レイ・アレンが2013年ファイナルの劇的弾を回顧「ボッシュにどうして僕にパスしたか聞いたんだ。そしたら彼は…」

レイ・アレンが2013年ファイナルの劇的弾を回顧「ボッシュにどうして僕にパスしたか聞いたんだ。そしたら彼は…」

2013年ファイナル第6戦、絶体絶命のピンチを救ったアレンは一躍ヒーローに。連覇の立役者となった。(C)Getty Images

4月13日(日本時間14日)、『ESPN』がYouTubeで公開したインタビューに、レイ・アレン(元ボストン・セルティックスほか)がゲストとして出演した。

 2018年にバスケットボール殿堂入りしたアレンは、NBAキャリア18シーズンで1300試合(うち先発は1149試合)に出場し、平均18.9点、4.1リバウンド、3.4アシストをマーク。オールスター選出10回、オールNBAチームに2度選ばれた実績を持つほか、2008年にセルティックス、13年にはマイアミ・ヒートでチャンピオンに輝いた。クイックリリースで放たれる美しい3ポイントは芸術的であり、レギュラーシーズンにおける通算3ポイント成功数(2973本)では、今もNBA史上トップに立っている。

 そんなアレンの輝かしいキャリアのなかでも、最もファンの記憶に残っているのが2013年のファイナル第6戦に決めた劇的な同点弾だろう。サンアントニオ・スパーズに2勝3敗と王手をかけられたヒートは、第6戦も残り28.2秒で5点ビハインドという絶体絶命の窮地に。レブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)が3ポイントを沈めて2点差に縮めるも、カワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)がフリースローを2投中1本決め、3点差で最後のポゼッションを迎えた。
  その後、残り10秒を切って放ったレブロンの3ポイントはリングに弾かれてしまう。インタビューでこの時のことを振り返ったアレンは、「僕らはボールを奪いにいかなきゃいけなかった。僕もペリメーターにいるわけにはいかなかったんだ」とリバウンド争いに参戦。そしてクリス・ボッシュがオフェンシブ・リバウンドをもぎ取ると、すかさず右コーナーへ移動し、残り5.2秒で起死回生の同点3ポイントを沈めたのである。

「CB(ボッシュ)が僕のことを見つけてパスしてくれたんだ。そして史上最高の瞬間が生まれたのさ。彼はあのプレーで全てをやり遂げたと言っていいのかもしれないね。あのあと彼に、『君はどうしてあのボールを僕に託したんだい?』と聞いたんだ。そしたら彼は『冗談でしょ? あなた以外、世界中の誰にも渡そうだなんて思ってなかったよ』と言ったんだ」と、アレンは当時の裏話を披露した。
  ヒートは延長の末に第6戦を制し、その勢いに乗って最終戦にも勝利して2連覇を達成。アレンは第6戦で9得点、第7戦では無得点に終わったものの、優勝へとつながった劇的弾は、NBA史上でも屈指の名シーンとして刻まれている。

 もっとも、普段は温厚なアレンはあの場面で怒りの感情を内に秘めていたという。2018年10月に来日した際、当時の心境について明かしてくれた。

「あのショットを放った瞬間、僕は怒っていた。というのも、あの状況で我々は3点差で負けていたから、何とかして勝たなければいけないと思っていたし、会場全体が『もうヒートが負けるんだろう……』という雰囲気になっていた。自分たち以外が皆そう思っていたんだ。だから『俺たちはここに残ってるんだぞ!』ということを示したい気持ちが強かったね」
  この時のファイナル以外にも、キャリアを通じて数々のクラッチショットを沈めてきたアレンだが、思い入れのあるショットについて聞いてみると、いかにもアレンらしい答えが返ってきたのが印象深い。

「ほかのショットについては、多すぎるので選べないね。試合を決定づけたショットもたくさんあった。でも何よりも、それらはすべて練習でやっていたことなんだ。僕にとっては、練習で打ってきたシュートが印象に残っているよ」

 連覇をかけて迎えた大一番、負ければ敗退の場面でショットを託されたあの瞬間のプレッシャーは、想像を絶する。そんな状況下で、アレンはバックステップからボールを受け取り、3ポイントラインを一瞬確認しただけで跳び上がり、美しいショットをねじ込んだのだから流石というほかない。このプレーもきっと、日々の練習でシチュエーションを想定し、何度も繰り返し打ち続けていた内の1本だったに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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