木村花さんのラストマッチは岩谷麻優と。大会終了後、テラハ仲間からの「花」に笑顔を見せた…

木村花さんのラストマッチは岩谷麻優と。大会終了後、テラハ仲間からの「花」に笑顔を見せた…

最初の張り手で木村さん(左)の「本気」を感じたと言っていた岩谷(右)。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

5月23日に亡くなったスターダム所属の女子プロレスラー木村花さん。花さんにとって最後の試合になってしまったのが、3月24日にスターダム後楽園ホール大会で開催された『シンデレラトーナメント2020』の1回戦。”スターダムのアイコン”、ワールド・オブ・スターダム王者、岩谷麻優とのシングルマッチだった。

 試合は花さんが強烈な張り手を見舞いスタートダッシュに成功する。近年の岩谷は長期戦が多く、試合の終盤に盛り返すスタイルが目立っているため、出鼻を挫かれたかのように見えたが、岩谷も花の勢いに乗せられたのか激しく応戦した。

 お互いに場外転落(注:特別ルールで場外へ先に落ちたほうが負け)を狙うも、花がコーナーの最上段で卍固めを決めると、耐えきれなくなった岩谷の体制が崩れてしまい、同体で場外へ転落したため、同体でのオーバー・ザ・トップロープにより、両者失格となった。新日本プロレス1.4東京ドーム大会以来となった対戦だが、やはり2人にとって制限時間10分という試合時間は短かったようだ。
  試合後、インタビュースペースに向かうとマスコミは筆者1人しかいなかったのだが、花さんの方から「コメント出しますよ!」と声をかけてくれたのを思い出す。

 花さんは「岩谷麻優ならやっても大丈夫と思って、普段やらないこと(トップロープからの卍固め)をやったんですけどね。今まで(身体の線の細さから)モヤシとか言ってましたけど、きょうは全然違うなと思った。今度はゆっくり試合をしたい。(岩谷の赤いベルトは?)もちろん!狙っていきます」と充実した表情で語っていたのが印象的だった。

 3月8日の後楽園大会では無観客試合ということもあり「痛さしか残らなかった」と話していた花さんだったが、この日は『テラスハウス』のルームメイトたちも観戦に訪れており、熱烈な声援を送っていた。それもあってか、「今日は痛みを感じなかった。お客さんのパワーの凄さを感じた」と話している。
  一方、対戦した先輩となる岩谷も手応えを感じたようで、「コーナートップから卍固めをやられたら、花は体重何キロか知らないけど、耐えられない。気づいたら転落してたんですよ。でも向こうも落ちたんで、自爆ですかね。同時に相手も落ちたのは良かった。花のあの肉付きを見たらヤバかった。そういう成長が見られたのは良かったですね。またやりたい。木村花はいいライバルになると思う。花とは初めての東京ドームで、最初に手を合わせて、初めてフォールを取ったりしてるので、やるならいい舞台で闘いたい。私、親知らずを2本抜いてて、最初に張り手をしてきたとき、潰しにきてるなと思いましたね(笑)。この親知らずの痛みは張り手1発で倒せますから!」と語り、この試合を起点として、花さんとのライバルストーリーが繰り広げられることを楽しみにしていたのだ。
  この続きが見られないのは本当に残念でならない。実はこの大会の終了後、エレベーター前に並んでいたテラハ仲間から贈られた「花」をまとめている花さんの姿を見かけた。「全部持って帰るの?」と声を掛けると、「はい。全部持って帰ります」と笑顔で応えてくれた。エスカレーターが閉まる際には「お疲れ様でした!」と元気よく挨拶してくれた花さん。あれが最後になってしまうとは、本当に信じられない。

 謹んでご冥福をお祈りいたします。

文●どら増田

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