「コビーのようなエネルギーを与えられる選手は必要」KGがアメリカ代表で“キング”レブロンに期待することとは?<DUNKSHOOT>
2023年09月23日 17時31分THE DIGEST

KGは2008年の北京五輪でコビー(左)が担った役割をレブロン(右)に求めている。(C)Getty Images
9月10日に閉幕した「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」でアメリカ代表は4位に終わり、2大会連続で表彰台を逃す屈辱を味わった。
2024年のパリ・オリンピックでは、5大会連続となる金メダルを目指すなか、元NBA選手のケビン・ガーネット(KG)は、大ベテランのレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)にかつてのコビー・ブライアント(元レイカーズ)の役割を果たすことを期待している。
アメリカは1992年のバルセロナ・オリンピックでマイケル・ジョーダンやマジック・ジョンソン、ラリー・バード、チャールズ・バークレーなどスーパースターを中心にドリームチームを結成し、圧倒的な強さで金メダルを手にした。
ただ、2000年以降はヨーロッパや南米が着実に力をつけてきており、オリンピックこそ4連覇中ながら、ワールドカップでは2019年に7位、今回も準決勝で最終的に優勝するドイツ相手に111-113で惜敗して決勝へ進めず、3位決定戦でもカナダに118-127で敗れた。
アメリカのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)はドイツ戦後、「もう1992年ではない。ワールドカップやオリンピックで優勝するのは簡単じゃないんだ」と世界各国の台頭に触れていた。
そのなかで、24年のパリ・オリンピックに向けて、08年、12年と金メダルを獲得している百戦錬磨の“キング”レブロンがアメリカ代表のリクルーターとなり、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、アンソニー・デイビス(レイカーズ)、ケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)といった選手たちを勧誘していると、『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者が伝えた。
さらに、デビン・ブッカー(サンズ)、カイリー・アービング(ダラス・マーベリックス)、デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)も関心を示しているとされている。
今回のワールドカップでは、オールスター出場経験はアンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)、タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)、ジャレン・ジャクソンJr.(メンフィス・グリズリーズ)、ブランドン・イングラム(ニューオリンズ・ペリカンズ)がそれぞれ1回のみで、オールNBAチーム選出経験のある選手はゼロと、スーパースター不在のチームだった。
それだけに、00年のシドニー五輪でアメリカ代表の一員として金メダルを獲得しているKGは人気ポッドキャスト番組『KG Certified』で、“本気モード”で臨む必要があると説く。「俺は当時25歳(実際は24歳)。全部ブロックして、Jキッド(ジェイソン・キッド)やGP(ゲイリー・ペイトン)からのパスを全部ダンクしていた。モーターを備えていて、30分以上プレーした試合もあった。毎試合、立ちはだかる相手をぶっ潰した。
ルディ・トムジャノビッチ(当時アメリカ代表HC)、ラリー・ブラウンとタビー・スミス(ともにアシスタントコーチ)も『俺たちはアメリカだ』という自負を覗かせている感じだった。ラリー・ブラウンに至っては、『すべての相手を倒すぞ。36点差で退けないと、ここにいるべきではない』という雰囲気だったよ」
そう話すKGが24年のパリ・オリンピックで期待するのが、今年12月に39歳となるレブロンだ。08年の北京オリンピックで、コビーが果たした役割を求めている。
「コビーはみんなに自分のことを知ってもらいたかった。若い連中はコビーを本当の意味で理解していなかった。でも、コビーのようなエネルギーを与えられる選手は必要。そして、それを吸収できる若手を5~6人連れて行くべきだ。進歩するだけでなく、(ベテラン選手から)与えられたものを取り入れ、素早く自分に還元して活用するんだ」
04年のアテネ・オリンピックで銅メダルに終わって迎えた08年の北京大会、キャプテンのコビーはレブロンやドゥエイン・ウェイド、カーメロ・アンソニーらのサポート役に回り、周囲を鼓舞。当時の最強メンバーを集結させた代表は「リディームチーム」と呼ばれ、見事に金メダルを獲得した。
年齢も考えれば、レブロンのオリンピック出場は難しさを伴うかもしれないが、国際舞台での“ラストダンス”で、アメリカの栄光のためにチームを陰で支えることも決して厭わないはずだ。
構成●ダンクシュート編集部
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2024年のパリ・オリンピックでは、5大会連続となる金メダルを目指すなか、元NBA選手のケビン・ガーネット(KG)は、大ベテランのレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)にかつてのコビー・ブライアント(元レイカーズ)の役割を果たすことを期待している。
アメリカは1992年のバルセロナ・オリンピックでマイケル・ジョーダンやマジック・ジョンソン、ラリー・バード、チャールズ・バークレーなどスーパースターを中心にドリームチームを結成し、圧倒的な強さで金メダルを手にした。
ただ、2000年以降はヨーロッパや南米が着実に力をつけてきており、オリンピックこそ4連覇中ながら、ワールドカップでは2019年に7位、今回も準決勝で最終的に優勝するドイツ相手に111-113で惜敗して決勝へ進めず、3位決定戦でもカナダに118-127で敗れた。
アメリカのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)はドイツ戦後、「もう1992年ではない。ワールドカップやオリンピックで優勝するのは簡単じゃないんだ」と世界各国の台頭に触れていた。
そのなかで、24年のパリ・オリンピックに向けて、08年、12年と金メダルを獲得している百戦錬磨の“キング”レブロンがアメリカ代表のリクルーターとなり、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、アンソニー・デイビス(レイカーズ)、ケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)といった選手たちを勧誘していると、『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者が伝えた。
さらに、デビン・ブッカー(サンズ)、カイリー・アービング(ダラス・マーベリックス)、デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)も関心を示しているとされている。
今回のワールドカップでは、オールスター出場経験はアンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)、タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)、ジャレン・ジャクソンJr.(メンフィス・グリズリーズ)、ブランドン・イングラム(ニューオリンズ・ペリカンズ)がそれぞれ1回のみで、オールNBAチーム選出経験のある選手はゼロと、スーパースター不在のチームだった。
それだけに、00年のシドニー五輪でアメリカ代表の一員として金メダルを獲得しているKGは人気ポッドキャスト番組『KG Certified』で、“本気モード”で臨む必要があると説く。「俺は当時25歳(実際は24歳)。全部ブロックして、Jキッド(ジェイソン・キッド)やGP(ゲイリー・ペイトン)からのパスを全部ダンクしていた。モーターを備えていて、30分以上プレーした試合もあった。毎試合、立ちはだかる相手をぶっ潰した。
ルディ・トムジャノビッチ(当時アメリカ代表HC)、ラリー・ブラウンとタビー・スミス(ともにアシスタントコーチ)も『俺たちはアメリカだ』という自負を覗かせている感じだった。ラリー・ブラウンに至っては、『すべての相手を倒すぞ。36点差で退けないと、ここにいるべきではない』という雰囲気だったよ」
そう話すKGが24年のパリ・オリンピックで期待するのが、今年12月に39歳となるレブロンだ。08年の北京オリンピックで、コビーが果たした役割を求めている。
「コビーはみんなに自分のことを知ってもらいたかった。若い連中はコビーを本当の意味で理解していなかった。でも、コビーのようなエネルギーを与えられる選手は必要。そして、それを吸収できる若手を5~6人連れて行くべきだ。進歩するだけでなく、(ベテラン選手から)与えられたものを取り入れ、素早く自分に還元して活用するんだ」
04年のアテネ・オリンピックで銅メダルに終わって迎えた08年の北京大会、キャプテンのコビーはレブロンやドゥエイン・ウェイド、カーメロ・アンソニーらのサポート役に回り、周囲を鼓舞。当時の最強メンバーを集結させた代表は「リディームチーム」と呼ばれ、見事に金メダルを獲得した。
年齢も考えれば、レブロンのオリンピック出場は難しさを伴うかもしれないが、国際舞台での“ラストダンス”で、アメリカの栄光のためにチームを陰で支えることも決して厭わないはずだ。
構成●ダンクシュート編集部
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