スターダム『シンデレラトーナメント』今年はジュリアが第2の母国イタリアに捧げる初優勝!

スターダム『シンデレラトーナメント』今年はジュリアが第2の母国イタリアに捧げる初優勝!

決勝では刀羅ナツコを下し、初出場で初優勝を果たしたジュリア。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

ブシロード傘下の女子プロレス団体スターダムが今月2度目となる東京・後楽園ホール大会を24日開催した。8日に同所で開催した大会では、新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から、無観客試合として開催し話題となった。今回は後楽園ホールビルの1階で、検温とマスクの配布を行ない場内には数箇所に巨大な扇風機を設置し、感染予防を徹底した上で、今月初となる観客を入れての大会を決行した。

 2015年から毎年恒例となっている『シンデレラトーナメント』は、今年で6度目を迎える。優勝した選手にはシンデレラの証として、ドレスとティアラそして“願いごと”が叶うトーナメントとして、スターダムのファンには定着している。今年も16選手が参加して、ワンデートーナメントが繰り広げられた。優勝するには最大で4試合勝つ必要がある。
  優勝候補のワールド・オブ・スターダム王者である岩谷麻優と、次世代のエース候補の木村花が、1回戦で対決するも、両者が同体でオーバー・ザ・トップロープによる場外転落で失格となる。
 
 準決勝までは10分1本勝負のため、短期決着が求められる中、初出場のジュリアは1回戦で、強敵のジャングル叫女をステルス・バイパーで捕獲すると、2回戦でも岩谷のベルトに挑戦したばかりの渡辺桃をグロリアスドライバーで場外転落させる。準決勝では、ドンナ・デル・モンドの朱里と同門対決。握手から始まったかと思いきや、朱里が奇襲するなど、ジュリアは手を焼いたが、エプロンでの攻防をジュリアがビックブーツで制し、朱里が場外転落。ジュリアが決勝に駒を進めた。

 ジュリアはそのままリング上に残り、運良く2試合で決勝に上がってきた刀羅ナツコが、ジュリアの背後から襲撃し、決勝のゴングが鳴らされる。ナツコのセコンドには予想通り、大江戸隊のメンバーがズラリと顔を揃えて、ナツコに加担していく。ジュリアを場外に連れ出したナツコは、やりたい放題。満身創痍のジュリアだったが、エルボーの連打、ファルコンアロー、グロリアスドライバーを繰り出し、最後はビックブーツからステルス・バイパーで、粘るナツコからギブアップ勝ち。ジュリアが初出場にして初優勝を飾っている。
  試合後、お色直しをして青いドレス姿でリング上に再び現れたジュリアは、マイクを握ると「刀羅ナツコのドレス姿も見たかったよね」と場内を和ませつつ「この優勝を第2の母国、イタリアの親戚や仲間に捧げたいと思います」と、続けて新型コロナウイルス感染拡大が止まらない父方の出身地であるイタリア・ローマ地区に向けてメッセージを送った。
 
 気になる願いごとは「私には闘いたいやつがいる。今日は、私がその闘いたいやつと胸張って真っ向勝負、1対1でやりたいから、このタイミングを私は待ってたし、私はここまで上がってきました。でも、そいつは、1.4東京ドームでくっそつえぇ技で私を一発で黙らせた女だけど、今日不在です。私は、星輝ありさと一騎打ちがしたい。だけど正直、できるかどうかが今はわからない。でも、あいつとやりたくて、やりたくて、たまらない。この気持ちは変わらないから、出来ないんだったらしょうがないけど、さっさと治して、出てこいよ。4.29大田区総合体育館で、私はお前の持つ白いベルトに、挑戦したい。出来ないなら私が白いベルトをいただきます」と語り、現在怪我で欠場中の白いベルトことワンダー・オブ・スターダム王者の星輝ありさとの対戦をアピールした。
  バックステージでは、「私はスターダムに来て半年。最初はどん底からのスタートだったけど、なんかやってるうちに『コイツとだったらなにか出来るんじゃないかな、スゴいものが生まれるんじゃないかな』って思った相手。星輝ありさがいないんですよね。星輝と初めて東京ドームで当たったとき、あのときは私にはちょっと荷が重い相手だったけど、このトーナメントをきっかけに、優勝すればアイツに胸張って挑戦できるかなって思った。いないんでなんとも言えないですけど。ただ言いたいのは、私は待ってる。星輝ありさを」と改めてアピール。「格闘ベースでバチバチする試合をしたい」というのが闘いたい理由とのこと。
  親族とはしばらく連絡をとっていなかったようだが、「ウチはローマの方なんですけど、このコロナウイルスの件があり父親に連絡をとって、『向こうは大丈夫なの?』と聞いたら『全然大丈夫じゃない』ということを聞いた。おばあちゃんも結構歳いってるし、親戚とかもいるし、久々に連絡を取った。家でみんなおとなしくしてるけど、イタリアは今大変なことになってて、死者もどんどん毎日増えていくし、かなり落ち込んでますね。自分の口からプロレスやっていることを伝えたことはなかったんだけど、『今、私こういうことやってるよ』って言ったら、『じゃあ頑張って!フォルツァ、フォルツァ、勝つのを楽しみにしてるから』って。それくらいしかもういいことがないから、今のイタリアは。絶対優勝して、終わったら電話してあげようって思ってやりました」と日本よりも遥かに深刻なイタリアの親族を気遣っていた。
 

 現状を考えると4.29大田区大会の開催は、星輝の体調ともども不確定な要素を含んでいるが、あの日、東京ドームでファンの心を掴んだ星輝とジュリアの試合なら、スリリングな闘いになるのは間違いないだろう。ジュリアのシンデレラストーリーはこれが「始まり」なのだ。

スターダム『シンデレラトーナメント2020』
2020年3月24日 東京・後楽園ホール 観衆538人
▼1回戦(10分1本勝負)
○ジュリア(8分23秒 レフェリーストップ)ジャングル叫女●
※ステルス・バイパー
▼2回戦(10分1本勝負)
○ジュリア(4分37秒 オーバー・ザ・トップロープ)渡辺桃●
▼準決勝(10分1本勝負)
○ジュリア(4分06秒 オーバー・ザ・トップロープ)朱里●
▼決勝戦(30分1本勝負)
○ジュリア(12分41秒 ステルス・バイパー)刀羅ナツコ●
※ジュリアが初優勝
※決勝戦のみ通常ルール、準決勝まではオーバー・ザ・トップロープによる場外転落は失格の特別ルール

取材・文 / どら増田

【PHOTO】女子プロレスのスターダム「シンデレラトーナメント」ドレス姿を披露したのは…?

関連記事(外部サイト)