同僚の渡邊雄太も太鼓判を押す、新人王候補のジャ・モラントが「本当にダメだ」と思わず自虐ツイートしたものとは?

同僚の渡邊雄太も太鼓判を押す、新人王候補のジャ・モラントが「本当にダメだ」と思わず自虐ツイートしたものとは?

シーズン中断となり、モラントはビデオゲームに挑戦したようだが…(C)Getty Images

NBAは、3月12日(日本時間13日、日付は以下同)から新型コロナウイルスの世界的大流行を受け、少なくとも30日間、シーズンを中断することを発表した。

 その後、ケビン・ラブ(クリーブランド・キャバリアーズ)やヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)といったスター選手たちがシーズン中断期間に無報酬となってしまうアリーナの従業員たちへ寄付することをSNSで誓うなど、選手それぞれで動きを見せている。

 そんな中、メンフィス・グリズリーズの新人ジャ・モラントは、バスケットができないことから、ビデオゲームをプレーしたことを自身のツイッターで明かしていた。ゲームタイトルは明かしていないものの、おそらく『NBA 2K』シリーズの最新作「NBA 2K20」だろう。

 というのも、チームメイトのジャレン・ジャクソンJr.が昨季序盤にキャリアハイタイとなる7ブロックを決めた試合後、「僕が決めたブロックのほとんどは遅かったと思う。もっと速くブロックすればよかった。だからこれまでに(この状況で)何度もブロックを成功したことはないんだ。でも今日は正しい場所にポジションを取って、タイミングをはかったんだ。僕は(ブロックの)タイミングなどを『NBA 2K』からつかんでいる。お陰でとても役立っているよ。これは冗談ではなく本当さ」と話しており、相当なファンだからだ。
  だが20歳のモラントにとって、ビデオゲームはあまり相性が良くなかったようだ。14日にモラントは「俺はビデオゲームだと本当にダメだ」と自虐的に投稿。そして「いつでも(コートで)プレーする準備はできている」と綴っていた。

 強豪揃いのウエスタン・カンファレンスにおいて、今季は苦戦必至と思われたグリズリーズだが、ここまで32勝33敗とプレーオフ出場圏内の8位と予想外の大健闘を見せていた。9位のポートランド・トレイルブレイザーズ(29勝37敗)にも3.5ゲーム差をつけており、3年ぶりのプレーオフ出場も現実味を帯びていたものの、まさかのシーズン中断。

 モラントはここまで59試合に出場し、平均30.0分、17.6点、3.5リバウンド、6.9アシストという堂々たる成績を残しており、コート上でプレーしたくてたまらないはず。

 変幻自在のボールハンドリングを持ち味とするモラントは、相手はもちろん味方さえも欺いてしまうようなムーブでファンを騒然とさせており、豪快なダンクや華麗なレイアップ、鮮やかなアシストなどで強烈なインパクトを放っている。そのプレーの数々は、ビデオゲームで表現するのが難しかったのかもしれない。

 昨年のドラフト1位指名のザイオン・ウィリアムソン(ニューオリンズ・ペリカンズ)が平均29.7分、23.6点、6.8リバウンド、2.2アシストという驚異的な成績を残しているものの、出場試合数はわずか19。もしこのままシーズン終了となれば、新人王はモラントが手にすることになるはずだ。
  両選手のほかに、今季はケンドリック・ナンとタイラー・ヒロ(ともにマイアミ・ヒート)、RJ・バレット(ニューヨーク・ニックス)、八村塁(ワシントン・ウィザーズ)、コビー・ホワイト(シカゴ・ブルズ)といった即戦力ルーキーがいるものの、モラント以上にチームの中心を担っている選手はいない。

 昨夏マイク・コンリーをユタ・ジャズへ放出したグリズリーズは今季、ジャクソンJr..とモラントを中心に再建へ乗り出したチームであり、プレーオフ進出は早くても来季以降というのが大方の見方だった。

 だがモラントは全試合で20分以上に出場し、平均出場時間、得点、アシストでチームトップに君臨。グリズリーズの最重要選手としてプレーしており、59試合のうち1桁得点に終わったのはわずか5試合と、安定感も光る。

 そしてロサンゼルス・レイカーズ、ロサンゼルス・クリッパーズを筆頭に、ウエストの上位7チームからいずれも勝利を奪っていることも見逃せない。もしモラントがいなければ、今季のグリズリーズはシーズン20勝も怪しかっただろう。
  ちなみに、グリズリーズと2WAY契約を結ぶ渡邊雄太も、今季の新人王としてモラントに太鼓判を押していた。

「僕はザイオンではなく、彼が(新人王を)獲ると思っています。ゲームを支配する力がハンパないんで。彼が乗り出した時って、もう止められないし、その判断力とかもすごすぎて。『そこからそういうプレーできるのか!』って。当然、判断力を実現できる身体能力があるんだけど、その選択肢の多さとポイントポイントで選択する正確さがすごすぎて。八村塁ではなく、モラントがルーキー・オブ・ザ・イヤーです」

 2WAY契約とはいえ、チーム練習や試合でモラントを間近で見てきただけに、渡邊の言葉には説得力がある。モラントが2001−02シーズンのパウ・ガソル以来、フランチャイズ史上2人目の新人王に輝く可能性は、非常に高いのではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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