NBA新記録が誕生!? 元ウィザーズのベテラン戦士スミスがトレードで通算13球団の所属に<DUNKSHOOT>

NBA新記録が誕生!? 元ウィザーズのベテラン戦士スミスがトレードで通算13球団の所属に<DUNKSHOOT>

トレードでナゲッツへ移籍することとなったスミス。新天地で試合に出場すれば、NBA史上最多の13球団でプレーした選手となる。(C)Getty Images

フリーエージェントとの交渉解禁を翌日に控えた現地時間6月29日、デンバー・ナゲッツとワシントン・ウィザーズによるトレードが合意に達したと、米放送局『ESPN』など複数のメディアが報じた。

 ナゲッツはウィル・バートンとモンテ・モリスを放出し、ウィザーズからケンテイビアス・コールドウェル・ポープとイシュ・スミスを獲得。チーム最古参となる在籍7シーズン半のバートンと、今季先発ポイントガード(PG)を務めたモリスを手放したナゲッツの狙いは、3&Dとして定評のあるコールドウェル・ポープの獲得にある。

 2020年にロサンゼルス・レイカーズで優勝を経験した29歳は、今季ウィザーズで77試合に先発出場し、平均13.2点、3.4リバウンド、1.9アシスト、1.08スティール、3ポイント成功率39.0%(平均2.1本成功)を記録。ナゲッツのフロントは以前よりコールドウェル・ポープの獲得に興味を示しており、晴れて実現する形となった。
  モリスの放出でPGはやや手薄となるものの、来季は本来の先発であるジャマール・マレーがケガから復帰する見込みで、若手のボーンズ・ハイランドも2年目の成長が見込めるため特に問題はないだろう。

 これで来季のナゲッツは、2シーズン連続でMVPに輝いたニコラ・ヨキッチの周囲にマレー、コールドウェル・ポープ、アーロン・ゴードン、マイケル・ポーターJr.らが並ぶ、大柄で破壊力を秘めた布陣となる。

 一方、今回のトレードに際し、違った形で注目を集めているのがベテランのスミスだ。

 7月5日に34歳となるスミスは、これまでのキャリア12年間で計12チームに所属。来季ナゲッツで1試合でもプレーすれば、所属球団数(13)でNBA新記録を樹立することとなる。これまではスミスのほか、チャッキー・ブラウン、トニー・マッセンバーグ、ジム・ジャクソン、ジョー・スミスの5選手が最多記録を保持していた。 2010年にドラフト外で入団したヒューストン・ロケッツからNBAキャリアをスタートさせた183cmの司令塔は、ドリブル時の速さでリーグトップクラスと評されたスピードを武器に、所属した様々な球団でチームメイトたちの得点機会を演出。通算719試合のうち552試合がベンチ出場とキャリアの大半でバックアップPGを務め、平均7.6点、2.5リバウンド、3.9アシストの成績を残している。

 キャリア12年間で6度のウェイブ(解雇)、7度のトレードを味わってきたジャーニーマンだが、短期間の在籍であれ、数多くのNBAチームから求められてきたことは1つの勲章と言っても過言ではない。

 昨夏はシャーロット・ホーネッツへ移籍するも、わずか半年後の今年2月にトレードでウィザーズへ帰還していたスミス。4月に地元メディア『NBC Sports Washington』へこんな言葉を口にしていた。
 「これはゲームなんだ。すべてのことに対して合理的に考えていかないといけない。フロアに足を踏み入れた時、僕は毎日神へ感謝している。このゲームでプレーできる機会を与えてくれたことに感謝しているんだ」

 スミスの契約は来季限りで、年俸も約473万ドル(約6億4328万円)と安価。そのため、この先さらなるチーム強化あるいはサラリー削減のためにナゲッツから放出される可能性は否定できない。

 それでも、彼にはぜひとも通算13チーム目でプレーしてもらい、NBAという世界最高のプロバスケットボールリーグで“最も多くのチームから必要とされた男”として名を残してもらいたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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