角田裕毅は2025年にレッドブルのシートを得られるか!? 蘭メディアでペレスの後釜を予想する論争が勃発!

角田裕毅は2025年にレッドブルのシートを得られるか!? 蘭メディアでペレスの後釜を予想する論争が勃発!

第3戦で今季初のポイントを獲得した角田。各メディアの評価も高まっている。(C) Getty Images

F1でのキャリア3年目となる今季、ここまで3戦を終えて入賞1回、獲得ポイント1点に止まっているアルファタウリの角田裕毅だが、他車より性能が劣る「AT04」を駆りながらも、その力を最大限に引き出し、開幕2戦では10位と僅差の11位、3戦では一時5番手まで上がり、繰り上がりとはいえ自力でポイントをもぎ取ったその戦いぶりは、関係者や海外メディアからも高く評価されている。
  チームメイトのニック・デ・フリースに3戦とも、予選・決勝の両方で勝利し、ドライビングではこれまで以上の安定感と粘り強さを発揮している22歳の日本人ドライバーに対し、チーム代表のフランツ・トスト代表は満足感を示し、第2戦サウジアラビア・グランプリ終了後には、ドイツの放送局『Sport1』で「ここまで非常に力強いレースを続けている」と称賛した。

 また、ここで語った「2025年のレッドブル昇格に向けて、いよいよ準備が整うと思う」というコメントは大きな話題となっており、角田がセルジオ・ペレスに代わって、無敵の世界王者マックス・フェルスタッペンの新たなパートナーとなる可能性について、各メディアが言及している。

 オランダのF1専門メディア『RN365』のポッドキャストでは、かつて日本で全日本F3、フォーミュラ・ニッポン(スーパーフォーミュラの前身)でも頂点に立ったことがあるオランダ人ドライバーのトム・コロネルと、同国の著名なF1ジャーナリストであるルート・ディマーズ氏がこのテーマで互いの意見をぶつけ合ったが、前者は角田の昇格には否定的で、異なるシナリオを思い描いているようだ。

「トップチームということでは、ユウキよりもアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)を連れてくる方がいいと思う。ユウキはもちろん重要な存在であり、ホンダとの関係性という点でもそうだが、彼の将来はレッドブルだけにあるとは思わない。アルボンは現時点で、ユウキと比べてよりスマートであり、重宝する存在であり、良いドライバーだ」

 2019年途中からレッドブルで走行したタイ人ドライバーの再起用を予想する現ツーリングカードライバーに対し、ディマーズ氏は、前述のトスト代表のコメントを重視し、「確かに(アルボンの)経験値は高いが……トスト代表が我々の知らない部分を分かっているなら、それを尊重する。我々はまだ、2人のドライバーのことを完全には把握しておらず、彼らがポイントを獲得したレースだけで何かを判断すべきではないと思う。個人的には、アルボンは非常に速いドライバーだと本当に思っているが」との見解を示している。
  また、2人はレッドブル昇格のための“登竜門”としてのアルファタウリ・チーム内対決にも触れ、コロネルは「ユウキはよくやっている」と評価し、ディマーズ氏は「ユウキにとって、ニックを上回っているのは、プロモーションや評判の上でも非常に良いことだ。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)との対決では、ガスリーの圧勝だった。昨季は幾らか差が縮んだとはいえ、優劣に変わりはなかった。しかし今、ユウキはミスが減り、無線で罵声を上げることもなくなった。彼は多くを学んだ」と、成長ぶりをも強調した。
  ただ、デ・フリースへの擁護も忘れず、このジャーナリストは「アルファタウリが、ニックは経験もあり、実績もあるということで、最初から何でもできると見誤ったのかもしれない。もちろん、彼はラップタイムをコンマ3、4、5秒とコンスタントに削っていく必要があるが……」と指摘し、コロネルは「ニックにはもう少し時間を与える必要がある。今のF1は走行機会やテストが少ないのが問題だ。彼は、ユウキと同じぐらいに良いドライバーだ。少なくとも4、5レースは走らなければ、判断は難しい」と語っている。

 ディマーズ氏はまた、レッドブルが「フェルスタッペンのような誰かを探し求めている」と語った上で、「私は、17歳でF1に乗り、トロロッソでの最初のレースでは運悪くポイントを獲得できなかったドライバーを知っている。それがフェルスタッペンであり、彼は別次元のレベルにある」と指摘し、この2028年までレッドブルと契約を結んでいる最強のオランダ人が別格であることを強調。角田であれ、デ・フリースであれ、アルボンであれ(彼は経験済み)、レッドブルに昇格すれば、苦労は必至だということだろう。

 ちなみに、レッドブルのシートを2024年まで確保しているペレスについて、南米のニュースサイト『infobae』が報じたところによると、このメキシコ人ドライバーがフェルスタッペン優先のチーム内で不利な立場に置かれているという噂が流れているが、父親のアントニオ・ペレス・ガリベイがこれを完全否定し、さらに彼の息子が契約満了後もF1での活動を継続することを考えていると明かした。

 過去数年の中では、フェルスタッペンに最も近づいたチームメイトであるペレスの、2025年以降の去就も気になるところだが、彼のシートを空けることになった場合、角田がその後釜としての第一候補として名乗りを上げるために、現在の評価を保つだけでなく、さらなる実績を残す必要があるだろう。その意味で、彼のパフォーマンスのさらなる向上、そして現在最弱といわれるアルファタウリがどこまでアップデートを図れるか、こちらの動向も非常に気になるところである。

構成●THE DIGEST編集部
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