カリーへの称賛を惜しまないカーHC「プレーオフで彼は間違いなくピークにあった」。ウォリアーズは現布陣を維持する意向<DUNKSHOOT>

カリーへの称賛を惜しまないカーHC「プレーオフで彼は間違いなくピークにあった」。ウォリアーズは現布陣を維持する意向<DUNKSHOOT>

ウォリアーズのカーHC(右)とカリー(左)は、ともに戦った8シーズンで4度の優勝を成し遂げた。(C)Getty Images

現地時間6月22日、ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が2021−22シーズンの終了会見に臨んだ。

 ウォリアーズの指揮官に就任して8シーズン目となった今季、カーHCはコーチとして4度目のチャンピオンとなり、現役時代(5度)を含めて計9回以上NBAで優勝を経験した人物の1人となった。

 その最大の立役者であるステフィン・カリーについて、カーHCは「プレーオフで、彼は間違いなくピークにあったと思う」と絶賛。一方で、「35歳を迎える来シーズンも、7年前のように82試合のシーズンを送ることは難しいと見ている」と私見を語った。

 今年3月に34歳を迎えたカリーは、今プレーオフで平均27.4点、5.2リバウンド、5.9アシスト、1.32スティールに3ポイント成功率39.7%(平均4.1本成功)をマーク。ボストン・セルティックスとのNBAファイナルでは平均31.2点、6.0リバウンド、5.0アシスト、2.0スティールに3ポイント成功率43.7%(平均5.2本成功)を残して文句なしのファイナルMVPを獲得した。
  レギュラーシーズンでは2日続けての連戦や4日間で3試合といった過密日程も多く、遠征も多々ある点、そしてカリー自身近年はケガのため10〜20試合程度を欠場していることもあり、カーHCはコンディション面を危惧していた。

 だがポストシーズンとなると話は別。「プレーオフでは、試合の合間に休みがあり、本当に集中できる。今年はこれまででベストな2ウェイ(攻守両面の)パフォーマンスだった。彼のディフェンスは目覚ましかったよ」と、指揮官はカリーの攻守両面における働きぶりを称えた。

 ファイナルではジェイソン・テイタムやジェイレン・ブラウン、マーカス・スマートらフィジカルに長けた選手たちがカリーに1対1を仕掛け、体力を削ろうと挑んできた。

 それに対し、時にファウルトラブルに陥ることもあったが、カーHCは僅差の展開ではカリーを決してベンチへ下げず、勝利を引き寄せるまで起用し続けた。そこには両者による厚い信頼関係、阿吽の呼吸があったのだろう。 さらにもう1人、カーHCは今プレーオフにおける功労者として大ベテランの存在についても言及した。

 今季3シーズンぶりにウォリアーズへ復帰したアンドレ・イグダーラは、1月末に38歳を迎え、首などを痛めていたこともありプレーオフでは7試合で平均8.8分の出場にとどまったものの、その存在感は別格だったという。

「このプレーオフで素晴らしかったことの1つに、アンドレが挙げられる。彼はチームに対して『チャンピオンシップを勝ち取るためには、ラウンドを重ねるごとに進歩していかなければいけない』と言った。そして『皆が健康体になれば、俺たちにはできる』と言ってくれてね」

 イグダーラはプレーオフの期間中、ほとんどコートには立てなかったものの、ベンチから戦況を見守りつつ、若手選手たちへ熱心に指導するなど“チーム・ファースト”の姿勢を体現。プレーオフ開始前の時点で、ウォリアーズは決して優勝候補筆頭ではなかったものの、イグダーラの“予言”通りにチームは徐々に強さを増していった。

「この優勝における最も喜ばしい面の1つは、皆がエゴをなくし、チームのために団結したこと。それがあったからこそ、我々はこのレースをコンプリートできたんだ」
  カーHCは王座奪還をそう振り返りつつ、「彼の手引き、リーダーシップ、知恵というのは、今回の優勝で非常に大きな部分を占めていた。私としては、あれ(イグダーラの発言)がチームにとって凄く大きかったと思う」とベテランの働きを労った。

 ウォリアーズは今夏にイグダーラやケボン・ルーニー、オットー・ポーターJr.、ネマニャ・ビエリツァ、ゲイリー・ペイトン二世といった複数のメンバーが完全FAとなる。

 すでに来季契約下の選手たちだけで年俸総額が約1億7108万ドル(約232億6700万円)と超高額で、ラグジュアリータックスの支払いも免れられないが、ボブ・マイヤーズGM(ゼネラルマネージャー)は22日のシーズン終了会見で現布陣の維持を目指すと語った。

「我々のゴール、希望というのは彼らを引き留めて(来季も)同じ布陣で戦うこと。FAになる選手の多くはファイナルで見せ場を作ってくれた。つまり彼らはこのチームにとって極めて重要な選手たちなんだ」

 はたしてウォリアーズはFA戦線で今季と同じ布陣、あるいは同等の戦力を保持して来季を迎えることができるのか。優勝するチャンスがあることは他チームのFAたちにとっても魅力的なため、さらに強力なロースターを形成することも不可能ではないだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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