【名作シューズ列伝】バークレーの代名詞モデル「AIR FORCE 180 LOW」。BOXはハイテク感とシンプルさが上手く共存

人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり!

 初代ドリームチームのシグネチャーモデル第5弾、本編10箱目は、チャールズ・バークレーが着用した「AIR FORCE 180 LOW」のお話です。



 バークレーは身長198cm(実際はもう少し低かかったと言われています)とパワーフォワードとしては小柄ながら、体重は114kgという豆タンク体型で“空飛ぶ冷蔵庫”と呼ばれていました。オーバーン大時代からパワーとスペーシングの上手さ、体格離れしたスピードとジャンプ力に定評があり、1984年のドラフトでは1巡目5位でフィラデルフィア・セブンティシクサーズに指名されます。

 当時のシクサーズは、ジュリアス・アービングやモーゼス・マローンというスター選手がいましたが、主力の高齢化でチームは世代交代の時期を迎えていました。バークレー自身は順調に成長を続けていたものの、プレーオフでは2回戦進出が精一杯。キャリア8年目の1991−92シーズンはプレーオフ進出を逃し、不完全燃焼で迎えたオフにドリームチームのメンバーに選ばれたのです。
  代表では同期で仲が良かったマイケル・ジョーダンや後にチームメイトになるスコッティ・ピッペンらを抑え、チーム最多の平均18.0点をマーク。NBAでは同年にフェニックス・サンズへ移籍すると、1年目からシーズンMVPを受賞するなど大暴れ。プレーオフではウエストの頂点に立ち、ファイナルこそジョーダン率いるシカゴ・ブルズに敗れたものの、平均27.3点、13.0リバウンド、5.5アシストと実力を如何なく見せつけました。2000年の引退後は解説者に転身し、現役時代同様、歯に衣着せぬ発言でお茶の間の人気者となっています。

 デビューからバークレーの足元を支えていたのはAIR FORCEシリーズでしたが、オリンピックモデルのベースになったのは、のちに彼の代名詞となる「AIR FORCE 180 LOW」。ちなみに「AIR FORCE 180」にはハイカットモデルもあり、こちらのメインプレーヤーはデイビット・ロビンソン(元サンアントニオ・スパーズ)でした。

 ネーミングにあるように、デザインはミッドソールからアウトソールに至るまで180度AIRが剥き身で可視化され、通常のアウトソールラバーはなしという斬新なモデルでした。
  BOXを見てみましょう。「AIR FORCE 180」シリーズには発売当初からオリジナルBOXがあり、いかにNIKEが製作に力を入れたモデルかがわかります。ハイテク感を感じさせるシルバーの上蓋とグレーの下箱。作りは上蓋と下箱が繋がっている一体型ですが、デフォルトのオレンジBOXとは異なり、対角線上に斜めにカットされたデザインは先進性を演出するとともに、NIKEがチャレンジブルな企業であることをアピールしています。



 一方でシューズ機能の顔である“AIR MAX 180 ユニット”のロゴ表示はシンプルで文字も小さく、いかにテクノロジーが優れているかを訴えているように見えます。また、上面と側面にロゴをまたがせることで、お店に陳列した際にも箱を立体として意識させる仕様になっています。


  ただ、BOXにオリンピック関連の装飾はなし。このBOXが五輪モデルだと証明するものはシューズ名がプリントされたシールの中にあるカラー表記の“WHITE/MNNAVY-TRURED”(アメリカのチームカラー)のみです。



 なお、この時代に発売されたバッシュはミッドソールの加水分解が激しく、維持だけでも労力を費やすのですが、例え劣化してもオリジナルの素材を見ると、当時にタイムスリップしたような気分になります。オリジナルを所持されている方は是非大事に保管なさってください。

文●西塚克之

【著者プロフィール】
西塚“DUKA”克之/日本相撲協会公式キャラクター「ハッキヨイ!せきトリくん」の作者として知られる人気イラストレーター。入手困難なグッズやバッシュを多数所有する収集家でもあり、インスタグラム(@dukas_cafe)では、自身のシューズコレクションを公開中。ダンクシュートでは名作シューズ列伝『SOLE&SOUL』を連載している。

【PHOTO】シンプルなデザインからキャラクターモデルまで!お洒落なNBAプレーヤーたちのシューズ特集!
 

関連記事(外部サイト)