【バスケW杯】「このチームはこれまでプレーしたなかでベスト」ドイツの歴史を作ったシュルーダーが喜びを語る<DUNKSHOOT>

【バスケW杯】「このチームはこれまでプレーしたなかでベスト」ドイツの歴史を作ったシュルーダーが喜びを語る<DUNKSHOOT>

シュルーダーはドイツのエースとして、母国を初のW杯優勝に導いてみせた。(C)Getty Images

8月25日からスタートしたFIBAバスケットボールワールドカップ2023の決勝まで勝ち上がったのは、ドイツ代表とセルビア代表。9月10日にフィリピンのマニラにあるモール・オブ・アジア・アリーナで行なわれた両チームによる頂上決戦は、今大会のフィナーレを飾るにふさわしい、最後まで勝敗のわからない激戦となった。

 互いに点を取り合い、両チームは47-47のタイスコアで試合を折り返す。ドイツはデニス・シュルーダー(トロント・ラプターズ)が14得点、セルビアはボグダン・ボグダノビッチ(アトランタ・ホークス)が15得点と両エースが高確率にショットを沈めて互角の戦いを演じる。

 ところが、第3クォーターに入ってドイツが22-10と抜け出す。ボグダノビッチに対してはシュルーダーを筆頭にディフェンスの当たりを強くし、後半わずか2得点に封殺。セルビアはアレクサ・アブラモビッチがエースの不振をカバーし、チームトップの21得点と奮戦して接戦へと持ち込むも、フランツ・ヴァグナー(オーランド・マジック)が19得点、7リバウンド、3スティール、ヨハネス・フォークトマンが12得点、8リバウンド、3アシストと活躍し反撃を許さない。
  さらにシューターのアンドレアス・オブスト、ベンチスタートのモリッツ・ヴァグナー(マジック)、イザック・ボンガらが要所でつなぐなど、ドイツは高精度なチームバスケットボールを展開。残り1分を切って2点差まで詰め寄られた場面では、シュルーダーがヘジテーションドライブから見事レイアップを放り込み、最終スコア83-77でドイツがワールドカップ初制覇を果たした。

 8戦負けなしで今大会を制したドイツで、いずれもチームトップの平均28.6分、19.1点、6.1アシスト、1.4スティールをマークし、ここぞという場面で決め切る勝負強さも光ったシュルーダーは、文句なしでMVPに選出。

 今月15日に30歳を迎えるエースガードは、家族が見守るなかで「すごいグループだ。8戦無敗なんて信じられないよ」と切り出し、誇らしげに今回のチームを称えていた。
 「このチームは僕がこれまでプレーしてきたなかでベストだと思う。NBA、代表チームにかかわらずね。ドイツでは、僕らが自分たちの国のためにやり遂げたことをみんなが認め始めている。リスペクトもしてほしいね。

 僕らはただ、自分たちへのリスペクトが欲しいんだ。僕らはチームだから、これ以上言う必要はない。どんなことが起ころうと、僕らはいつだって一丸になってやってきた。それがこの2年間だった。昨年は(ユーロバスケットで)銅メダルを勝ち獲り、今年は金メダルを手にした。これ以上、自分の名前を耳にしたくないね」
  シュルーダーを中心に見事まとまり、ドイツのバスケットボール史上初の快挙を成し遂げた今回のチームを、ゴードン・ハーバートHC(ヘッドコーチ)は「ちょっと不思議な瞬間だ。選手たちにも言ったんだが、途方もない強さを誇るグループだが、全員がチームファーストだった。彼らは互いをケアし、互いのために取り組んできた」と評していた。

 見事な勝ち上がりでワールドカップを制したドイツ。世界中のバスケットボールファンが視線を送るなかで見せた今大会のパフォーマンスは、王者にふさわしい戦いぶりだったと言えるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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