ブルズの“ラストダンス“を追ったドキュメンタリーが脅威のヒット!スティーブ・カーが当時を振り返って漏らした本音は…

ブルズの“ラストダンス“を追ったドキュメンタリーが脅威のヒット!スティーブ・カーが当時を振り返って漏らした本音は…

カーは97年のファイナル第6戦、ジョーダンのパスから決勝シュートを決め、チームの連覇に大きく貢献した。(C)Getty Images

4月19日(日本時間20日)からスタートした1997−98シーズンのシカゴ・ブルズを追跡したドキュメンタリー“ザ・ラストダンス”は、エピソード1と2が『ESPN』と『ESPN 2』で放映されて合計1220万人が視聴。『ESPN』が放送したドキュメンタリー史上最高の数値を叩き出した。

 さらにTwitterによると、この“ザ・ラストダンス”はトレンド1位となったばかりか、一時は上位30のうち25項目がこのドキュメンタリーに関連したものが入るという、驚異的なインパクトを放っていた。

 同作はマイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペン、デニス・ロッドマンというビッグ3に加え、トニー・クーコッチ、ロン・ハーパー、ルーク・ロングリーといった主軸たちがフィル・ジャクソン・ヘッドコーチ(HC)の下、苦しみながらも2度目の3連覇を達成した1997−98シーズンに密着したドキュメンタリー。

 当時の選手たちは全員が現役を引退しており、ジョーダンはシャーロット・ホーネッツのオーナー、ピッペンは『ESPN』の“The Jump”でアナリスト兼コメンテーターを務めるなど、それぞれが別々の人生を歩んでいるが、ジョーダンと並んで出世頭となった男がいる。
  それが、正確なショットを決め、粘り強いディフェンスでも貢献したスティーブ・カーだ。ブルズでプレーした5シーズンでフィールドゴール50.7%、3ポイント47.9%という高確率で決め続けたピュアシューターは、97年の3ポイントコンテストで優勝。同年のNBAファイナル(対ユタ・ジャズ)の第6戦終盤では、ジョーダンのパスからシリーズに決着をつけるジャンパーを沈めている。

 98−99シーズンからサンアントニオ・スパーズへ移籍したカーは、スパーズの初優勝メンバーとなり、現役最終年となった2002−03シーズンでもプレーオフで短時間ながらも窮地を救うスマートなプレーで優勝に貢献。現役時代に5度の優勝を経験し、通算3ポイント成功率(45.4%)は歴代1位となっている。

 引退後は、フェニックス・サンズでゼネラルマネージャー(GM)を3年間務め、『TNT』でキャスターも務めてきた。そして2014年夏にゴールデンステイト・ウォリアーズのHCに就任し、昨季まで5シーズン連続でファイナルまで勝ち上がり、3度の優勝へと導いている。
  指揮官としてのカーは、6年間で337勝138敗という驚異的な戦績を残しており、勝率70.9%はニック・ナースHC(トロント・ラプターズ/勝率71.2%)に次ぐNBA歴代2位と、申し分ないセカンドキャリアを歩んでいると言えるだろう。

 19日に行なわれた『Sports Center』とのインタビューで、カーはまるで自身がラッキーマンであるかのようにブルズ時代の経験に感謝を述べていた。

「もし私があの時のチームにいなければ、その後の自分のキャリアは変わっていただろうね。ブルズで(3連覇という)経験をしていなければ、ウォリアーズのコーチにもなっていなかったんじゃないかな」

 現役時代からメディアの質問に的を射た言葉で切り返すなど、トークに定評があったカーは、GMやアナリストとしての実績を積んだ後、指揮官という職を手にして見事な実績を残している。その要因は、やはりブルズで得た貴重な経験が大きく影響しているようだ。

「私はジョーダンやピッペン、フィル・ジャクソンをいつも見てきた気がしている。その経験が、その後の私の選手、ブロードキャスター、そしてコーチとしてのキャリアを切り拓いてくれたと思うね。(3連覇という)快挙の一部になれたことがどれだけ幸運なのかは分かっているよ。あの時のグループは最高であり、とても成熟していた。それにどれだけ自分たちがラッキーだったのかは皆が理解していると思うよ」
  ウォリアーズは今季リーグ下位に沈んだが、来季はクレイ・トンプソンが復帰する。彼を含め、ステフィン・カリー、アンドリュー・ウィギンズ、ドレイモンド・グリーンといった主軸も健康体を保つことができれば、プレーオフへ返り咲くことは十分可能だろう。

 そして上位指名が期待される次のドラフトで即戦力を指名できれば、一気にウエスタン・カンファレンス上位進出も狙えるチャンスがあるだけに、カーには今後も幸運が付きまとうかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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