【名作シューズ列伝】シャックの初代モデル「SHAQ ATTAQ T」。BOXはデフォルトも内部にReebokのアピールポイントが満載!

人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり!

 第6回、1992年にReebokからリリースされたシャキール・オニール(通称シャック)の初代モデル「SHAQ ATTAQ T」。そのBOXのお話。



 NBA史上最高のセンターに挙げられるレジェンドの本名は、“Shaquille Rashaun O’Neal”。“シャキール・ラシュワン”はアラビア語で「小さな勇士」という意味。名前とは真逆の大きく屈強な身体と、陽気で親分肌な性格で、学生時代から全国区の選手として知られ、1992年バルセロナオリンピックで一世を風靡した“ドリームチーム”の最終候補にも残ったほどでした。

 当時の代表チームはアマチュア(学生)から1人メンバー入りする条件で、誰もがシャックが選出されると考えられていました。しかし最終的に選ばれたのはデューク大のクリスチャン・レイトナー。選考理由ははっきりと明言されていないものの、人種的な理由(レイトナーは白人)が大きかったという噂が流れ、今でいう炎上騒ぎになりました。
  惜しくも代表入りを逃したシャックですが、自身の評価は変わらず、92年のドラフトでは1巡目1位でオーランド・マジックに指名。桁違いのパワーを生かしたプレーで1年目に新人王を獲得すると、その後も数々の賞を受賞しました。3年目にはアンファニー“ペニー”ハーダウェイとのデュオで初のファイナル進出、96年に移籍したロサンゼルス・レイカーズでは、コビー・ブライアントとのコンビで3連覇を果たしています。

 そんな最強センターを早々に射止めたのがReebokでした。同ブランドは1980年代後半から90年代前半にかけ、エアロビクスシューズや通勤シューズがニューヨークを中心に爆発的にヒットし、国内でも屈指の人気スポーツメーカーに成長を遂げたのです。

 さらに独自開発されたPUMPシステムは、91年のスラムダンク・コンテストで優勝を飾ったディー・ブラウン(当時Reebokと契約)が、試技前のシューズに空気を入れるパフォーマンスで話題を呼び、ReebokをCONVERS、NIKE、adidasと並ぶ一流ブランドに押し上げました。そんなライバルたちとの競争から一歩抜け出すほどのセンセーショナルなニュースがシャックの獲得でした。
 「SHAQ ATTAQ T」は、彼のシグネチャーの中でも人気の高い1足です。アッパーサイドにはReebokのパフォーマンスモデルを象徴するベクターロゴをアレンジし、PUMPシステムはもちろん、かかとに反発吸収システムのヘクサライト、今では当たり前になった反発素材グラフライトをミッドソールに装着するといった、Reebokのテクノロジーをこれでもかと詰め込み、シンプルでありながら、力強くスマートな一品に仕上げられています。



 BOXを見てみましょう。これだけの期待を持ってデビューしたモデルですが、意外にも箱はReebokのデフォルトBOX。上蓋にプリントされたユニオンジャックは、イギリスのスポーツブランドであることを示しています。

 蓋の側面には金のブランドを表わすシールが燦然と輝いており、当時日本で「リーさんとボクさんというアジア系アメリカ人が、ブランドを立ち上げた」というデマが流れていたので、それを全否定するような威厳を醸し出しています。


  下箱の商品名を表示する横にはハイテク機能を表わす「THE PUMP」ロゴとシステムの透視図もプリントされている気の使いようです。Reebokの機能アピールはこれだけにとどまらず、蓋の裏面にはスポーツシューズごとに開発しているPUMPシステムの紹介が印刷。同封された小冊子にはさらに詳しくPUMPシステムの説明がカラー印刷で記載されています。

 当時のテクノロジー戦争を制し、シャックとともに俺たちがbPブランドになる!という意気込みを感じずには入られません。

文●西塚克之

【著者プロフィール】
西塚“DUKA”克之/日本相撲協会公式キャラクター「ハッキヨイ!せきトリくん」の作者として知られる人気イラストレーター。入手困難なグッズやバッシュを多数所有する収集家でもあり、インスタグラム(@dukas_cafe)では、自身のシューズコレクションを公開中。ダンクシュートでは名作シューズ列伝『SOLE&SOUL』を連載している。

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