「日本文化との関係を伝える」露記者が近代フィギュアの名プログラムに羽生結弦を選出!「誰でも理解しやすい」作品は?

「日本文化との関係を伝える」露記者が近代フィギュアの名プログラムに羽生結弦を選出!「誰でも理解しやすい」作品は?

露記者が選出した羽生結弦の名プログラムとは―。(C)Getty Images

あなたの心に残る名プログラムといえば、いつ誰の作品を思い浮かべるだろうか。

 現地時間10月14日、ロシアのスポーツメディア『Sport24』のアレーナ・ヴォルコワ記者が近代フィギュアスケート史の印象的なプログラムを発表した。同記者は、名だたる名作を取り上げたなかで日本の羽生結弦が18年の平昌オリンピックで演じた『SEIMEI』を挙げている。
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 羽生の代表的なプログラムの1つである『SEIMEI』とは、狂言師・野村萬斎が2001年10月に、安倍晴明役で主演を務めた映画「陰陽師」を題材とした演目。羽生自身、初めて“和”への挑戦で、プログラム冒頭は笛と太鼓の音で力強く始まる。これは同映画の曲を使用しており、タイトルは羽生自らが名付けたという。

『SEIMEI』を羽生が初めて使用したのが、15-16年シーズンのフリー。グランプリファイナル(スペイン・バルセロナ)でフリー219.48点、ショート110.95点の合計330.43点で世界歴代最高得点を更新。二週間前にNHK杯で自らが叩き出した最高得点を再び更新する神がかりな演技で、男子選手としてグランプリファイナル史上初の3連覇を達成した。

 迎えた勝負の17-18年シーズン。羽生がフリーに選んだのは、満を持して『SEIMEI』だった。ところが、羽生はオリンピック前の2017年11月のNHK杯公式練習で右足を負傷。平昌オリンピック前まで実戦復帰せず、約4ヶ月のブランクがあった中ぶっつけで臨んだ。周囲がコンディションを疑問視するなか、羽生は渾身の『SEIMEI』を披露。王者の気迫を見せる魂の演技で、男子シングル66年ぶりのオリンピック連覇の偉業を成し遂げた。

 ヴォルコワ記者は「ユヅル・ハニュウの『SEIMEI』はスケーターの個人的な経験や文化的な背景を語るプログラムで、最も注目すべきものだ。誰にでも分かりやすく、スケーター自身と日本文化との関わりを的確に伝えている」と絶賛している。
  同記者は、他に印象的なプログラムを複数名挙げている。地元ロシアで選ばれたのは、ユリア・リプニツカヤの『シンドラーのリスト』とミハイル・コリヤダの『白いカラス』だ。

 リプニツカヤが13-14シーズンのフリーで演じたプログラムについて「赤いコートを着た少女の映像は、おそらく『シンドラーのリスト』の物語を最も鮮やかに、そして力強く読み解くものとして、いつまでも記憶に残ることだろう」と称賛。21-22シーズンにコリヤダがフリーで演じたプログラムは「音楽が氷上のパフォーマンスに非常に適していた。このロシアスケーターのプログラムにインスパイアされたと思われる作品が他にも多数見られる」とコメントしている。

 フィギュアスケートに新しいスタイルを持ち込んだとして、アイスダンスのガブリエラ・パパダキス&ギオーム・シゼロン(フランス)を高く評価している。彼らが21-22シーズンに披露したリズムダンス『Made To Loveほか』について「奇抜なリズムダンスは絶対的な新しさとなり、既に他のスケーターのプログラムにも現れ始めている」と世界王者の演技を絶賛。

 さらに、振り付けや要素の観点として13-14シーズンのキム・ヨナ(韓国)のフリー『アディオス・ノニーノ』について「この作品は、リズムが絶えず変化し、それぞれの動きが音楽と調和し、プログラムに空白がなく、要素が非常に巧みに配置されている」と語っている。

 ヴォルコワ記者は最後に「観戦者にとって最も重要なことは、感情移入である。どんなに素晴らしく、思慮深く、よく練られたプログラムでも、簡単に理解できないことがある。ここでは、格付けをすることでも、何が優秀で何がそうでないかを客観的かつ議論することではない」と締めくくった。

 高難度ジャンプに注目が集まることが多い現代フィギュアだが、今シーズンも選手やコーチ、振付師が丹精込めて練り上げたプログラムを楽しみに見たい。

構成●THE DIGEST編集部

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