ジミー・バトラーが背番号を変え続ける理由とは?親友や学生時代の同僚、そして意外なベテラン選手の存在も関係していた

ジミー・バトラーが背番号を変え続ける理由とは?親友や学生時代の同僚、そして意外なベテラン選手の存在も関係していた

背番号を一貫する選手が多いなか、バトラーは移籍のたびに細かく番号を変えてきた。(C)Getty Images

ここまで41勝24敗と好調のマイアミ・ヒートを牽引するのが、キャリア9年目を迎えたリーグ屈指のオールラウンダー、ジミー・バトラーだ。2年ぶり5度目のオールスター選出を果たした今季は、54試合に出場して平均20.2点、6.6リバウンド、6.1アシスト、1.70スティールをマーク。リバウンドとアシストではキャリアハイの数字を残している。

 2011年ドラフトでシカゴ・ブルズから1巡目30位指名を受けたバトラーは、201cm・104kgの屈強な肉体とメンタルタフネス、フットワークを駆使した好ディフェンスを武器にチームの主力へと成長。2014−15シーズンには平均20.0点、5.8リバウンド、3.3アシスト、1.75スティールの好成績を記録し、MIP(最も成長した選手)に輝いた。

 そんなバトラーは、移籍のたびに背番号を微妙に変更している。ブルズ時代は21番、ミネソタ・ティンバーウルブズとフィラデルフィア・セブンティシクサーズでは23番、そしてここヒートでは22番。ブルズで着けていた21番は、その後在籍するウルブズ、シクサーズ、ヒートで永久欠番になっていないため、希望すれば着用ができたはず。NBA入りから同じ背番号で貫き通す選手が多いなかで、変更したのは彼なりの“理由”があったという。
  4月11日(日本時間12日、日付は以下同)に『The Athletic』へ掲載された記事内で、バトラーはこう話している。

「俺はマーケット大で33番、高校では1番を着用していた。1番は俺のベストフレンドであり、俺にとって兄弟だと感じていたトレイシー・マッグレディ(元オーランド・マジックほか)の影響さ。33番に変えたのは、彼の家族によるもの。彼の母親がラリー・バード(元ボストン・セルティックス)の大ファンで、俺が当時好きだったジョーダン・レスリー(バトラーと同じ高校出身の後輩/元フットボール選手)もその理由だった」

 その後NBA入りしたバトラーは、21番を選択。「シカゴで21番を選んだのは、ドラフトされた時に21歳だったから。あと、ジュニアカレッジでジョー・フォルスという男と一緒にプレーしていて、そいつが21番を着けていた。彼がいなければ、俺はリーグにいなかったかもしれないんだ」と語っている。
  ブルズで6シーズンをプレーし、2017年のドラフト当日に電撃トレードでウルブズへ移籍。そこで背番号を23番へと変更した理由は、シューズの契約ブランドにまつわるものだったとバトラーは話す。

「23番はジョーダンブランドと契約していたから。もちろん、俺自身とマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)を比較することなんてない。でもジョーダンはシカゴで23番を着用していた。シカゴを離れることになったから、『じゃあ23番にしよう』ってなったのさ」

 だがウルブズ在籍2年目となった昨季の開幕前、バトラーはチームメイトたちへの不満を露わにし、シーズン序盤にシクサーズへと放出される。新天地ではジョエル・エンビードと良好な関係を築き、第4クォーターや試合終盤にはプレーメーカーとしても活躍。プレーオフではイースタン・カンファレンス決勝まで進み、そこでトロント・ラプターズに3勝4敗で敗れたものの、昨年王者を瀬戸際まで追い詰めてみせた。

 そして、昨夏に成立した4チーム間のトレードでヒートの一員となり、今度は22番へと変更。その背景には、ブルズとウルブズで約7シーズンともにプレーしたベテランの存在があった。
 「俺の人生において、一緒にプレーしたなかで最もタフだった男の1人、タージ・ギブソン(現ニューヨーク・ニックス)だ。彼は俺が一人前の選手になるために、ものすごく多くのことを教えてくれた。背番号を選ぶ時、影響を受けたプレーヤーのナンバーにすることがあるが、俺にとってはタージがその1人なんだ」

 ギブソンはブルズでプレーした約8年、そして2016−17シーズン途中に加入したオクラホマシティ・サンダー時代に22番を着用。攻守両面で身体を張り、フィジカルコンタクトを厭わない献身的なプレーが持ち味のベテランは、NBA入り後のバトラーへプロフェッショナルとしての心構えを教え込み、キャリアに大きな影響を与えていたようだ。

 NBA選手が着用している背番号には、憧れのアイドルや目標にしているスーパースター、ゲン担ぎなど様々な理由がある。そして、バトラーが細かく変更しているのにも明確な理由があり、その多くは自身のバスケットボールキャリアにおいて、大きな影響を与えてくれた人たちへのリスペクトということがわかる。

 リーダーとしてヒートを牽引するバトラーに憧れ、彼と同じ背番号を着用したいと望む選手も、そう遠くない日に現われそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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