「ちゃんと観ているのか?」カリーに対する低評価にウォリアーズGMが不満「彼は称賛を送りたいと思える人物」<DUNKSHOOT>

「ちゃんと観ているのか?」カリーに対する低評価にウォリアーズGMが不満「彼は称賛を送りたいと思える人物」<DUNKSHOOT>

カリー(左)はファイナルでレブロン(右)やジョーダンと並ぶ数字を残しているが、GOAT論争に挙がることはほとんどない。(C)Getty Images

ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーは、現地時間6月5日(日本時間6日、日付は以下同)に行なわれたNBAファイナル第2戦でゲームハイの29得点に6リバウンド、4アシスト、3スティールと暴れ回り、107−88でボストン・セルティックスに快勝する立役者となった。

 34歳のスーパースターは2日のファイナル初戦でもゲームハイの34得点を奪っており、ここまでシリーズ平均31.5点、5.5リバウンド、4.5アシスト、3.0スティールにフィールドゴール45.7%、3ポイント46.2%と好調をキープ。

 通算30試合目となったファイナルで、カリーはキャリア平均26.8点、5.7リバウンド、6.1アシストにトゥルーシューティング59.1%を記録。大舞台でキャリア平均25.0点、5.0リバウンド、5.0アシスト、トゥルーシューティング55.0%以上をクリアしているのは、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)とレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)しかおらず、NBA史上3人しかいないスーパーエリートクラブと言っていいだろう。

 もっとも、1990年代に2度の3連覇を達成したジョーダン、ファイナル通算10度の出場で4度頂点に立ったレブロンが、史上最高の選手を意味する“G.O.A.T.(Greatest Of All Time)”と評されるなか、カリーがこの議論に加わることはほぼない。 そんななか、ウォリアーズのボブ・マイヤーズGM(ゼネラルマネージャー)が7日に『95.7 The Game』の番組「The Morning Roast」へ出演。「彼のことを擁護しなければいけないことが非常に残念」と切り出し、このように話していた。

「彼は成功した男なんだ。今年のファイナルを抜きにしても、すでに数多くのことをやり遂げているし、証明してきたんだ。ほかに証明し続ける必要があるのか、私には分からないね。あのスタッツは私も見たが、途方もないものじゃないか。

 でもどうして突然知ったようになるんだ? ちゃんと観ているのか? 何を見ているんだ? 彼はずっとやってきた。この8年間で6度目のファイナルなんだ。彼のことを観てこなかったとでも言うのか? レギュラーシーズンを通して観てこなかったということなのか?」

 これまでのNBAファイナルで、ジョーダンは6度の優勝とMVP、レブロンは4度の優勝とMVPを手にしている反面、カリーは3度の優勝を飾りながらMVPはゼロと、MVP回数では大きく劣る点は否めない。

 とはいえ、カリーがウォリアーズの原動力なのは8年前から変わっておらず、ケビン・デュラント(現ブルックリン・ネッツ)が2017、18年の2連覇時にファイナルMVPを獲った時も、チームはカリーを中心に回っていた。
  ジョーダンとレブロンが放つ強烈なオーラとカリスマ性は抜群のインパクトを与えていたことは間違いないものの、マイヤーズGMはカリーの持つ人間性を称えていた。

「彼はこれまでに出会ってきたなかで最もナイスガイな1人。彼は応援したくなる男であり、惜しみない称賛を送りたいと思える人物だ。NBAの顔としても申し分ないこと。でもなぜ彼のことを取り壊そうとするのか? 彼はいたって謙虚じゃないか。チームメイトたちのことを祝福しているシーンを観てくれ。本当に素晴らしい人間なんだ。どうして彼のことを祝福しないんだ?」

 カリーは34歳になった今でも謙虚さが失われることはなく、唯一無二の人間性でリーダー役を務めている。先日『AP』が報じた記事のなかで、カリーはそのことについてこんな言葉を残している。

「僕は自分の旅路がどこからスタートしたのかを覚えている。そのことを毎日自覚しているんだ。高校時代から初めてオールスターゲームへ選ばれたことは自分の旅路であり、人生では正しいことが起こる、それはコートで起こることも同じなんだ。僕は自惚れたりしないようにしている。それが僕の人生ってやつなんだ」 もしこれから先も“G.O.A.T.”として評されることがなかったとしても、彼がSNSやインタビューで不満を漏らすことは恐らくないだろう。

 ジョーダンやレブロンを差し置いて自分が前に立つのではなく、あくまでカリーはカリーであり、その人間性で近年最高の戦績を残すウォリアーズという球団の原動力となってきた。

 ただ、カリーに負けず嫌いな一面があることを忘れてはならない。自身4度目のチャンピオンとなるべく、8日に行なわれるシリーズ第3戦で、こういった評価を発奮材料へと変えて爆発する可能性は十分にあるのではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)
 

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