リラードが“妄想トーク”で新天地候補を発表?元相棒は「今季が(ポートランドで)彼を見る最後になる」と移籍を示唆<DUNKSHOOT>

リラードが“妄想トーク”で新天地候補を発表?元相棒は「今季が(ポートランドで)彼を見る最後になる」と移籍を示唆<DUNKSHOOT>

リラード(右から2番目)が“架空のトレード話”として、仲のいいアデバヨ(左から2番目)のいるヒートを新天地候補に挙げた。(C)Getty Images

現地時間6月6日、『SHOWTIME Sports』のインタビューシリーズ“The Last Stand”が公開され、ポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードが様々な質問に回答した。

 ブレイザーズ一筋11年目となった今季、リラ―ドはキャリアハイの平均32.2点に4.8リバウンド、7.3アシスト、3ポイント成功率37.1%(平均4.2本成功)をマーク。昨年12月にはレギュラーシーズン通算得点でクライド・ドレクスラーを抜いてフランチャイズ史上1位へ浮上すると、オールスターの3ポイントコンテストで初優勝、2年ぶり通算7度目のオールスターゲーム出場も飾った。

 また、2月26日のヒューストン・ロケッツ戦ではNBA歴代8位タイとなる71得点を奪うなど、個人としては自己最高級のシーズンを送った。

 その一方で、チームはウエスタン・カンファレンス13位の33勝49敗(勝率40.2%)と苦しみ、2シーズン連続でプレーオフ不出場。王座獲得を熱望するリラードにはトレードの噂がつきまとっている。
  インタビューでも、オフシーズンならではの“妄想トーク”が繰り広げられた。もし架空のトレードがあるとすれば、行き先はどこになるのかという話題となり、リラードはマイアミ・ヒートとブルックリン・ネッツを挙げた。

「マイアミは間違いなく入るね。バム(アデバヨ)は俺の仲間なんだ。俺にとって本当の仲間さ。マイアミは明らかにそのひとつだと思っている。あとはブルックリンかな。ミカル・ブリッジズも仲間で、どちらもすごいロスターを揃えている」

 リラードとアデバヨは2021年夏の東京オリンピックでアメリカ代表として共闘し、金メダルを獲得。ヒートでジミー・バトラーとともに主軸を務めるビッグマンは、今季平均20.4点をあげた得点力に加え、2メンゲームやハンドオフから味方の得点機会を演出でき、ディフェンスではリムプロテクターを務める傍ら、小柄なガード相手でもカバー可能な万能性を誇る。

 もっとも、ヒートは現在デンバー・ナゲッツとNBAファイナルを戦っている真っ只中。7日の第3戦を落として1勝2敗になったとはいえ、王座を獲得する可能性があるチームだ。そのため、リラードは「マイアミがチャンピオンシップを勝ち獲ったら、絶対に(トレードは)起きない」と現実的なコメントも残していた。 リラードは上記の2チームのほか、ボストン・セルティックスとニューヨーク・ニックスも挙げていたが、真っ先に口にしたのがヒートだったこと、複数の具体的なチーム名を語ったことは、ブレイザーズのファンにとって複雑だったかもしれない。

 もちろん、これはあくまでオフシーズン恒例とも言える話題であり、リラード自身も来季開幕をポートランドで迎えることになるだろうと発言していた。

 ブレイザーズは6月22日のドラフトで全体3位指名権を保持しており、この指名権を絡めたトレードで即戦力を加える可能性もある。そこでオールスター級の実力者を獲得できれば、少なくともプレーオフへ返り咲くことは可能だろう。

 ただ、現チームにも昨年のドラフト7位で指名したシェイドン・シャープという魅力的なウイングプレーヤーがいる。5月に20歳になったばかりの若武者は、シーズン最後の10試合で平均23.7点、6.1リバウンド、4.1アシストと、ポテンシャルの高さを披露した。

 彼の成長を促しつつ、ドラフトでスクート・ヘンダーソン(Gリーグ・イグナイト)やブランドン・ミラー(アラバマ大)といった即戦力の新人を獲得して再建を進めるのか、ブレイザーズのフロントの決断が問われるところだ。
  リラードは2025-26シーズンまでの超巨額な契約が残っており、プレーヤーオプションを行使した場合の26-27シーズンの年俸はなんと約6323万ドル(約88億3376万円)。もしリラード本人がトレードを志願したとしても、来月に33歳となるベテランガードを放出する取り引きはそう簡単にまとまらないだろう。

 だが、元チームメイトはそう思っていないようだ。昨季途中までブレイザーズに8年半在籍し、リラードとバックコートデュオを形成していたCJ・マッカラム(ニューオリンズ・ペリカンズ)は、7日に『ESPN』の“First Take”へ出演した際にスティーブン・A・スミスへこう話していた。

「移籍市場がそれを必要とするだろうね。僕が賭け事をする男なら、今季が(ポートランドで)彼を見る最後になると言っておくよ」

 ディフェンス面にやや難があるとはいえ、リラードは依然としてリーグ屈指のシュート力と勝負強さを備えている。早ければドラフト前後に大きな動きが起こるかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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