「悲しいことですが、これは正しい決定」ハミルトンはじめF1ドライバーたちがオーストラリアGP中止に理解

「悲しいことですが、これは正しい決定」ハミルトンはじめF1ドライバーたちがオーストラリアGP中止に理解

フリー走行直前の中止の決断にも理解を示したハミルトン。(C)Getty Images

世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスの嵐が、F1開幕を直前に控えたメルボルンにも吹き荒れた。

 1回目のフリー走行までわずか2時間と迫った現地時間13日(金)午前10時、オーストラリアGPの中止が決定。あわせて翌週に無観客で開催されるはずだった第2戦バーレーンGP、4月に記念すべき初開催を予定していた第3戦ベトナムGPの延期も発表された。すでに中国GPの延期は2月中に発表されている。

 現時点でシーズンの開幕は5月末のヨーロッパ・ラウンド、具体的にはモナコGPからではないかと予想されているものの、F1のTV中継を統括するFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント社)から各国のTV関係者には秘密裏に「開幕は6月のアゼルバイジャンになる」と伝えられたという情報もある。

 チームスタッフがウイルスに感染したことを理由にマクラーレンがレースへの不参加を表明すると、それを受けて12日(木)に各F1チーム代表にFIA(国際自動車連盟)、現地保健省、オーストラリアGPのプロモーターを交えた協議が夜中まで行なわれた。
  メルセデスAMG、レッドブル・ホンダ、アルファタウリ・ホンダ、レーシングポイントの4チームは開催を希望したが、当初からレース開催に懸念を示していたフェラーリを中心にアルファロメオ、ルノー、マクラーレンの4チームが反対を主張。ウィリアムズとハースの2チームは中立の立場を取り、双方の意見が平行線をたどったため、F1の現場を統括するマネージングディレクターのロス・ブラウンの判断により、パドックを閉鎖した上でマクラーレン以外のチームが参加してのフリー走行を実施し、その後、再度検討するという方向で一旦話はまとまった。

 だが、この段階でフェラーリのセバスチャン・ベッテルとアルファロメオのキミ・ライコネンは帰国の途に向かっており、最終的にはシュツットガルトのメルセデス本社から中止の意向を受けたメルセデスAMGのトト・ウォルフ代表が反対にまわり、ぎりぎりのタイミングでの中止決定に至ったようだ。
  この決定を受けたドライバーたちは一様に理解を示しており、チャンピオン最有力候補のルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は「悲しいことですが、これは正しい決定です。私たちは皆、レースをしたいと思っていますが、健康と安全を第一に考えなければなりません。現実に毎日亡くなる人、発症する人、発症していなくても経済的、感情的に影響を受けている人が多くいます。できるだけ多くの人々を可能な限り安全に保つため、すべての予防措置を取らなければなりません。スポーツはタフな時期に私たちを結びつけてくれます。すぐにレースへ戻りたいと思っています」
  対抗馬と見られるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)も「2020年シーズンの開幕を楽しみにしていたので、もちろん失望していますが、これが正しい決定であることを私たち全員が理解しています。すべてのファンと関係者全員に申し訳なく思っています。皆さんも気を付けて」

 2019年に2勝を挙げ、さらなる躍進が期待されるシャルル・ルクレール(フェラーリ)も「マシンに戻るのにはもう少し時間を待たなければなりません。ステアリングを握ることを本当に楽しみにしていましたが、これが最良の決定であり、全員の健康が優先事項です。みんなの安全を祈っています」とぞれぞれファンに向けてコメントした。

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super
 

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