名手マジックが語るNBAの覇権争い。東西の3強を挙げ、注目のサンズには「真のチャンスがある」<DUNKSHOOT>

名手マジックが語るNBAの覇権争い。東西の3強を挙げ、注目のサンズには「真のチャンスがある」<DUNKSHOOT>

デュラントの加入で一躍優勝候補に躍り出たサンズ。マジックも「タレントは信じられない」と太鼓判を押す。(C)Getty Images

現地時間2月23日、NBAはオールスターブレイクを経て、レギュラーシーズン後半戦が幕を開けた。そんななか、現地メディア『USA TODAY』にて、80年代にロサンゼルス・レイカーズを5度の優勝に導いたマジック・ジョンソンが今季の覇権争いについて言及している。

 マジックはまず、「ケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)とカイリー・アービング(ダラス・マーベリックス)がトレードされたことで、すべてが変わった」と語り、イースタン・カンファレンスの展望について述べている。

「私はボストン(セルティックス)、ミルウォーキー(バックス)、そしてブルックリン(ネッツ)がトップチームだと見ていたんだ。今はボストンとミルウォーキーがベストチームで、フィラデルフィア(セブンティシクサーズ)がその背後にいるという感じだね」

 イーストでは首位争いを演じるセルティックスとバックスが順当に優勝候補。マジックがトップチームの一角に数えていたネッツは、デュラントとアービングの2大エースを放出し、マブズからスペンサー・ディンウィディーとドリアン・フィニー・スミス、サンズからミカル・ブリッジズとキャメロン・ジョンソンら即戦力を加えたものの、覇権争いからは脱落したと見ているようだ。
  一方、ウエスタン・カンファレンスは「デンバー(ナゲッツ)が依然として非常にいいチームで、メンフィス(グリズリーズ)もいる。今後の展開が楽しみだ」とした上で、クリス・ポール、デビン・ブッカー、ディアンドレ・エイトンの3本柱にデュラントを加えたサンズを高評価。

「フェニックスには真のチャンスがある。あそこのタレントは信じられないものだ。彼らが一丸になれば、NBAファイナルへ進出することができる。ただ、彼らはどのようにして一緒にプレーしていくかを理解していかなければならない。ウエストの優勝候補はデンバー、メンフィス、フェニックスだと見ている。ディフェンディング・チャンピオン(ウォリアーズ)は王者としてプレーしているとは思えない。ゴールデンステイトはディフェンス面で何かを失ってしまった」

 ナゲッツ、グリズリーズ、サンズを3強に挙げつつ、昨季覇者のウォリアーズに厳しい評価を与えたマジック。ウォリアーズは現在、ステフィン・カリーがケガのため離脱しており、ベストメンバーで戦うことができていない。トレード・デッドラインに昨季の優勝に大きく貢献したゲイリー・ペイトン二世を呼び戻したことで、懸念の守備が改善されるか見ものだ。 ウエスト首位のナゲッツは、23日の球宴明け初戦でクリーブランド・キャバリアーズを下し、2位以下を引き離す42勝18敗(勝率70.0%)に。ニコラ・ヨキッチは今季リーグトップを独走する22回目のトリプルダブル(24得点、18リバウンド、13アシスト)を記録する、貫禄のパフォーマンスを披露している。

 3シーズン連続のMVP受賞も視野に入るセルビア出身のビッグマンついて、マジックはこう話す。
 「ニコラ・ヨキッチ、クリス・ポール、レブロン・ジェームズ。この3人が現役トップ3のパサーだ。ヨキッチは自身のゲームを新たなレベルへと引き上げている。今の彼は最高のレベルでプレーしているよ。彼とヤニス・アデトクンボ(バックス)が、私の選ぶリーグのMVPだ」

 レギュラーシーズン終了まで残り1か月半。両カンファレンスの順位争いとともに、MVPをはじめとした各個人賞の行方も気になるところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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