フランス戦惜敗は「ディテールの差」。ブラン監督が語った龍神NIPPONの現在地とパリ五輪への強化プラン【世界バレー】

フランス戦惜敗は「ディテールの差」。ブラン監督が語った龍神NIPPONの現在地とパリ五輪への強化プラン【世界バレー】

オンラインでの会見に臨んだブラン監督。世界選手権での手応えを語った。※写真は会見時のスクリーンショット

日本バレーボール協会(JVA)は9月12日、男子日本代表フィリップ・ブラン監督のオンライン記者会見を開いた。世界選手権決勝トーナメントで初戦敗退したが、ブラン監督は「世界ランキングを11位から7位まで上げ、イランを超えアジア最強のチームになった。我々のプレーのレベルは、トップ6と肩を並べるようになるという根拠を示した」と、2024年パリ五輪に向け自信を見せた。

【動画】五輪王者に肉薄するも惜敗! 日本代表がフランスに大善戦「タイブレイクで、16-18で負けたが、この差はディティール(細かな部分)だった。僅差の試合で、試合全体を通して競った。テクニックの面でより良くすることが出来た点はあったが、ブロックがフランス11に対し、日本は8。3本しか差がなく、いい試合が出来たと思う。私が満足しているのは、我々が負けたのではなく、彼らが勝ったということ。これは私にとって大きな違い」

 世界選手権では、2021年東京五輪金メダル、22年ネーションズリーグ(VNL)覇者のフランスに敗れ、目標とした8強入りを逃したが、ブラン監督は胸を張った。

 24年のパリ五輪まで2年。新体制で臨んだ今シーズン、フランスにはVNL予選ラウンドと、ファイナルラウンド(準々決勝)を含めて3連敗。予選ラウンドは主将の石川祐希(パワーバレー・ミラノ)、エースの西田有志(ジェイテクト)を温存し、準々決勝では直前の練習で左足首を痛めた石川を欠いてのいずれもストレート負け。3度目の対戦となった世界選手権での対決は、石川も復調し日本代表の世界での〝現在地〟を知る試合でもあった。

 1セット目こそ、ミスによる連続失点などで17-25と落としたものの、2セット目以降は互角の試合展開で、フルセットに持ち込み、最終セットは15-14と先にマッチポイントを取った。最後は16-18で競り負けたが、五輪王者と対等に勝負できるところまでチーム力が向上していることを知らしめた。

「フランス戦の後、我々のパフォーマンスをどのように評価すればいいのか、自問自答している」と複雑な表情で大会を総括したブラン監督。それでも「準々決勝に参加出来なかったことだけを見るのでなければ、我々の野望はまだまだ続くと感じる」と、16強という結果でなく内容に手応えを感じていることを改めて示した。
  終始、自信を示していた指揮官が悔しさをにじませたのは、「カナダがトルコに1セットでも取っていたら、(決勝トーナメント初戦で)オランダと対戦し、準々決勝はスロベニアと対戦していた。これらのチームのレベルは、我々の手の届くところにあったはず」と、第1次ラウンドでの結果による組み合わせについてだった。
 「2023年は重要なシーズンになる」と意気込むブラン監督は、新たな強化プランも示した。今年12月と来年の1、2月に大学生ら若手選手を招集し、自ら指導し強化につなげる。これまでもプランはあっても、授業との兼ね合いなどもあり実現しなかったが、JVAの川合俊一会長、南部正司男子強化委員長らが大学関係者らに理解を求め、実現の方向だという。

「合宿だけでなく、海外遠征も企画している。世界に触れる場を設け、大学レベルのスキルから世界レベルのスキルを身に着けてほしい」と南部委員長。

 東京五輪で大学生として出場した大塚達宣(早大4年)や高橋藍(日体大3年)が、世界選手権でも活躍したことで、早い段階から高いレベルの練習に参加し、海外の強豪との試合を経験することの重要性は証明され、大学などの協力も得やすくなり「オールジャパン体制」で強化を進めることができるようになった。

 一時帰国中の12日、TBSの朝の情報番組に生出演した石川は、「今、振り返っても悔しい、の一言」と改めてフランス戦で金星を逃したことを悔やんだが、世界ランキング7位に浮上したことに関し「個々の選手の力がついてきたのが一番。チームとして成長していると思う。これからはフランスなど、ランキング上位のチームを倒していくしかない」と力強く結んだ。

 VNL期間中に、「勝てないと思っていた相手が、今は、勝つチャンスはある、勝てる相手だと思えるほど(日本代表は)成長した」とも語っていた石川。世界選手権ではブラジルに敗れたが、19連敗中だったキューバに1995年以来の勝利を挙げた。男子代表「龍神NIPPON」の進化は止まらない。

文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。関西運動記者クラブ会友。
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