F1公式の独自PLで5位! 角田裕毅、ポイント圏外が続くも…評価は上昇の一途!「レッドブルも満足している」

F1公式の独自PLで5位! 角田裕毅、ポイント圏外が続くも…評価は上昇の一途!「レッドブルも満足している」

スペインGPでは9番手でチェッカーを受けたものの、ペナルティーにより12位に降格。前戦のモナコに続き厳しい結果となった。(C) Getty Images

F1第7戦のスペイン・グランプリ、アルファタウリの角田裕毅は15番グリッドからのスタートながら、卓越したパフォーマンスによって順位を上げ、今季最高の9位でレースを終えるはずだったが(チェッカーフラッグは受けたが)、56周目にターン1でジョウ・グァンユ(アルファロメオ)をコース外に押し出したとの判定で5秒のタイムペナルティーを受け、12位という結果に終わった。

【動画】角田裕毅、終盤に無情のペナルティー…スペインGP決勝 角田が「ジョウが押し出された“フリ”をした。馬鹿げた判定であり、不公平」と不満を露にすれば、ジョウは「コーナーに入ったところで自分の方が先行していた。回避路に出なければ、我々はともにクラッシュしていただろう」と自身の正当性を訴え、ファン、メディアも様々な見解を示している。

 2016、17年とルノーでF1に参戦し、現在はコメンテーターを務めるジョリオン・パーマーは、『F1TV』に対して「生で見ていた時には、角田へのペナルティーは非常に厳しいと思った。ジョウはコースアウトしてすぐ、無線で『角田がスペースを与えてくれなかった』と不満を漏らしたが、それは真実ではなかった。ただ、よく見ると、スチュワードの判断は正しかったと思う。エイペックスでジョウは角田の前に出ており、コースを外れる際にも同様だったからだ」と語った(オランダのF1専門サイト『F1MAXIMAAL.NL』より)。

 英国人の元ドライバーは、このレースでも圧倒的な強さを見せて勝利を飾ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、スタート直後のターン1でアウトから仕掛けたカルロス・サインツ(フェラーリ)に対して、「(角田より)厳しいディフェンスをしたにもかかわらず、ブレーキをコントロールしてエイペックスに先に到達することで、仮にサインツがコース外に出てもペナルティーを科せられないようにした」として、日本人ドライバーとの対処法の違いを指摘している。

 そのパーマーも、角田のレースそのものについては「とりわけ第2スティントではコース上で羽ばたいていた。実際、シャルル・ルクレール(フェラーリ)より速かったことが、データからも分かる。彼にとって上手くいかなかったのは、最終スティントでのジョウとの一件だけだった」と、高評価を下した。
  米国の大手スポーツサイト『The Athletic』も、「終盤のペナルティーでスペインGPでのポイント圏内フィニッシュを阻まれたことに、角田はフラストレーションを感じていただろうが、それが彼のシーズンのスタートに対する印象を損なうことはないだろう。ここまでの獲得ポイント2というのは、自慢できるものではないように思えるが、彼はAT04の能力を最大限に引き出しており、モナコやスペインのレースで、幾つかのことが彼の思い通りに進んでいたら、彼はより報われたはずである」と綴っている。
  さらに、「酷いアルファタウリの車で常にベストを尽くしている角田の今季のパフォーマンスに対して、姉妹チームのレッドブルは非常に満足しているだろう。彼は混沌とした中団の中で、最も堅実で安定したドライバーのひとりだ。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)離脱の後、チームリーダーとなることが求められた日本人ドライバーは、それを実行し、性能の劣る車の力を全て引き出している。一貫性を身につけて本来の速さを発揮する彼の株は、上昇中だ」と、今季の成長ぶりに賛辞を贈った。

 F1公式サイト『F1.com』の独自の指標による「パワーランキング」では、20人のドライバーの中で現在、フェルスタッペン、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)に次いで5位の角田。獲得ポイントわずか2でチャンピオンシップのトップ5中の4ドライバーの後につけているのは、いかにそのパフォーマンスが優れているかの証明と言えよう。

 モナコに続き、バルセロナでも大きな失望を味わうことになったが、AT04の改善ぶりが表われてきた中で、次戦のカナダGPに期待を持って準備を進めている23歳の奮闘が、今度こそ求める結果に結びつくかが興味深い。

構成●THE DIGEST編集部
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