サラリー減額でシクサーズと再契約見込みのハーデン。今夏の目標は「エリートレベルへ戻ること」<DUNKSHOOT>

サラリー減額でシクサーズと再契約見込みのハーデン。今夏の目標は「エリートレベルへ戻ること」<DUNKSHOOT>

昨季は低調な成績に終わったハーデン。加入2年目の来季はベストコンディションで持ってくると意気込む。(C)Getty Images

フィラデルフィア・セブンティシクサーズのジェームズ・ハーデンは、2022−23シーズンの契約(プレーヤーオプション)を破棄して、今夏に完全FAとなった。

 もっとも、これはシクサーズと減額して再契約するためのもので、約4740万ドル(約64億4640万円)という巨額年俸から1500万ドル(約20億7000万円)ほどカットして2年契約を結ぶ予定だと報じられている。

 32歳の元MVPは今季もシクサーズの一員としてジョエル・エンビードやタイリース・マキシー、トバイアス・ハリスらとプレーするというのが大方の予想だ。

 そんななか、現地時間7月14日に高級腕時計雑誌『Haute Time』で公開されたインタビューの中で、ハーデンはここ2シーズンの苦悩を振り返っている。

「俺は贅沢なことに、深刻なケガに悩まされることなく、手術もなしにこれまでキャリアを送ることができた。だがこの2年間はハムストリングの問題と向き合っている。(自分が思うように)プレーさせてくれないんだ」
  米国のスポーツ専門局『ESPN』のデータによると、昨年3月下旬の時点で、ハーデンは2009−10シーズンのNBA入り後、リーグ最多となる871試合に出場(レギュラーシーズン限定)。NBAでも屈指のタフガイとして知られていた。

 ところが、昨年4月にハムストリングの張りによって約1か月の戦線離脱を余儀なくされると、復帰後のプレーオフ(対ミルウォーキー・バックス/カンファレンス・セミファイナル)でも再発。昨季も故障と付き合いながらシーズンを戦った。

 ハーデンは昨季途中にシクサーズへ加入後、レギュラーシーズン21試合で平均37.7分出場、21.0点、7.1リバウンド、10.5アシストを記録。プレーオフでは12試合で平均39.9分とプレータイムこそ伸ばすも、18.6点、5.7リバウンド、8.6アシストとダウン。かつての爆発的なスコアラーぶりは影を潜め、よりプレーメーキングに重きを置いたスタイルへシフトしたが、その変化に「衰えた」「支配力を失った」と指摘する声も多かった。 しかし、実際はプレースタイルの変化以上に、ハムストリングの張りが原因で、プレーに制限がかかっていたと見ることもできる。

「俺はこの夏を活用するつもりだ。それは自分が知っているエリートレベルへと戻ること。それを目指しているし、最優先だ。バスケットボールはすべてにおいて俺のエンジンになっている」とハーデンは語る。
  ヒューストン・ロケッツ時代のGM(ゼネラルマネージャー)で、現在シクサーズの運営部門代表を務めるダリル・モーリーとエルトン・ブランドGMは、今オフにPJ・タッカー、ダヌエル・ハウスJr.というロケッツ時代の元チームメイトたちを獲得。さらにメンフィス・グリズリーズとのトレードで有望株のディアンソニー・メルトンを加え、バックコートの層は間違いなく厚みを増した。

 エンビードというMVP級のビッグマンに、心機一転を期すハーデンが並び立つシクサーズ。ハーデンが健康体を取り戻してフルシーズンを戦えれば、自ずと覇権争いへの参戦が可能となるだけに、本人だけでなくチームメイト、フロント、そしてファンも復活を待ち望んでいるに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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