W杯で惨敗したアメリカ代表。米メディアがパリ五輪へ向け、カリー、KD、エンビードらが名を連ねる“パーフェクトロスター”を考案<DUNKSHOOT>

W杯で惨敗したアメリカ代表。米メディアがパリ五輪へ向け、カリー、KD、エンビードらが名を連ねる“パーフェクトロスター”を考案<DUNKSHOOT>

カリー(右)やデュラント(左)らビッグネームが揃えば、W杯の二の舞は避けられるかもしれない。(C)Getty Images

FIBAワールドカップ2023で4位に終わったアメリカ。7位だった2019年に続き、屈辱の2大会連続でメダル逸となってしまった。

 今大会のアメリカ代表は全員がNBA選手で構成された実力者軍団だったものの、スーパースター級と呼べるほどのプレーヤーはおらず、格落ち感があったのは否めない。いくらバスケ大国といえど、そうした布陣では、年々競技レベルが上がっている世界のバスケットボール情勢において、他の強豪国に勝てなくなってきているのは間違いない。

 では、すでに出場が決まっている2024年パリ五輪でオリンピック5連覇を果たすために、アメリカはどういったメンバーを送り込むことがベストなのか。米メディア『Clutch Points』のジャック・ウィンター記者は現地時間9月9日(日本時間10日)に“パーフェクトなロスター”として下記の12選手をリストアップした(以降チーム名は略称)。

■米メディアがセレクトしたパリ五輪のパーフェクトロスター
<ガード>

ステフィン・カリー(ウォリアーズ)
ドリュー・ホリデー(バックス)
タイリース・ハリバートン(ペイサーズ)

<ウイング/フォワード>
ケビン・デュラント(サンズ)
ジェイソン・テイタム(セルティックス)
デビン・ブッカー(サンズ)
アンソニー・エドワーズ(ウルブズ)
ミケル・ブリッジズ(ネッツ)

<ビッグマン>
ジョエル・エンビード(シクサーズ)
バム・アデバヨ(ヒート)
ドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ)
エバン・モーブリー(キャバリアーズ)
  NBAキャリア21年目のレブロン・ジェームズ(レイカーズ)は、今年の年末に39歳を迎える大ベテラン。2012年のロンドン五輪を最後に代表には参戦していないものの、2024年のパリ五輪で有終の美を飾る可能性がある。ただ、長丁場のシーズンを戦い抜いた後のオフに、“キング”がアメリカ代表のユニフォームを身にまとうかは微妙なところだ。

 それは健康面で不安を抱えるチームメイトのアンソニー・デイビスをはじめ、カワイ・レナード、ポール・ジョージ(いずれもクリッパーズ)、ザイオン・ウィリアムソン(ペリカンズ)も同様。SNSで再度拳銃をチラつかせて25試合の出場停止処分を受けているジャ・モラント(グリズリーズ)も、来夏のオリンピックへ出場することはないだろうと同記者は記している。

 そうしたなか、パリ五輪でアメリカ代表の主軸を務めることが期待されているのがデュラント、テイタム、ブッカーの3選手。彼らは東京五輪で金メダルを手にした当時の主力で、ホリデーとアデバヨ、グリーンも同大会に出場した経験を持つ。 なかでもデュラントは東京五輪でアメリカ代表の選手として、歴代最高の大会平均20.7点に5.3リバウンド、3.7アシスト、1.0スティール、1.2ブロックと大暴れ。MVPとオールトーナメントチーム(ベスト5)に選ばれただけに、金メダル獲得のためには不可欠な選手と言える。

 カリーは2010、14年のワールドカップで優勝しているものの、オリンピックは未経験。パリ五輪はウォリアーズのスティーブ・カーHCが今回のワールドカップに続いて続投することが決まっており、チームメイトのグリーンも出場することになれば、来年3月に36歳を迎えるベテランも首を縦に振ることが期待できる。

 フルコートを走り回って長時間プレーすることがなくとも、健康体さえ維持できれば依然としてリーグ有数の実力者。3ポイントをはじめとするシュート力は間違いなく他国にとって脅威となる。

 そのほかでは、今回のワールドカップでもアメリカの主力として活躍しているハリバートン、エドワーズ、ブリッジズが入っており、ビッグマンでは213cm・127kgのエンビード、211cm・98kgのモーブリーが候補に入った。
  アメリカとフランスの二重国籍をもつエンビードは、現段階でどちらの代表チームでプレーするか決まっていない。アメリカ代表でマネージングディレクターを務めるグラント・ヒル(元ピストンズほか)は、先日エンビードを勧誘したことを認めている。

 一方のモーブリーは機動力のあるビッグマンで、複数ポジションをガード可能な守備力を誇る22歳の若手。両選手がロスター入りすることになれば、ペイントエリアにおける攻防やリバウンドなど、今大会でアメリカ代表が苦戦した部分を補うことができるはずだ。

 もちろん、パリ五輪まで約1年あるため、これから先に彗星のごとく新たなスターが台頭する可能性もあれば、スター選手が予期せぬケガによって長期離脱を余儀なくされるリスクもある。

 それでも、現段階でここに挙げた12選手がアメリカ代表としてオリンピックへ出場できれば、ワールドカップ以上の戦績を残すことは十二分に可能ではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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