石川祐希、声を詰まらせ「苦さが残った」と胸中吐露… 決勝進出も見えたイタリア8年目はミラノ史上最高の4位フィニッシュ
2023年05月07日 20時50分THE DIGEST

今季のミラノの快進撃を牽引した石川。チームを過去最高の成績に導いた。(C) Lega Pallavolo Serie A
現地時間5月6日、バレーボールのイタリアリーグセリエAで2022-23シーズンの3位決定戦プレーオフ第3戦が行われ、男子日本代表の石川祐希が所属するパワーバレー・ミラノが、ガスセールズブルーエナジー・ピアチェンツァとアウェーで対戦。セットカウント0-3(19-25、26-28、21-25)で敗れてこのシリーズ3連敗となり、4位で今シーズンを終えた。
【動画】ミラノの今季最終戦をチェック! 3戦先勝(5試合制)の3位決定戦でピアチェンツァとの2戦を終え、まだ白星のないミラノ。レギュラーシーズンの絶対王者ペルージャを退けた準々決勝に続き、4連覇を狙うチヴィタノーヴァとの準決勝で決勝進出を目前に捕らえる激闘を繰り広げた。その10連戦で張り詰めていた糸が緩んだかのように、第1戦はエース、ブロックとアタック決定率で低い数字に留まり完敗。だが、3日前に行われた第2戦では、敗れたもののアタック決定率以外で五分の戦いへ持ち込み復調の兆しを見せてこの第3戦を迎えた。石川は、チャンピオンズ・リーグ出場へ望みをつなぐ勝利を目指し先発出場した。
第1セット、ミラノはアルゼンチン代表ミドルブロッカー(MB)アグスティン・ロセルのサーブでピアチェンツァのアタックミスが続くなどして、5点のリードを奪う。しかし、中盤に入ると戦況が一転。相手のMB、キューバ代表ロベルトランディ・シモンのサーブで今度はミラノの攻撃が定まらず6失点で逆転を許し、終盤にも再び連続失点に見舞われてセットを先取された。
第2セットは、開始から追いかける展開のなか、石川がブラジル代表アウトサイドヒッター(OH)リカルド・ルカレッリの打球をブロックでシャットアウトして同点。次のプレーで相手がファウルを犯してミラノが優位に立つ。ところが、終盤の入りで石川がブロックに捕まり再び形勢逆転。ミラノは3度にわたり相手のセットポイントを回避するも、逃げ切られてセットを連取された。
後がなくなり迎えた第3セット、ミラノは石川のレフト攻撃がラインいっぱいに決まり序盤にリードを3点とする。だが、間もなくレセプションの安定を欠き、ピアチェンツァが逆転。石川がブロックアウトを決めて中盤に1点差とするが、ルカレッリのエース2本などでビハインドが4点に広がると、流れを取り戻すことができないまま試合は終了。4位となり来シーズンのCEVカップ(サッカーのヨーロッパリーグにあたる欧州大会)へクラブ史上初めて出場することが決定した。
石川は、今シーズン自己最少の3得点(アタック2、ブロック1)。全37試合中35試合に出場して、一桁得点となったのは、負傷後のコンディション調整による途中出場を含む7試合のみだった。
試合後に目を赤くし意気消沈した表情のロセルが明かした通り、ミラノにとって、2勝先行で臨んだプレーオフ準決勝第4戦、セットカウント2-1で迎えた4セット目のスコア21-19から逆転を許したことが、想像を超えるダメージとなっていたようだ。
試合直後のオンコートインタビューにイタリア語で応えた石川は、「今日の試合は、うーん……チームはよくやったと思う…」と気丈に話し始めたが、歓喜に沸くピアチェンツアサポーターの声が大きくなると言葉を詰まらせた。それでも、「けれど、結果はこのような形になり、僕たちの今シーズンは終わり少し苦さが残りました」と絞り出した。そして、「より上の戦いができると期待していたのですが、今シーズンはこのような形になりました。満足はしています。このあと控える代表シーズンを終えたらまたここ(セリエA)に戻って来ます。チームは来シーズンに、さらにもっと上へ行かなければいけない」と思いを吐露した。
目標の4強入り達成を喜びながら、逃した決勝進出とそれ以上の成果を来シーズンの自身に課す覚悟を、日本語で、「今日の試合に関しては、残念ながら負けてしまいましたし、内容としてはここ3戦良くなかったので、そこは反省しなければいけない。けれど、シーズンが終わってみて、結果を出せたシーズンでもあったので、それに関してはうれしい気持ちでいます。この後、また代表(シーズン)、その後に僕は来シーズン、ミラノでプレーするので、そこでもうワンステップアップしてミラノのチームには戻ってきたいと思います」と述べ、強い決意を示した。
背番号14のイタリア8年目はここで幕。日本代表のエース、そして主将としてネーションズリーグとパリ五輪予選の戦いに臨み、来秋またミラノへ帰還することになる。
取材・文●佳子S.バディアーリ
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第1セット、ミラノはアルゼンチン代表ミドルブロッカー(MB)アグスティン・ロセルのサーブでピアチェンツァのアタックミスが続くなどして、5点のリードを奪う。しかし、中盤に入ると戦況が一転。相手のMB、キューバ代表ロベルトランディ・シモンのサーブで今度はミラノの攻撃が定まらず6失点で逆転を許し、終盤にも再び連続失点に見舞われてセットを先取された。
第2セットは、開始から追いかける展開のなか、石川がブラジル代表アウトサイドヒッター(OH)リカルド・ルカレッリの打球をブロックでシャットアウトして同点。次のプレーで相手がファウルを犯してミラノが優位に立つ。ところが、終盤の入りで石川がブロックに捕まり再び形勢逆転。ミラノは3度にわたり相手のセットポイントを回避するも、逃げ切られてセットを連取された。
後がなくなり迎えた第3セット、ミラノは石川のレフト攻撃がラインいっぱいに決まり序盤にリードを3点とする。だが、間もなくレセプションの安定を欠き、ピアチェンツァが逆転。石川がブロックアウトを決めて中盤に1点差とするが、ルカレッリのエース2本などでビハインドが4点に広がると、流れを取り戻すことができないまま試合は終了。4位となり来シーズンのCEVカップ(サッカーのヨーロッパリーグにあたる欧州大会)へクラブ史上初めて出場することが決定した。
石川は、今シーズン自己最少の3得点(アタック2、ブロック1)。全37試合中35試合に出場して、一桁得点となったのは、負傷後のコンディション調整による途中出場を含む7試合のみだった。
試合後に目を赤くし意気消沈した表情のロセルが明かした通り、ミラノにとって、2勝先行で臨んだプレーオフ準決勝第4戦、セットカウント2-1で迎えた4セット目のスコア21-19から逆転を許したことが、想像を超えるダメージとなっていたようだ。
試合直後のオンコートインタビューにイタリア語で応えた石川は、「今日の試合は、うーん……チームはよくやったと思う…」と気丈に話し始めたが、歓喜に沸くピアチェンツアサポーターの声が大きくなると言葉を詰まらせた。それでも、「けれど、結果はこのような形になり、僕たちの今シーズンは終わり少し苦さが残りました」と絞り出した。そして、「より上の戦いができると期待していたのですが、今シーズンはこのような形になりました。満足はしています。このあと控える代表シーズンを終えたらまたここ(セリエA)に戻って来ます。チームは来シーズンに、さらにもっと上へ行かなければいけない」と思いを吐露した。
目標の4強入り達成を喜びながら、逃した決勝進出とそれ以上の成果を来シーズンの自身に課す覚悟を、日本語で、「今日の試合に関しては、残念ながら負けてしまいましたし、内容としてはここ3戦良くなかったので、そこは反省しなければいけない。けれど、シーズンが終わってみて、結果を出せたシーズンでもあったので、それに関してはうれしい気持ちでいます。この後、また代表(シーズン)、その後に僕は来シーズン、ミラノでプレーするので、そこでもうワンステップアップしてミラノのチームには戻ってきたいと思います」と述べ、強い決意を示した。
背番号14のイタリア8年目はここで幕。日本代表のエース、そして主将としてネーションズリーグとパリ五輪予選の戦いに臨み、来秋またミラノへ帰還することになる。
取材・文●佳子S.バディアーリ
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