨーク・ニックス)といったオールスター級の選手が在籍していたこともあり、ガードの両ポジションの兼任や、先発と控えを行き来するなど起用法が定まらずにいた。
  それでも、昨季から先発PG(ポイントガード)に定着し、今季はディフェンシブ・レーティングでリーグトップの106.2を記録し、キャリア初の最優秀守備選手賞を獲得。さらには20日に発表されたオールディフェンシブチームでも文句なしの1stチーム入りと、リーグ最高級のディフェンダーとしての評価を確立した。

 第2戦を終えた後の会見で、PGとしての実力に懐疑的な人々をどう納得させるかを聞かれたスマートはこう切り返していた。

「俺は(そのことについて)もの凄くプライドを持っている。キャリアを通してやっていることだ。このチームにドラフトされてからずっとだ。自分の番になることをずっと待っていた」

 スマートはこの試合で24得点をあげただけでなく、両チーム最多の12アシストも記録。自身のパスからチームメイトはフィールドゴール12/15の成功率80.0%という高確率で沈めただけでなく、ターンオーバーも1本と申し分ないパフォーマンスを披露した。
 「俺は自分の今の状況を有難く思っている。コートに出て、自分の実力を見せることができているからね。この組織、そして世界中の皆は、俺がPGのポジションでどんなことができるかを目の当たりにしていると思うね」(スマート)

 また、ディフェンスでもマッチアップ相手をフィールドゴール27.3%(3/11)に抑え込んでおり、第1戦で41得点をマークしたジミー・バトラーに対しても31ポゼッションで9得点へとスローダウンさせている。

 溢れんばかりの闘争心を前面に押し出して戦うスマートは、バトラーとのマッチアップは「いつだってタフなこと」と口にしつつ、こうも話していた。
 「ジミーと対決するのはいつだって大好きだ。ディフェンシブプレーヤー、そして競争相手として、彼は相手を高めてくれるからね。俺たちは(互いに)それがタフなことは分かっている。俺の任務は彼がこなしているすべての仕事を難しくすることにあるんだ」

 バトラーは第2戦でもゲームハイの29得点を奪っている。だがディフェンスに誰よりも高いプライドを持つスマートは、たとえ得点を許しても、流れを変えるようなショットやクラッチタイムにおける決勝弾を許すことは少ない。

 シリーズの行方と共に、セルティックスの闘将とヒートの闘将によるマッチアップにも注目が集まる。

文●秋山裕之(フリーライター)
 

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