「以前は5つの選択肢があったけど今はない」現代NBAにウォージーが見解。古巣レイカーズには「再建を拒否した」<DUNKSHOOT>

「以前は5つの選択肢があったけど今はない」現代NBAにウォージーが見解。古巣レイカーズには「再建を拒否した」<DUNKSHOOT>

1980〜90年代前半にレイカーズで活躍したウォージーは、リーグの時代の移り変わりに見解を述べた。(C)Getty Images

現代NBAはマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズ)やコビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)からバトンを受け取った“キング”ことレブロン・ジェームズ(レイカーズ)は37歳となり、世代交代が徐々に進んでいる。

 そのなかで、NBA人気が徐々に高まっていた1980年代にプレーした殿堂入り選手のジェームズ・ウォージーは、時代の移り変わりに持論を述べている。

 NBAは長年リーグを牽引してきたレブロン、ケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ/33歳)、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ/34歳)らが大ベテランの域に入り始め、オールラウンダーのヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス/27歳)や今季のMIP(最も成長した選手)に輝いたジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ/22歳)、トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス/23歳)、ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス/23歳)といった次世代のスターが活躍の幅を広げている。

 とりわけ、近年はウォリアーズが“スモールバスケットボール”で成功を収めたのを筆頭にポジションレス化が進み、3ポイントが重要な役割を占めるようになった。
  2年連続でシーズンMVPを受賞したニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ/27歳)がポイントセンターとしてゲームをコントロールし、7フッターのジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ/28歳)が3ポイント成功率37.1%(成功数93本)を記録していることからも、インサイドで激しい戦いが行なわれていたセンター全盛の時代からの変化は顕著だ。

 マジック・ジョンソンやカリーム・アブドゥル・ジャバーらとともに、80年代にレイカーズで3度の優勝を経験したレジェンドのウォージーはラジオ番組『Stoney & Jansen Show』で、現在のバスケットボールスタイルと3ポイントへの依存についての見解を求められ、大学進学がNBA入りに際して“義務”ではなくなった影響を指摘している。

「カリーム(UCLA)はジョン・ウッデンと4年間、マイケルと私(ノースカロライナ大)はディーン・スミスと3年間、アイザイア・トーマス(インディアナ大)はボビー・ナイトと2年間を過ごした。だから、基本だけでなく、生き方も学ぶことができた。

 大学では、小切手帳の帳尻の合わせ方も学んだ。現在、それが行なわれていないとなると、基礎が出来上がっていない選手がNBAに来る。今の選手はみんな3ポイントを練習して、ウエイトを持ち上げ、タトゥーを入れて、ツイートをして、ソーシャルメディアにアクセスするだけだ」
  ウォージーによれば、往年の名選手であるビル・ラッセル(元ボストン・セルティックス)も、その変化について語っていたという。

「今はアスレティック能力の高い選手ばかりだ。それがゲームにそのまま反映されている。ほとんどがアイソレーションで、ミスマッチを探している。ラッセルは一度、私に言ったよ。『以前は1回のプレーで5つの選択肢があったけど、今はその面影はない』とね」

 そんなウォージーは、古巣のレイカーズがレブロンやアンソニー・デイビス、ラッセル・ウエストブルック、カーメロ・アンソニーらタレントを擁しながらカンファレンス11位に沈み、プレーイン・トーナメントにさえ進出できなかったことも嘆いている。

「レイカーズは数年をかけて再建することを拒否したと思う。(ブランドン)イングラム、(ジュリアス)ランドル、(ロンゾ)ボールといい選手が何人かいた。コビー(ブライアント)が引退するまでのラスト数年は、ベテランの(スティーブ)ナッシュを連れてきたり、背中にケガを抱えるドワイト・ハワードを連れてきた。ドラフト指名権を放出して、すぐに勝つことを選んだ。どうやってチームを作り上げる必要があるか、考えないといけない」
 「今のメンフィス(グリズリーズ)やボストン(セルティックス)、ミルウォーキー(バックス)が時間をかけてチームを作り上げたのを見てみるといい。結束力のある組織を作らないといけない。以前はレイカーズにはそれがあったが、ブルックリン(ネッツ)がビッグ3を作ろうとしたように、すべてを投げ出した。

 今季、ブルックリンやレイカーズで何が起こったか。普通に行けば、ケガをしていてももっと上手くプレーできるはずだし、間違いなくプレーオフに進出していたはずだ。現状としては、レイカーズとして恥ずかしいことだし、受け入れられない」

 リーグの世代交代が進むなかで、指揮官にダービン・ハムを迎えたレイカーズがどのようなチーム作りで再建を進めるかも興味深いところだ。

構成●ダンクシュート編集部
 

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