【ユーロバスケット2022】“3年計画”でチーム改革を進めたドイツが銅メダル獲得!大健闘のポーランドは次大会のホスト国に<DUNKSHOOT>

【ユーロバスケット2022】“3年計画”でチーム改革を進めたドイツが銅メダル獲得!大健闘のポーランドは次大会のホスト国に<DUNKSHOOT>

3位決定戦を制したのはドイツ。ポーランドを破り銅メダルに輝いた。(C)Getty Images

ベルリンを舞台に繰り広げられてきたユーロバスケット2022の決勝トーナメントは、9月18日にいよいよ最終日を迎えた。

 第一試合として行なわれた3位決定戦では、地元ドイツとポーランドが銅メダルをかけて対戦。お互いにタイトに守りあうディフェンス勝負となった立ち上がり、4分以上経過した時点でもスコアは6-6と、超スローペースな展開となる。

 ポーランドは、これまでAJ・スローターとマテウス・ポニツカが攻撃の中心を担ってきた戦略を変更し、身長215cmのビッグマン、アレクサンダー・バルセロウスキのインサイドプレーを多用。さらにチームワーク抜群のパス回しなど、41点差で敗れた準決勝のフランス戦を忘れさせる気合の入ったパフォーマンスを披露した。

 しかし、準々決勝のスロベニア戦では前半だけで9本を沈めた3ポイントが、前半の20分で0/10と不発。さらに痛手となったのはフリースローで、成功率わずか45%と、ファウルでゲットしたチャンスを得点につなげられず。一方のドイツは、第2クォーターの後半から連続して長距離弾が決まり、36-23と2桁リードを奪って前半を終えた。
  ところが後半に入ると、ポーランドはそれまで1本も決まらなかった3ポイントを第3クォーターだけで6本成功。このクォーター最後の攻撃で、AJ・スローターがコーナーから射抜き5点差まで詰め寄ると、試合終了まで約7分を残した時点で、59-59と同点に追いついた。

 だがここから、ドイツがホスト国の意地を見せる。ボールマンにプレッシャーをかけ、ペイント内のディフェンスを固めたことでポーランドの得点がストップ。その間、3連続で3ポイントを沈め再び引き離す。そして70-64と6点リードした場面から、デニス・シュルーダーが3ポイントを2連発で決め勝利を決定づけた。

 最後スコアは82-69。地元サポーターの歓声を浴びながら、選手たちは誇らしげに銅メダルを受け取った。ドイツにとっては1993年大会の金、ダーク・ノビツキー(元ダラス・マーベリックス)が大会MVPに選ばれた2005年大会の銀メダルに続く、3つめのユーロバスケットでのメダル獲得。これで金・銀・銅の全色が揃った。
  2021年9月にゴードン・ハーバートHC(ヘッドコーチ)が就任した際、同国のバスケットボール連盟が彼に課した目標は、この大会での表彰台入り。見事実行したカナダ生まれのフィンランド人指揮官は「人生における特別な瞬間だ」とコメントした。

 そしてこの結果は、リーグにおける外国人選手の人数を制限したり、プロクラブの最低予算や、アリーナの規模などインフラ面の管理、プロクラブへの育成の義務づけといった改革を、連盟が数年前から進めてきた成果でもある。

 ハーバードHCは試合後、このチーム作りは3年計画であることを明かした。来年のワールドカップも彼の指導の下、シュルーダーを筆頭に、献身性が光るビッグマンのダニエル・タイス(インディアナ・ペイサーズ)や、今大会がシニア代表でビッグトーナメント初出場のフランツ・ヴァグナー(オーランド・マジック)、そして欧州組のヨハネス・フォイトマン(CSKAモスクワ)ら、ほぼ同じメンバーで挑むことになるだろう。
  グループリーグのハンガリー戦を除く8試合に出場し、ともにチームハイとなる平均22.1点、7.1アシストをあげ銅メダル獲得に大きく貢献したシュローダーは「この大会を開催したことはドイツにとって大きい。ファンにとってバスケットボールはより魅力的なものになったはずだ。これを機に、ドイツにおいてバスケットボールは、より存在感の大きい競技になっていくだろう」と展望を語った。

 今夏FA(フリーエージェント)となっていたシュルーダーは、この大会中に古巣ロサンゼルス・レイカーズへの復帰が発表されたが、噂によればフェニックス・サンズ、トロント・ラプターズからもオファーを受けていたという。彼にとって今大会での活躍が、大きなアピールになったのは間違いない。

 しかし敗れたポーランドも、大会を通じて素晴らしい試合を見せてくれた。イゴール・ミリチッチHCは「私にとって、選手たちはヒーローであり、スーパースターだ。彼らがこの大会で成し遂げたことはアメージングだった。とりわけ若い選手に向けては、今後へ向けての貴重な経験となった」と選手たちへ賛辞を贈っている。
  ポーランドは、来年のワールドカップ予選からはすでに敗退しているため、この魅力的なチームがさらに成長した姿を東南アジアの会場(フィリピン、インドネシア、沖縄)で見ることは叶わない。しかし今回の奮闘も決め手となり、2025年に開催される次回のユーロバスケットの共同ホスト国に加えられることになった。
  この大会はラトビア、キプロス、フィンランド、そしてウクライナが共催する予定だったが、ロシアの軍事侵攻を受けたことによってウクライナのホスト権が白紙撤回となり、1枠が未定となっていたのだ。

 両チームが全力でぶつかりあった、見応え満点の3位決定戦。そしてこの試合は、続いて行なわれた決勝戦の“最高のプロローグ”となった。

文●小川由紀子

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