「ジョエルを1対1で守れる選手はいない」支配的なプレーでナゲッツを粉砕したエンビードに敵将もお手上げ「彼をガードするのはチャレンジ」<DUNKSHOOT>

「ジョエルを1対1で守れる選手はいない」支配的なプレーでナゲッツを粉砕したエンビードに敵将もお手上げ「彼をガードするのはチャレンジ」<DUNKSHOOT>

またも支配的な活躍を見せたエンビード。敵将マローンHCも「1対1で彼を守れる選手はいない」と称賛した。(C)Getty Images

現地時間1月28日(日本時間29日、日付は以下同)に行なわれたデンバー・ナゲッツとフィラデルフィア・セブンティシクサーズによる一戦は、ふたつの見どころがあった。東西強豪チームの激突、そして“最強ビッグマンはどちらなのか?”という点だ。

 ナゲッツを率いるのは、直近2シーズン連続でMVPに輝いたセルビア出身のニコラ・ヨキッチ。対するシクサーズは、同じく直近2年のMVP投票において2シーズン連続で2位につけ、昨季は平均30.6点で初の得点王を獲得したカメルーン出身のジョエル・エンビードを擁している。

 そんな2人の支配的なセンターがぶつかり合ったこの試合、ナゲッツは約40分間にわたってリードを奪い、ヨキッチが24得点、8リバウンド、9アシスト、2ブロック、彼の相棒を務めるジャマール・マレーも22得点、4リバウンド、6アシストをマーク。しかしシクサーズが最終クォーター中盤に逆転すると、そのままリードを譲らず126-119で勝利を飾った。
  7連勝となったシクサーズは、エンビードがゲームハイの47得点、18リバウンドに5アシスト、3スティール、2ブロックと圧巻のパフォーマンスを披露。ここまでリーグトップの平均33.8点を記録するビッグマンは、今季早くも7度目となる40得点、10リバウンド超えのモンスタースタッツをマークした。

 そのほか、ジェームズ・ハーデンが17得点、13アシスト、トバイアス・ハリスが14得点、6リバウンド、ジョージ・ニアンが14得点、タイリース・マキシーが13得点、6アシスト、ディアンソニー・メルトンが13得点、2スティールを記録。また、PJ・タッカーは試合時間残り約1分にオフェンシブ・リバウンドからショットを決め、その直後のポゼッションではヨキッチからスティールを奪い、エンビードの3ポイントへつなげる貴重な働きを見せ、勝利に貢献した。

 試合後、エンビードは「このチームのみんなが互いにフィットしている。シューター陣、ディフェンダーたちもいるし、ジェームズ・ハーデンもいる。俺たちにはいいチャンスがあると思うね」とコメント。今季のチームに手応えを感じており、自身初のカンファレンス・セミファイナル突破、さらにその上を見据えているようだ。
  そのエンビードについて、ナゲッツのマイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)は試合後にリスペクトを示していた。

「我々はジョエルがどんな夜であろうと、問題を引き起こすと理解している。彼にはスコアリング、リバウンディング、プレーメーキングで支配できる能力があり、あらゆる方法で点を取ることができるんだ。

 ジョエルをガードするのはチャレンジだよ。1対1で彼を守れる選手はいない。それはもう、チーム全体でやっていくことなんだ」
  エンビードはビッグマンながら柔らかいシュートタッチを備えており、ポストプレーからドライブ、プルアップジャンパーやフェイダウェイ、3ポイントも難なく決めることが可能。加えてここ数年は、ポストでダブルチームされることを回避すべく、エルボー(フリースローラインの両端)とネイル(フリースローラインの中央)からプレーを展開することで支配力もアップした。

 絶好調の大黒柱に率いられたシクサーズは、現在32勝16敗(勝率66.7%)でイースタン・カンファレンス2位。1位のボストン・セルティックス(36勝15敗/勝率70.6%)とのゲーム差を2.5としており、イーストの首位争いを演じている。

 これからさらにケミストリーが醸成すれば、シクサーズはますます恐ろしいチームへ変貌する可能性を秘めていると言えるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

【PHOTO】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!

関連記事(外部サイト)

  • 記事にコメントを書いてみませんか?