2年連続ファイナル4MVPのミチッチ、点取り屋のラーキンーー今夏にNBA行きが期待される欧州選手【Part.1】<DUNKSHOOT>

2年連続ファイナル4MVPのミチッチ、点取り屋のラーキンーー今夏にNBA行きが期待される欧州選手【Part.1】<DUNKSHOOT>

2年連続ユーロリーグファイナル4MVPのミチッチや、ドラフト指名されたラーキン(右上)、一昨季ネッツでプレーしたジェームズ(右下)はNBA移籍の可能性がある。(C)Getty Images

欧州バスケットボール情報において高い評価を誇る『EUROHOOPS』。同サイトが今オフに、NBA行きの噂がある欧州で活躍中の選手10人をピックアップしている。

 考慮されたのは「能力面」においてプレーが可能かという点ではなく、すでにドラフトされている、過去にNBAでプレー経験があるなど、現実的に移籍が実現する可能性があるかどうかという点だ。
 ヴァシリエ・ミチッチ(ポイントガード/196cm・90kg/28歳)

 ユーロで最もNBA行きの可能性が高い選手は、欧州でいま一番ホットな選手と言われるミチッチだ。所属するアナドール・エフェスを、2年連続でユーロリーグ優勝に導いた立役者であり、2年連続ファイナル4のMVPで最多得点者、そして昨シーズンは、ユーロリーグの年間得点王にも輝いた。彼自身も、「欧州でやるべきことはやり遂げた」、という感触を抱いているのではないだろうか。

 ミチッチは、今年のNBAファイナルでも大活躍したアンドリュー・ウィギンズが1位指名された2014年のドラフトで、フィラデルフィア・セブンティシクサーズから2巡目52位で指名されている。

 ただウィギンズよりも身近なのは、同胞セルビア人で、メガ・バスケットでチームメイトだったニコラ・ヨキッチだろう。
 
 ミチッチの1歳年下のヨキッチは2巡目41位でデンバー・ナゲッツに指名され、1年後にNBA入りを果たしたが、ドラフト時に20歳だったミチッチは欧州でさらに経験を積むことを選択。

 ドイツのバイエルン・ミュンヘンを皮切りに、セルビアのレッドスター、トルコのトファス、リトアニアのジャルギリス・カウナスを経て、18年にトルコのアナドール入りと、地道にプロのキャリアを積み上げてきた。

 その彼も、いまや、バルセロナのニコラ・ミロティッチ、チームメイトのシェーン・ラーキンに次いで、ヨーロッパで3番目の年俸を誇る(推定300万ユーロ)高額プレーヤーとなった。

 彼の所有権は現在、オクラホマ・シティサンダーが保有しているが、本人は「プレータイムが得られること」をNBA行きの条件に挙げており、ガードがひしめいているサンダーに行くことは考え難い。

 アメリカのメディアでは、ヨキッチのいるナゲッツや、ヤニス・アデトクンボを擁し、欧州人プレーヤーに常にアンテナを張っているというミルウォーキー・バックス、リトアニア人が幹部を務めるシカゴ・ブルズの名前が報じられている。
 シェーン・ラーキン(ポイントガード/180cm・79kg/29歳)

 ミチッチのバックコートの相棒。父バリーはMLBのスター選手というラーキンは、13年のドラフトでアトランタ・ホークスから18位で指名を受け、これまでダラス・マーベリックス、ニューヨーク・ニックス、ブルックリン・ネッツ、そして直近では17−18シーズンにボストン・セルティックスでプレーしている。

 NBAでのキャリアハイは20得点だが、欧州では49得点をマークするなど、現在の欧州バスケシーンを代表するスコアリングガードだ。

 彼のもとには、毎年オフになるとNBAの球団から話が舞い込み、ラーキン側も検討しているとのことだが、欧州で2番目の高額サラリー(推定370万ユーロ)を誇り、プレー面で得られる充実感も含めて、現在のエフェスでの待遇を上回るオファーはないようだ。

 ラーキン自身、「NBAに在籍するためだけに戻るつもりはない」と語っており、今夏もエフェスとの契約延長が濃厚。それでも彼の心を動かす条件でのオファーがあれば、現実的に復帰は起こり得る。

 以前ラーキンは、「NBAが自分の究極の目的地であることに変わりない。NBAはまだ、シェーン・ラーキンのベストバージョンは見ていない。もしまた戻ることになったら、毎試合25得点とはいかないまでも、前とは違う自分を見せられると思う」と話していた。エフェスとの契約更新の際には、『NBAに移籍の場合は破棄できる』という条項を盛り込んでいる。
 トルニケ・シェンゲリア(パワーフォワード/206cm・109kg/30歳)

 12年のドラフトでフィラデルフィア・セブンティシクサーズから2巡目54位指名を受けたジョージア代表のビッグマンは、2シーズンNBAに在籍。ブルックリン・ネッツとシカゴ・ブルズで45試合に出場したが、平均1.3点、0.9リバウンドに終わった。

 NBAでは結果を残せなかったものの、欧州では勇猛果敢なフォワードとして強豪クラブからのオファーが絶えない名手の1人だ。2020−21シーズンからCSKAモスクワでプレーも、今年2月、ロシアがウクライナに侵攻したことへの抗議の印として退団。イタリアのビルチュス・ボローニャに移籍すると、即戦力としてユーロカップ優勝に貢献した。

 今夏フリーエージェントとなった彼にはバルセロナ等から誘いがあるとのことだが、本人は、もう一度NBAに挑戦したい思いを抱いているという。
 マイク・ジェームズ(ポイントガード/185cm・79kg/31歳)

 12年のドラフトでは指名漏れしたが、17-18シーズンにフェニックス・サンズとニューオリンズ・ペリカンズ、20−21シーズンはブルックリン・ネッツでプレーした。

 最初の挑戦では約19分のプレータイムで平均9.3点、昨年は約18分で平均7.7点と、まずまずの数字を残している。

 昨年入団したモナコでは、クラブ史上初めて出場したユーロリーグでプレーオフ進出という大躍進の立役者となった。現在も、トニー・パーカーがオーナーを務めるアスヴェルと、フランスリーグの頂上目指してファイナルを戦っている真っ最中だ。

 1試合20点以上をあげるのは非常に難しいといわれるユーロリーグで、出場した試合の3分の1で20点台をマークしているのは立派。彼の今シーズンのプレーぶりからは、アメリカに戻ることを旗印に掲げていたかのような迫力が感じられた。

 ユーロリーグのプレーオフ、対オリンピアコス戦には、ネッツでチームメイトだったケビン・デュラントが応援に駆けつけるシーンも見られただけに、古巣復帰もあるかもしれない。
 タイラー・ドーシー(シューティングガード/196cm・84kg/26歳)

 17年のドラフトでアトランタ・ホークスから2巡目41位指名を受けてNBAデビューした。その後Gリーグやメンフィス・グリズリーズへのトレードを経て、19年に欧州へ上陸。

 マッカビ・テルアビブで2シーズン、21−22シーズンはギリシャのオリンピアコスでプレー。欧州では両クラブで、3年連続国内チャンピオンに輝き、とりわけオリンピアコスでは自慢の得点力を発揮し、ファイナルフォー進出にも貢献した。

 イスラエルとギリシャは、両国にルーツをもつ母親のゆかりの地であり、ドーシーはギリシャ国籍も持っている。マッカビでもオリンピアコスでも貴重な得点源として評価が高く、この夏もオリンピアコスからの契約延長オファーを受けている。

 ただ「NBAへ戻ること」を目標に掲げている彼は、毎年1年ずつ契約を更新し、NBAのサマーキャンプに参加して復帰の機会を窺っている。

文●小川由紀子

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