アデトクンボの弟コスタス、ブッカーの元同僚オコボーー今夏にNBA行きが期待される欧州選手【Part.2】<DUNKSHOOT>

アデトクンボの弟コスタス、ブッカーの元同僚オコボーー今夏にNBA行きが期待される欧州選手【Part.2】<DUNKSHOOT>

ヤニスの弟コスタス(左)、ベーコン(右上)、オコボ(右下)はいずれも過去にNBAでプレー経験がある。(C)Getty Images

欧州バスケットボール情報において高い評価を誇る『EUROHOOPS』。同サイトが今オフに、NBA行きの噂がある欧州で活躍中の選手10人をピックアップしている。

 考慮されたのは「能力面」においてプレーが可能かという点ではなく、すでにドラフトされている、過去にNBAでプレー経験があるなど、現実的に移籍が実現する可能性があるかどうかという点だ。Part2.では残りの5人を紹介する。
 コスタス・アデトクンボ(フォワード/208cm・91kg/24歳)

 アデトクンボ4兄弟の3男は、2020年にロサンゼルス・レイカーズでNBAチャンピオンのタイトルを手にした。21−22シーズンは、トニー・パーカーがオーナーを務めるフランスのアスヴェルに移籍。

 高校時代からアメリカでプレーしていたコスタスにとっては、欧州バスケ初体験となったが、ユーロリーグでの成績は、約13分の出場で平均5.8点。それほどパッとした数字ではないものの、NBAレベルのアスレティック能力を発揮した彼は、要所でインパクトを残し、ユーロリーグを沸かせたダンカーの1人だった。

 アスヴェルとの契約は1年残っているが、本人はNBAから良い話があればアメリカに戻りたい意向を表している。アスヴェル以外には、ギリシャの両雄、オリンピアコスとパナシナイコスも獲得に興味を示しているという。

エリー・オコボ(ポイントガード/191cm・82kg/24歳)

 コスタスのチームメイトでフランス人ガードのオコボは、フランスで3年間プロとして活動した後、18年のNBAドラフトでフェニックス・サンズから2巡目31位で指名を受けて入団。デビン・ブッカーと共闘した左利きのPGは、2年間で108試合に出場し、平均4.8点、2.2アシストをマークした。

 翌シーズンはブルックリン・ネッツ傘下のGリーグチーム、ロングアイランド・ネッツに在籍し、今季、同郷のパーカーに請われてアスヴェルに入団した。

 同クラブではスターティングガードとしてチームを牽引し、とりわけモナコと対決したファイナルシリーズ(全5戦)では、2勝2敗で臨んだ最終戦、第4クォーター残り1.8秒にレイアップを決めて同点に持ち込む超ファインプレー。合わせてファウルで手にしたフリースローは外して延長戦となったが、最終的に84−82で競り勝ち、アスヴェルに国内タイトル3連覇をもたらした。

 ゲームハイの20得点、9アシストと文字どおりエース級の活躍をしたオコボはファイナルMVPにも選出。そのヒーローがこの夏、クラブを離脱することを、パーカー会長は試合後に発表。行き先は明かされていないが、アメリカ勢のほかにも、ファイナルの対戦相手であるモナコの名前も噂に上っている。
 ロカス・ヨクバイティス(ポイントガード/193cm・88kg/21歳)

 昨年のNBAドラフトでオクラホマシティ・サンダーから2巡目34位で指名を受けたリトアニアの新星は、21−22シーズンは欧州の強豪バルセロナで研鑽した。

 プロデビューしたジャルギリス・カウナスですでにユーロリーグの味は知っていたとはいえ、レギュラーシーズンは首位、セミファイナルにも進出したトップクラブで(レアル・マドリーに敗戦)、ニコラ・ミロティッチを筆頭とした欧州の精鋭集団の中でのヨクバイティスの堂々としたパフォーマンスは「頼もしい」の一言。

 少年時代から、どんな場面にも動じない強心臓を歴代のコーチたちが褒めちぎっていたが、本人いわく「もともとの性格」だという、この良い意味での「面の皮の厚さ」は、今後NBAに挑戦するにあたって大きなプラス要素だ。

 彼の所有権はニューヨーク・ニックスが持っている。本人サイドは、もう1年バルセロナで経験を積みたいと考えているようだが、ニックスとの交渉次第では、この夏のNBA入りもあり得る。
 ヨルゴス・パパヤニス(センター/220cm・127kg/24歳)

 16年のドラフトで、フェニックス・サンズから1巡目13位で指名された、ギリシャで最も期待されている若手ビッグマン。彼は同国で最年少の14歳6か月でシニアチームにデビュー。その当時から身長は212cmだった。

 13年のジョーダン・ブランドクラシック・インターナショナルゲームで注目されると、アメリカの高校に進学。その後ギリシャに戻り、2014−15シーズンから2年間、パナシナイコスに所属した。

 この間、アメリカの大学に進学する場合には契約を破棄できる条項をつけていたが、パナシナイコスで経験を積むことを選択。ここから16年のドラフトにエントリーギリシャ人選手の歴代最高位となる13位で指名を受けた(13年のヤニス・アテトクンボは15位)。

 サンズからトレードされてデビューしたサクラメント・キングスでは、得点とリバウンドでダブルダブルを記録する試合もあったが、2年目に解雇となると、ポートランド・トレイルブレイザーズとの2WAY契約を経て、古巣のパナシナイコスに復帰した。

 21−22シーズンのユーロリーグでは、リバウンド数でリーグ首位を記録(8.2)。高さに頼るだけでなく、スクリーンアウト時の相手への身体の寄せ方が絶妙に巧い。見た目は細めで、NBAのパワフルガイたちとの競り合いにどこまで踏ん張れるかという懸念点はあるが、前回時よりは、巧さも身体の使い方も格段にレベルアップしている。

 現在、ヨーロッパのベストセンターの一人に挙げられる彼のパナシナイコスとの契約には、NBA入りの場合には解除できる条項も含まれているため、契約上の足枷もないのも大きい。
 ドウェイン・ベーコン(スモールフォワード/201cm・100kg/26歳)

 17年のドラフトでニューオリンズ・ペリカンズから2巡目40位で指名されてトレード先のシャーロット・ホーネッツでNBAデビュー。

 オーランド・マジックへの移籍も合わせて在籍した4シーズンは207試合の出場で平均7.3点、2.6リバウンドだった。出場時間が30分前後の試合では、コンスタントに2桁得点をあげている。

 モナコでは、Part1.で紹介したマイク・ジェームズとともに攻撃面でチームを牽引。同クラブにとってユーロリーグ参戦初年度にしてプレーオフ進出という大躍進の立役者となった。
  この経験についてベーコンは、「(欧州への)トランジションはすごく良かった。NBAよりも競争力があるように感じたよ。ディフェンスは絶対2人がかりでくるから、シュートを決めるのは難しい。ユーロリーグがいかに良いリーグか、こっちに来てから実感し、驚いた」と語っている。

 モナコは残留を望んでいるが、すでに“興味深い”オファーが色々と舞い込んでいるようだ。本人はその中から、「プレータイムを得られること」を最優先の条件として来季の行き先を決めると語っている。

文●小川由紀子
 

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