球宴後の5連敗を抜け出したクリッパーズ。大黒柱レナードは「依然として自分たちに自信を持っている」<DUNKSHOOT>

球宴後の5連敗を抜け出したクリッパーズ。大黒柱レナードは「依然として自分たちに自信を持っている」<DUNKSHOOT>

レナードはオールスター後の6試合で平均29.8点と絶好調。自らのプレーでチームを牽引している。(C)Getty Images

ロサンゼルス・クリッパーズは、2月のトレード・デッドラインにエリック・ゴードン、メイソン・プラムリー、ボーンズ・ハイランドを獲得、さらにオールスターブレイク期間中にラッセル・ウエストブルックを加え、ロスターを強化した。

 ところが、現地時間2月24日に迎えた後半戦の初陣で、サクラメント・キングスと2度の延長にもつれる大激戦の末に175-176で敗れると、そこからまさかの5連敗。その間、26日のデンバー・ナゲッツ戦も延長の末に敗戦、3月3日のキングス戦では再び1点差で敗れるなど苦しんだ。

 それでも、5日のメンフィス・グリズリーズ戦を135-129のハイスコアで制すと、続く8日のトロント・ラプターズ戦も108-100で下して2連勝。35勝33敗(勝率51.5%)のウエスタン・カンファレンス5位でプレーオフ進出圏内をキープしている。

 直近のラプターズ戦ではカワイ・レナードが古巣相手に24得点、12リバウンド、4アシスト、3スティール、ポール・ジョージが23得点、4アシストと両輪が活躍。さらにイビツァ・ズバッツが17得点、8リバウンド、2ブロック、控えのテレンス・マンが14得点、4アシストと続いた。
  途中加入選手を見ると、ウエストブルックはここまで全7試合に先発し平均14.1点、8.1アシスト、フィールドゴール成功率51.9%とまずまずの出来。ハイランドが7.0点、3.6リバウンド、1.6アシスト、同成功率29.7%と不発も、ゴードンが10.1点、2.3アシストに3ポイント成功率38.5%(平均1.7本成功)、プラムリーが9.3点、9.1リバウンドと期待通りの働きを見せている。

 5連敗脱出&2連勝後、レナードは「依然として自分たちに自信を持っている。それに俺がフロアに立ってプレーしている時、このチームは試合に勝てると思っている。それはほかのみんなも同じだと思う」と自信を覗かせていた。

 クリッパーズは2021年のプレーオフでフランチャイズ史上初のカンファレンス・ファイナルに進出。しかし昨季はケガでレナードが全休、ジョージも長期離脱を余儀なくされ、“完全体”とはほど遠い状態だっただけに、今季に懸ける気持ちは強い。 レナードとジョージというリーグ有数のウイングプレーヤーの周囲にノーマン・パウエルやマーカス・モリスSr.、ニコラ・バトゥーム、ズバッツ、ロバート・コビントンといった仕事人がおり、さらにウエストブルックら即戦力を加えたのだから、選手層の厚さはリーグ最高級だ。

 特にレナードは、オールスターブレイク後の6試合で平均29.8点、7.3リバウンド、3.2アシスト、フィールドゴール成功率56.1%、3ポイント成功率60.0%と調子を上げており、プレーオフに向けてしっかりと照準を合わせている。

 クリッパーズは今季を含めた4シーズン、レナードが出場した試合で102勝47敗(勝率68.5%)を記録。今季も25勝15敗(同62.5%)と大きく勝ち越しており、ベストメンバーでポストシーズンを迎えられれば、やはりこのチームを優勝候補から外すことはできない。
  4月15日のプレーオフ開幕まで約1か月と迫るなか、レナードはこんな言葉を残していた。

「一貫してプレーしていくだけ。俺たちが話し合っているのは、バスケットボールの試合で勝利を重ねていくにはディフェンシブなマインドセットが重要ということ。互いに話し、コミュニケーションを取り、自分たちのオフェンスを理解し、ターンオーバーを極力抑えたうえで、それを遂行していくことが大事だ。俺たちが48分間にわたってハードにプレーし、最高のディフェンスを持ち込むことができれば、素晴らしい結果が待っているだろう」

 クリッパーズの今季のディフェンシブ・レーティングはリーグ15位の113.4。オールスター後は27位の119.8へ悪化しているものの、これを伸びしろと捉えて、プレーオフに向けて新戦力とのケミストリーを高めていきたい。

 今後もタフな戦いが続くなか、レナードを軸にチームとして団結し、守備面を強化することができれば、最も重要な時期を最高の状態で迎えることができるのではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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