「もしも…」セナの事故死から26年。ハミルトンが寄せた思いに、誰もが描かずにはいられない"タンブレロの先の未来"

アイルトン・セナ氏の事故死から26年 現役F1王者のルイス・ハミルトンが思い寄せる

記事まとめ

  • 1994年の5月1日にアイルトン・セナ氏がサンマリノGP決勝で亡くなってから26年となる
  • 現役F1王者ルイス・ハミルトンは「If only…(もしも…)」と自身のSNSにつぶやいた
  • ハミルトンのヘルメットがイエローに塗られていたのは、セナを意識してのものだという

「もしも…」セナの事故死から26年。ハミルトンが寄せた思いに、誰もが描かずにはいられない"タンブレロの先の未来"

「もしも…」セナの事故死から26年。ハミルトンが寄せた思いに、誰もが描かずにはいられない"タンブレロの先の未来"

1994年5月1日、サンマリノGPにて事故死したセナ(左)に今も思いを寄せるハミルトン(右)。(C)Getty Images

歴史に「if」は禁物だといわれる。スポーツの世界においても同様だが、「もしもあの時…」と多くの人の記憶に残っている場面は、決して少なくはないだろう。

 幼い頃からのアイドル、アイルトン・セナと並んで立つ合成写真と共に「If only…(もしも…)」と自身のSNSにつぶやいた、現役F1王者のルイス・ハミルトンもきっとそんな思いを持つ1人に違いない。

「もしセナがタンブレロ・コーナーを飛び出していなかったら…」

 1994年の5月1日にイモラで行なわれたサンマリノGP決勝レースでのアクシデントにより、F1のアイコン、セナが亡くなってから26年となる。

 ちょうど1年前に「父の隣に座って、4歳か5歳の頃からTVであなたを見ていたのを覚えています。アイルトン、あなたのレースの戦い方が僕を最初から魅了し、このスポーツに引き寄せた。あなたは純粋で完璧なレーサーであり、真のマスター、ヒーローです。あなたは永遠に生き続けます」と語っていたように、8歳でレーシングカートを始めたハミルトンの心の中には、いつもセナの存在があった。
  セナはマクレーレン・ホンダで3度のワールドチャンピオン(1988年、1990年、1991年)に輝いたが、1995年、イギリスカートチャンピオンを獲得した10歳のルイスは、ある表彰式で当時のマクラーレン代表、ロン・デニスに「あなたの車に乗ってワールドチャンピオンになりたい」と宣言した。

 2000年にはヨーロッパカート王者となり、日本のツインリンクもてぎで開催された『アイルトン・セナ メモリアルカップ』でも優勝する。GP2タイトル獲得を経て、“マクラーレンンの秘蔵っ子”としてF1へとデビュー。2年目となる2008年、史上最年少(当時)の23歳300日でチャンピオンに輝き、“セナと同じマクラーレンでのF1ワールドチャンピオン”という夢を現実にした。

 カート少年時代からF1でのキャリア前半にかけて、ハミルトンが被っていたヘルメットがイエローに塗られていたのには「パパが見つけやすいように」という理由もあったようだが、もちろんそのデザインはセナを意識してのものだ。近年でもブラジルGPの際には、セナに敬意を捧げたスペシャルデザインのヘルメットで何回か走っている。また、2017年のカナダGPでセナの通算ポールポジション記録(65回)と並び、遺族から故人がロータス時代に使用していたヘルメットをプレゼントされた際には、「震えが止まらなかった」と喜びを表現している。
  2019年シーズン終了時点で通算ポールポジションは88回とセナを上回って歴代1位となっているが(歴代2位はミハエル・シューマッハの68回。セナは3位)、セナのポールポジション獲得率が40.1%なのに対して、ハミルトンの獲得率は35.2%だ。予選の終了間際にポンとタイムを上げてくることから“マジック・セナ”との異名を取った存在は、少なくとも予選での一発の速さにおいては、これからもずっと追いかける目標であり続けるのだろう。

 2013年にメルセデスへと移籍し、こちらも伝説的F1チャンピオンのニキ・ラウダから薫陶を受け、近年は“速さ”より“強さ”に重きを置いたスタイルへと徐々に変貌しているが、それまでのハミルトンは、セナの「I am designed to win. If you no longer go for a gap that exists, you are no longer a racing driver.(僕は勝つために走っている。存在する隙間を突かなければ、もはやレーシングドライバーではない)」という言葉を地で行くファイターのイメージが強かった。

 余談となるが、ラウダが急逝した直後の2019年モナコGPには、マクラーレン時代のラウダと同じデザインのヘルメットで走り、ポールポジションから優勝を果たしている。
  ハミルトンの思いが溢れた投稿を見た世界中のファンからは「2つの伝説」「もし2人がレースをすれば興味深い戦いだったでしょうね」「史上最高のコンビ。このデュオはF1を飲み込んでしまったに違いありません」「この画像が本当だったら良いのに…」「アイルトンはあなたの業績をきっと誇りに思うでしょう」「彼は天国から私たち全員を見守っています」等々のコメントが2万件近く殺到し、75万を超える“いいね!”が付けられた。

 1960年生まれのセナがもし生きていれば60歳。今でもタンブレロの先にある未来を想像せずにはいられない。

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super

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