“72勝ブルズ”と“プレーオフ最強ウォリアーズ”が7戦シリーズで対決したら?クリス・マリンの予想は「爆発的なオフェンス力で……」

“72勝ブルズ”と“プレーオフ最強ウォリアーズ”が7戦シリーズで対決したら?クリス・マリンの予想は「爆発的なオフェンス力で……」

シーズン72勝をマークした1996年ブルズと、プレーオフ歴代最高勝率を保持する2017年ウォリアーズ。もし対決した場合、はたして勝つのは?(C)Getty Images

1997−98シーズンのシカゴ・ブルズを追跡したドキュメンタリー、『ザ・ラストダンス』が大きな注目を集めている。彼らは1990年代に2度の3連覇を達成したことで、NBA史上有数の王朝を構築した。

 名将フィル・ジャクソン・ヘッドコーチ(HC)の下、マイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペン、デニス・ロッドマンのビッグ3を中心に6度の優勝を果たしたブルズ黄金期において、最も突出していたのが1995−96シーズン。当時のリーグ史上最高成績となる72勝10敗をマークし、フランチャイズ史上4度目のチャンピオンに輝いた年だ。

 そのブルズの記録を塗り替えたのが、2015−16シーズンのゴールデンステイト・ウォリアーズ。ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンら生え抜きスターが躍動し、73勝9敗の金字塔を打ち立てた。

 だが、迎えたファイナルではクリーブランド・キャバリアーズ相手に3勝1敗からまさかの3連敗を喫し、優勝を逃してしまう。そこでウォリアーズは2016年夏、現役最強スコアラーのケビン・デュラント(現ブルックリン・ネッツ)をロースターに加え、翌2016−17シーズンにリーグトップの67勝15敗をマーク。プレーオフでも歴代最高勝率(16勝1敗/勝率94.1%)を記録するなど、圧倒的な強さを見せ覇権奪回に成功した。
  ではブルズとウォリアーズ、もし両チームが4戦先勝の7ゲームシリーズで激突したらどうなるのか。この夢のようなマッチアップについて、1人のレジェンドが持論を展開した。4月23日(日本時間24日、日付は以下同)、かつてウォリアーズ、インディアナ・ペイサーズでプレーしたクリス・マリンは、『NBC Sports Bay Area』のインタビューで「私はウォリアーズだと思うね。その理由はあのチームが持つ爆発的なオフェンス力にある」とコメントしている。

 マリンは正確無比のシュート力を武器に活躍した左利きのスコアラーで、1992年のバルセロナ五輪ではジョーダン、ピッペンとともに“初代ドリームチーム”のメンバーに選出。ウォリアーズ時代の1989〜93年には5年連続で平均25点以上を叩き出すなど、16シーズンのキャリアで平均18.2点、4.1リバウンド、3.5アシスト、1.55スティールをマークした実力者だ。
  晩年の1997〜2000年にペイサーズに在籍し、1998年プレーオフのイースタン・カンファレンス決勝ではブルズと激突。先発スモールフォワードとして出場するも、ロン・ハーパー、ピッペン、ジョーダンといった名ディフェンダーたちに代わるがわるガードされ、シリーズ平均6.4点、フィールドゴール成功率38.1%、3ポイント成功率25.0%と不発に終わっていただけに、ブルズの恐ろしさは肌で感じていたはずだ。

 しかしマリンは、ブルズがカリー、トンプソン、デュラントのオフェンスパワーを防ぎきれないのか、という質問に対し「私はそう思うね」と回答。シリーズは長期化するだろうと予想した。

「マイケルとスコッティは、(シリーズ中も)本来の仕事をこなすだろう。シャットダウンとまではいかないだろうけど、多分ステフとクレイにとってはものすごくタフになるはずだ。フィル・ジャクソンのコーチング哲学は、トッププレーヤーを徹底的に抑えることだから、ピッペンをステフにつけるだろう。だからステフにとっては長いシリーズになるんじゃないかな。そしてマイケルとハーパーがクレイをしつこくガードすると思う。それによって、ウォリアーズはガード2人が抑え込まれることになるだろう。でも、あのチームにはデュラントがいる。彼はほぼ間違いなくトップのオフェンシブプレーヤーだからね」
  ブルズにはジョーダン、ピッペン、ハーパーに加え、ランディ・ブラウンというどう猛なディフェンダーもいる。彼らが代わる代わるカリーとトンプソンにマッチアップし、苦しませていただろう。

 だがデュラントのマークについてはどうか。ジョーダンとハーパー(ともに198cm)では高さのミスマッチが生じてしまうため、203cmのピッペン、あるいは208cmのトニー・クーコッチをぶつけることになるだろう。フィジカル面ではデュラントに勝るであろうピッペンだが、大きなストライド(歩幅)でのステップバック、さらにはターンアラウンドから打点の高いショットを繰り出すデュラントが相手では、さすがに腕を伸ばしてコンテストしても防ぎきれないかもしれない。
  また、ウォリアーズがカリー、トンプソン、デュラント、グリーンにアンドレ・イグダーラ(現マイアミ・ヒート)を加えた“デスラインナップ”を起用した際、ブルズはおそらくハーパーまたはスティーブ・カー、ジョーダン、ピッペン、ロッドマン、クーコッチの5人で対抗するだろう。その場合、スクリーンを多用しマークをスイッチさせ、ディフェンスに難があるクーコッチを相手にデュラントが1対1で着実に加点していくことになるはずだ。
  そして「我々は2ポイントに屈服するだろうが、3ポイントを決めていくだろうね」というマリンの言葉どおり、最後は2点と3点の打ち合いの末、ウォリアーズに軍配が上がると予想している。

 超負けず嫌いなジョーダン、諦めが悪いピッペン、闘争心の塊であるロッドマンに知将ジャクソンHCも君臨するブルズの面々がこの意見に賛同することは決してないだろうが、マリンの意見は決して的外れなものではないだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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