馬場咲希、川崎春花、尾関彩美悠ら今シーズン躍進するZ世代!10代女子ゴルファーの強さの秘密とは―

馬場咲希、川崎春花、尾関彩美悠ら今シーズン躍進するZ世代!10代女子ゴルファーの強さの秘密とは―

今季日本女子ゴルフ界を沸かす尾関(左)馬場(中)川崎(右)の3人。彼女たちの活躍は他のゴルファーらにも好影響を与える。(C) Getty Images

今年の『全米女子アマゴルフ選手権』を制した17歳の馬場咲希が注目を浴びる一方で、国内女子ツアーでもここ最近10代女子の活躍が目立つ。今年の3月に高校を卒業したばかりの彼女たちが、なぜいきなりツアーで優勝を飾ったり、優勝争いに絡めるのだろうか。

 まず、周囲を驚かせたのが9月11日に開催された『日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯』で優勝した19歳の川崎春花だろう。今季は一度もトップテンに入っていなかった選手がいきなり国内メジャーを制したことで、一気に脚光を浴びた。その翌週に開催された『住友生命Vitalityレディス東海クラシック』では、同じく19歳の尾関彩美悠がツアー初優勝を飾る。さらに翌週開催の『ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン』では、やはり19歳の竹田麗央が優勝した山下美夢有に最後まで食らいつき、自己最高位の2位タイに入った。その他、ステップ・アップ・ツアーでは18歳の櫻井心那が3勝を挙げて、賞金女王レースを独走している。それ以外にも優勝こそないものの、安定した成績を残してメルセデスランキングで28位(9月25日終了時点)につけている佐藤心結も19歳だ。
  渋野日向子や畑岡奈紗、勝みなみといった黄金世代以降、20歳前後で活躍する選手が飛躍的に増えた。クラブやボールといった用具の進化もあるが、彼女たちを指導するコーチのレベルが高くなったことも見逃せない。先端のスイング理論を学んだコーチが、ジュニア時代から自分たちの教え子にそのエッセンスを叩き込む。さらに、コースマネジメントやメンタルケア、トレーニングに関するアドバイスも提供。選手によってはスイング以外をフィジカルトレーナーやメンタルトレーナー、栄養士などの専門家がつく場合もある。いろんな意味でひと昔前よりも圧倒的に上達へのルートが確立されているのだ。

 また、ナショナルチームに入れば、15年10月からヘッドコーチに就任しているガレス・ジョーンズ氏の下、データ解析などで自分のゴルフを見つめ直すことも可能だ。実際、ジョーンズ氏が指導するようになり、男女ともにアマでツアー優勝を飾ったり、プロ入りしてからすぐに活躍するようになった。異色なところでは、数年前から尾崎将司や中嶋常幸といったレジェンドがジュニアゴルファーを指導するようになり、狭き門ではあるが彼らの英才教育を受けることも可能になった。
  たとえ有名なコーチの指導を受けることができなくても、YouTubeやSNSによって、彼らの理論を学ぶことができるし、海外のトッププロがどのようなスイングをしているのか、その動画をじっくりと見ることもできる。

 もちろん、選手自身の努力があってこその結果だが、指導する側にとっても教え子が活躍することで、自分の指導に対する説得力や信頼度も上がる。教わる側も先輩たちが若くして活躍する姿を目の当たりにするわけだから、自分たちも頑張ればという意欲を掻き立てられる。そのような相乗効果もあり、この数年間で一気に若手が上位に食い込むようになった。
  ただ、これまで以上に今年は10代女子の活躍が目立つ。その大きな要因としてプロテストとクォリファイングトーナメント(QT)の制度が変わったことも影響しているように思える。19年度から開催年度の4月1日時点で満17歳の女子が受験できるようになった。要するに、高3で受験できるようになったため、プロテストに合格し、QTでも上位にいけば、高校を卒業した3月からすぐに試合に出場できるのだ。たとえ上位にいけなくても、ファイナルQTまで進めば、ステップアップツアーに出場できる。それ以前は高校を卒業した年にプロテストを受けていたため、早くても20歳を迎える年度がルーキーイヤーだったことを考えると、1年前倒しになった分、10代で活躍するチャンスを得たことになる。

 若い世代が台頭することに比例して、ツアーからフェードアウトする年齢も低くなっているだけに、早く活躍したい思いも選手にはあるだろう。どちらにしろ、今後も10代女子が国内女子ツアーで上位に来る傾向は続くのではないだろうか。今週末に控える国内最高峰のトーナメント『日本女子オープンゴルフ選手権』も、ニューヒロインたちの活躍に注目したい。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、07年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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