「KDは上質なバスケをプレーしたがっていた」グリーンが2016年にデュラントが加入した理由を語る<DUNKSHOOT>

「KDは上質なバスケをプレーしたがっていた」グリーンが2016年にデュラントが加入した理由を語る<DUNKSHOOT>

2016年、デュラント(右)はライバルチームのウォリアーズに電撃加入。その理由をグリーンが語った。(C)Getty Images

今季でブルックリン・ネッツ在籍4年目(実働3年目)を迎えるケビン・デュラントは、リーグ指折りの選手であり、歴代屈指のスーパースコアラーだ。今夏にチームへトレードを要求してリーグを震撼させたものの、8月下旬にフロント、オーナーとの話し合いの末に協力すると合意し、事実上のトレード撤回となった。

 シアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)でNBAキャリアをスタートさせたデュラントは、ラッセル・ウエストブルック(現ロサンゼルス・レイカーズ)、ジェームズ・ハーデン(現フィラデルフィア・76ers)らとともに2012年にNBAファイナルに進出。13-14シーズンにはキャリアハイの平均32.0点に7.4リバウンド、5.5アシストの成績でMVPに輝き、リーグ最高級の選手となった。

 ウエストブルックとの強力デュオで臨んだ16年のプレーオフ。サンダーはダラス・マーベリックス、サンアントニオ・スパーズを下してカンファレンス・ファイナルで前年王者のゴールデンステイト・ウォリアーズと激突する。
  両輪の活躍もあってサンダーは3勝1敗と12年以来の頂上決戦へ王手をかけたが、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソンの超人的な活躍もあって3連敗で敗退。すると同年夏にフリーエージェントとなったデュラントは、よりにもよってウォリアーズへ移籍するという誰もが驚く決断を下した。

 そのウォリアーズは同年のファイナルでクリーブランド・キャバリアーズ相手に3勝1敗で2連覇まであと1勝に迫るも、レブロン・ジェームズ(現レイカーズ)、カイリー・アービング(現ネッツ)の爆発を許し、最終第7戦で敗れて世紀の大逆転負け。

 翌年からはデュラントを加えたことで2連覇を飾り、デュラントは2年連続でファイナルMVPを獲得。19年のファイナルはケガもあってトロント・ラプターズに2勝4敗で敗れたものの、ウォリアーズは5年連続ファイナル進出という偉業を成し遂げた。

 現地時間9月14日に公開されたポッドキャスト番組『"Checc'n In" podcast』へ出演したドレイモンド・グリーンは、デュラントが16年のウエスタン・カンファレンス決勝が始まる前の時点で、ウォリアーズ入りを望んでいたと語った。「KD(デュラント)は上質なバスケットボールをプレーしたがっていた。俺たちがやっていた、選手たちがボールを動かしていくタイプのバスケットボールを見てきたからな。ステフを生かすやつさ。皆がステフのために走ってスクリーンをかけ、ステフへボールを回すスタイルを、俺たちは楽しんでやっていたからだ」

 2014年にウォリアーズの指揮官に就任したスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)は、スクリーンやカットなどのオフボールムーブを交えて、コート上の選手たちが動き回るシステムを作り上げた。カリーやトンプソンが外から射抜き、ペイントエリアからイージーバスケットを重ねる現在のチームの核となっているものだ。グリーンはさらにこう続ける。

「俺たちはベストブランドと言えるバスケットボールをプレーしていた。俺たちがこなすプレーやパス、ムーブといったバスケットボールは、NBAではスパーズを除いてどこもしていなかった」
  スパーズはティム・ダンカン、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリにカワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)といったスター選手を中心に、グレッグ・ポポビッチHCによるアンセルフィッシュなチームバスケットで2014年に優勝。

 その当時エクストラパスという言葉が頻繁に聞かれたたように、コート上の5人がボールムーブメントでディフェンスとのズレを作り出す、美しいバスケットボールを確立させたのである。

「どのチームもピック&ロールやミスマッチばかりを突いてやっていた。それはNBAがそういう周期にあったからでもある。そこで俺たちはバスケットボールのスタイルを変えてみせたのさ」とグリーン。

 そうして独自のスタイルを構築した当時のウォリアーズのオフェンスは、世界中のバスケットボールファンや関係者を魅了。それだけでなく、デュラントをはじめ対戦相手としてプレーする選手たちにも魅力的に映っていたということなのだろう。

 王者ウォリアーズは今季もカリー、トンプソン、グリーンのビッグ3が健在なだけに、美しいチームバスケットを披露してくれるに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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