「若い子たちのキャリアは短くなっている」王者ウォリアーズが大ベテランのイグダーラと再契約を結んだ理由<DUNKSHOOT>

「若い子たちのキャリアは短くなっている」王者ウォリアーズが大ベテランのイグダーラと再契約を結んだ理由<DUNKSHOOT>

現役続行を表明したイグダーラ。チームにとって必要不可欠な存在だ。(C)Getty Images

昨シーズンの覇者ゴールデンステイト・ウォリアーズは、さいたまスーパーアリーナでワシントン・ウィザーズとの「NBAジャパンゲームズ2022」に臨んで2連勝を飾った。

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 9月28日夜に日本へ到着後、チームは都内某所で練習やメディア対応をこなしつつ、30日に第1戦へ臨み、翌10月1日にサタデーナイトイベント、そして2日に第2戦をこなすという過密日程だった。

 するとウォリアーズは、現地時間3日(日本時間4日、日付は以下同)にガードのマック・マクラングと新人フォワードのトレビオン・ウィリアムズをウェイブ(放出)。

『The Athletic』によると、ウォリアーズは2人に代わってフォワードのアンソニー・ラム、先日オクラホマシティ・サンダーからヒューストン・ロケッツへトレード後にウェイブされていたガードのタイ・ジェロームとキャンプ契約(無保証契約)を結ぶという。

 こうしてレギュラーシーズン開幕に向けてロスターを整備するウォリアーズだが、昨季リーグを制した王者の主軸は不動だ。ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンというビッグ3にアンドリュー・ウィギンズ、ジョーダン・プール、ケボン・ルーニーが強固な基盤となっている。

 さらに新加入のドンテ・ディヴィンチェンゾとジャマイケル・グリーン、若手のジョナサン・クミンガやジェームズ・ワイズマン、モーゼス・ムーディーといった選手たちが続く。
  そして忘れてはならないのが、9月下旬に現役続行を表明したアンドレ・イグダーラだ。38歳の大ベテランは、キャリア19シーズン目となる今季が現役ラストシーズンになることを発表しており、ウォリアーズを選手としてサポートしていくのは今季が最後となる。

 ジャパンゲームズでは2戦ともコートへ立たず、サタデーナイトもチームの輪には加わっていたものの、イベントへ参加することはなかった。

 だがビッグ3中心で覇権争いが見込める今後数年だけでなく、ウォリアーズは長期的な王朝チーム構築を目指しており、そのためにもイグダーラの存在が依然として大きな鍵となる。
  4日に『The Athletic』へ公開された記事の中で、イグダーラは「若い子たちのキャリアは短くなっている。それには理由があるんだ。何かが起こる前の時点で、多くのことをかみ砕こうとしているからなんだ。それは進化のようなものさ」と切り出し、こう続けていた。

「私はリーグのエグゼクティブの1人と有意義な会話ができている。彼が言っていたのは、リーグは(ロスター当落線上の)下部にいる選手たちを引き上げなければいけない、なぜならそういった選手たちのうち大多数がNBAから離れてしまう、というものだった。

 コビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)は、(高校卒業後に)リーグ入りして数年で本物のコビー・ブライアントになったけどね。ただ、私たちは彼らのことを失敗へ陥れようとしてはいけない。彼らを見限ってはいけないんだ。しかも機会さえ手にできていない選手たちもいる。

 今のリーグでは21、22歳の選手でも離れていく。そんなのおかしくないか? 彼ら(若手)にはルーキーの壁を乗り越えてもらうんだ。私たちがそれをくぐり抜けてきたようにね。それも若い選手たちが成熟するプロセスのうちなんだ」

 ウォリアーズではイグダーラが最年長の38歳なのに対し、ルーキーのパトリック・ボールドウィンJr.は19歳と、年齢で2倍の差がある。

 このチームの強固な基盤(6選手)とイグダーラの計7選手を除くと、ディヴィンチェンゾも含めていずれもキャリア4年目以下と、チーム内におけるNBAキャリアにも大きな差が生じている。

 だからこそ、ウォリアーズにはイグダーラという面倒見が良くて模範を示し、適切に若手を指導できる男が必要なのだ。スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)はこう話す。
 「このチームにはたくさんの若手がいる。そして彼らにはコーチングとメンタリングが必要で、アンドレはまさにその役が適任なんだ。彼は若い選手たちと一緒に練習するのが大好きなんだ。選手としても、彼はなんでもこなすことができ、どうすればいいかを熟知している。どんなラインナップになっても機能させることができる。

 たとえコートに出ていなくても,彼なら同じことを若い選手たちに教えてくれる。だからこそ、アンドレはこのチームにとって本当に重要な一員なのさ」

 ベテラン陣だけでなく、カーHCをはじめとするコーチングスタッフからも絶大な信頼を得ているイグダーラ。この男がクミンガやワイズマン、ムーディーといった将来のコアをフロントやコーチ陣が描く青写真の中へ組み込むことができるか、最大の鍵を握っていると言えるだろう。

 球団史上2度目の連覇がかかる今シーズンだが、ウォリアーズにとっては来季以降の命運もかけた重要なシーズンとなりそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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