「彼のシュートはクレイジー」欧州MVPを引っ提げキングス入りしたヴェゼンコフをフォックス、サボニスらが絶賛「早く一緒にプレーしたい!」<DUNKSHOOT>

「彼のシュートはクレイジー」欧州MVPを引っ提げキングス入りしたヴェゼンコフをフォックス、サボニスらが絶賛「早く一緒にプレーしたい!」<DUNKSHOOT>

チームメイトからの評価は上々のヴェゼンコフ。デビューが楽しみだ。(C)Getty Images

NBAでは各球団がメディアデーを開催し、いよいよ新シーズン開幕の雰囲気が漂ってきた。

 各チームとも新戦力を加えてチームを構築することになるが、ドラ1のヴィクター・ウェンバンヤマらドラフト上位の新人選手と合わせて注目されるのが、欧州から参入する“ベテランルーキー”。なかでもとりわけ話題を集めているのが、サクラメント・キングスに加入した昨季のユーロリーグMVP、サーシャ・ヴェゼンコフだ。

 1995年生まれの彼は、現在28歳。16歳でギリシャリーグでプロデビューしたヴェゼンコフのキャリアはすでに12年と、キングスの中では35歳のジャベール・マギーに次いで長い。

 昨シーズンのユーロリーグでは、平均17.6点、6.8リバウンド、フィールドゴール成功率53.5%。得意の3ポイントは209本放ち、79本(成功率37.8%)沈めている。キングスが彼に白羽の矢を立てたのも、そのシュート力を買ってのことだ。

 そのヴェゼンコフは、チームに合流して以来、昨季平均25.2点をマークしたチームの得点頭ディアロン・フォックスに「世界でベスト級のシューター」言わしめるなど、早くもインパクトを発揮している模様だ。
 「彼のシュートはクレイジーだ。シュートのドリルをやったとき、たしか150本くらい打って、7本しか外さなかったんだ!」

 フォックスは、「“(ボールを持ったら)青信号が灯っていると思ってガンガン打ってほしい”って俺たちが期待していることを、彼にも知っていてほしい」と付け加えている。

 シューターのケビン・ハーターも、ヴェゼンコフの得点力に刺激を受けている。

「とにかくサーシャはシュートを決めまくる。彼はとにかくミスをしないんだ。俺たちも、彼に追いつくために頑張らないといけない」

 ヴェセンコフのシュートフォームは独特だ。その得点数から察せられるような、お手本のような美しいフォームでは決してなく、ジャンプシュートでは跳びながらボールを放り出す。加えて彼の特技は、相手からプレッシャーを受けてバランスを崩した時にでもねじ込んでしまえるところ。ゴール下の攻防だけでなく3ポイントの時でも同じで、対人ディフェンスのプレッシャーがより強いことが予想されるNBAでも、彼のそのバランス感覚はアドバンテージとなるだろう。
  気さくで親しみやすいヴェゼンコフは欧州でも人気プレーヤーだったが、キングスでもすでにその評価を得ているようだ。

 今オフ、インディアナ・ペイサーズから加入したドミニカ共和国出身のガード、クリス・ドゥアルテは「彼は本当にナイスガイで、毎日彼と話しているよ」とメディアデーの際にコメントしている。ヴェゼンコフは英語も流暢だが、バルセロナでのプレー経験からスペイン語も話せるため、母国語で会話できるところも心地いいらしい。

 昨季は17年ぶりのプレーオフ進出を決めるなど、マイク・ブラウンHC(ヘッドコーチ)の下で大躍進を遂げたキングス。その善戦に大きく貢献した大黒柱のドマンタス・サボニスも「早く彼とコート上で一緒にプレーしたい!」とヴェゼンコフとの共闘に期待を膨らませている。同じ欧州出身のサボニスの存在は、ヴェゼンコフがNBAに順応する上での助けになるに違いない。
  ブラウンHCのコーチングスタッフには、この夏のワールドカップでカナダ代表を率いて銅メダルを獲得したスペイン人コーチのジョルディ・フェルナンデスがいる。また、サボニスの同胞リトアニアの大スターで、かつてペイサーズでプレーし、現役引退後は祖国のジャルギリスやバルセロナで指揮を執ったサルナス・ヤシケビシャスがプレシーズンに参加と、欧州とNBA両方のバスケットボールを知る指導者がいるのも、ヴェゼンコフにとって心強い環境だろう。

 なにより、トレーニングで選手たちの尊敬を勝ち取るパフォーマンスを見せることができたというのは、好調な滑り出しだ。

 ところで、地元ファンやメディアの間で話題となっているのは「はたして、チーム内でも年長の部類に入るヴェゼンコフに、定番の“ルーキーの洗礼”はあるのか?」ということ。先輩に頼まれたドーナツやファーストフードの買い出しといったお使いだけでなく、移動の際にはピンク色のキティちゃんのリュックサックを背負って移動、といった待遇も待っている。
  年長なだけでなく、ユーロリーグやギリシャリーグでのMVPや得点王など、数々の個人賞も手にしている熟練選手のヴェゼンコフが、今年のドラフトで34位指名された、同じルーキーで21歳のコルビー・ジョーンズらとともにそうしたお使いをこなす姿を想像すると微笑ましいが、これらは新入り選手たちに謙虚さを植え付けるのを目的としたものだ。もともと謙虚で地に足のついたヴェゼンコフならきっと問題なくこなすだろうし、そう長々と課せられることもないだろう。
  ブラウンHCは、今季の目標は昨季1回戦負けを喫したプレーオフでのさらなる前進、そしてチャンピオンシップを狙うことであると話している。はたしてヴェゼンコフが、その目標を成し遂げるためのラストピースとなれるのか。

文●小川由紀子

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