2007年に実現寸前だったノビツキー&コビーの“幻デュオ”をマブズ・オーナーが回想「トレードが成立したと思っていた」<DUNKSHOOT>

2007年に実現寸前だったノビツキー&コビーの“幻デュオ”をマブズ・オーナーが回想「トレードが成立したと思っていた」<DUNKSHOOT>

2007年にマブズはノビツキー(左)の相棒としてコビー(右)獲得を狙っていたが…。(C)Getty Images

昨季、創立75周年を迎えたNBAにおいて、現役を最も長く続けたのはヴィンス・カーター(元トロント・ラプターズほか)の22シーズン。

 ただ、ひとつのフランチャイズで最も長くプレーした選手で見てみると、ダーク・ノビツキー(ダラス・マーベリックス)の21年がトップ。続いてコビー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)の20年となっている。

 両選手は多くの球団記録を保持しシーズンMVP、ファイナルMVPにも輝いているほか、ノビツキーは1度、コビーは5度の優勝を勝ち取ってきた。

 だが現地時間8月16日に公開された『Bleacher Report』のテイラー・ルックスとのインタビューで、マブズのマーク・キューバン・オーナーがその歴史を変えていたかもしれないエピソードを明かした。

 今から15年前の2007年夏、コビーはトレードされる可能性があった。当時のコビーは2シーズン連続で得点王となり、選手として全盛期を迎えていたが、レイカーズは2年連続でプレーオフ1回戦敗退。

 特に07年のプレーオフではスティーブ・ナッシュ率いるフェニックス・サンズの前に1勝4敗で完敗しており、優勝争いには程遠い位置にいた。

「私はあの時、ドクター・バス(ジェリー・バス前オーナー)のところへ行き来していた。それで誰だったかは忘れたが、ある人から電話があって、実際に『私たちはコビーと決別するかもしれないと見ている』と言ってきたんだ」(キューバン・オーナー)
  レイカーズが2年連続プレーオフ1回戦敗退に終わっていた一方、マブズは球団史上最高となる67勝15敗(勝率81.7%)でレギュラーシーズンを終え。ノビツキーはMVPに選ばれた。

 ところが、プレーオフでは1回戦でドン・ネルソン前HC(ヘッドコーチ)率いる第8シードのゴールデンステイト・ウォリアーズの前に、まさかの敗退を喫していた。

 現状からの脱却を視野に入れていたマブズにとって、コビーというリーグ最強のスコアラーを獲得できれば、覇権争いへ舞い戻ることができると考えていたのだろう。

「もの凄いことになると思っていた。ダークは『僕はコビー獲得のためにトレードされるのか…』って感じだった。そこで私は『いや違う。君をトレードしたりはしない。それがこのトレードで重要なことさ』と話したんだ」

 キューバン オーナーがそう振り返ったことから、マブズはノビツキーを放出せず、ジョシュ・ハワードやジェイソン・テリー、ジェリー・スタックハウス、デビン・ハリスらを交換要員としていたと思われる。

 ただ最終的に、マブズのコビー獲得という驚愕のトレード話は破談。キューバン・オーナーとしては、当時のミッチ・カプチャックGM(ゼネラルマネージャー)がコビーへレイカーズに残ることを説得したと信じているものの、今でも後悔の思いがあるようだ。
 「あれは成立したと私は思っていた。トレードが決まったとね。トレードの連絡を入れて、あの2人を交えて話し始めようとしていたところだったんだ」

 コビーとノビツキーというスーパースコアラーが同じチームでプレーしていれば、NBAの歴史は変わり、ノビツキーとコビーはさらに多くのチャンピオンシップを手にしていたかもしれない。

 もちろん、これはあくまで“タラ・レバ”の話。マブズはコビー獲得のために多くの選手たちを手放したことで選手層が薄くなり、オフェンス一辺倒のチームと化していたかもしれない。
  加えてコビーとノビツキーがコート上でうまく共存できたのか、指揮官のエイブリー・ジョンソンがチームをまとめることができたかは誰にも分からない。

 それでも、これまでNBAでは数多くのビッグトレードが成立し、勢力図が変わってきただけに、コビーとノビツキーという00年代の主役たちによる共演がどんな結末を迎えていたのかは興味深いところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
 

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