「彼との1オン1が俺を向上させた」若手時代を回顧したマッグレディが“恩人”について語る

「彼との1オン1が俺を向上させた」若手時代を回顧したマッグレディが“恩人”について語る

ルーキーイヤーを回顧したマッグレディ(左)は「ダグ(クリスティ/右)のことが大好き。彼との1オン1が自身の向上につながった」と発言。(C)Getty Images

5月24日(日本時間25日、日付は以下同)、トレイシー・マッグレディ(元オーランド・マジックほか)が41歳の誕生日を迎えた。

 “T-Mac”はキャリア16年で938試合に出場。平均32.7分の出場で19.6点、5.6リバウンド、4.4アシスト、1.2スティール、0.9ブロックとオールラウンドな活躍を披露し、2017年にはバスケットボール殿堂入りした名選手の1人だ。

 ノースカロライナ州にあるマウント・ザイオン・クリスチャン・アカデミー高を1997年に卒業したマッグレディは、大学には進まずアーリーエントリーを宣言。同年のドラフトでトロント・ラプターズから1巡目9位指名を受けNBAの世界に飛び込むと、翌1998年には従兄のヴィンス・カーター(現アトランタ・ホークス)も加入し、驚異的な身体能力を誇る注目のデュオとして脚光を浴びた。

 ラプターズで3シーズンをプレーしたのち、フリーエージェント(FA)となった2000年夏にサイン&トレードでマジックに加入。この移籍を機に大ブレイクを果たすことになる。
  迎えた新天地1年目の2000−01シーズン、同じく新加入でエースの役割が期待されたグラント・ヒルが足首の故障で長期欠場を余儀なくされたなか、マッグレディの秘めたる能力が完全開花。平均26.8点、7.5リバウンド、4.6アシスト、1.5スティール、1.5ブロックをマークしてMIP(最も成長した選手)に選出されると、そのまま一気にスターダムを駆け上がった。

 翌2001−02シーズンも平均25.6点、7.9リバウンド、5.3アシスト、1.6スティール、1.0ブロックと大車輪の活躍でチームを牽引。2002−03シーズンには平均32.1点で得点王に輝いたほか、6.5リバウンド、5.5アシスト、1.7スティールと獅子奮迅の働きでマジックをプレーオフへと導き、自身は2年連続でオールNBA1stチームに名を連ねる。2003−04シーズンはチームがリーグワーストの21勝61敗に沈むも、自身は平均28.0点で得点王の座を防衛し、2004年3月10日のワシントン・ウィザーズ戦ではキャリアハイとなる62得点を叩き出した。
  その後はヒューストン・ロケッツ、ニューヨーク・ニックス、デトロイト・ピストンズ、アトランタ・ホークスを渡り歩き、2012年に中国リーグ(CBA)へ移籍。異国でのプレーを終えた2013年4月にはレギュラーシーズン終了直後のサンアントニオ・スパーズに加わり、プレーオフ6試合出場してNBAキャリアに終止符を打った。

 身体能力を前面に押し出していたラプターズ時代、ヤオ・ミンとの強力デュオを形成したロケッツ時代も印象的だが、マッグレディが最も輝いていたのはマジック時代だろう。オールスター、オールNBAチームともに4度選出され、名実ともにリーグのベストプレーヤーの1人に君臨。今年5月20日に『ESPN』が選出したマジックの歴代最強スターター陣にも選ばれるなど、強烈なインパクトを残していたのは間違いない。

 そんななか、マッグレディは22日にYouTube上で公開された『ALL THE SMOKE』に出演。MCを務めるマット・バーンズ(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)、スティーブン・ジャクソン(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)とのトークで、ラプターズで過ごしたルーキーイヤーに世話になったダグ・クリスティについて話していた。
 「ダグのことは大好きだ。俺たちは毎日1オン1をしていた。それが俺の1オン1のスキルを向上させたし、選手としての自信を深めることにつながったんだ。なぜって、俺は彼が素晴らしいディフェンダーだとわかっていた。とてつもない守備力を持っていたんだ」

 1997−98シーズンのマッグレディは、64試合(うち先発は17試合)に平均18.4分出場し7.0点、4.2リバウンド、1.5アシスト、1.0ブロックをマーク。高卒ルーキーとしては及第点を与えられる成績を残していたものの、NBAの厳しい環境にアジャストするのに苦労していた時期でもあった。

 一方、当時のラプターズで先発シューティングガードを務めていたクリスティは、同シーズンに平均16.5点、5.2リバウンド、3.6アシスト、2.4スティールを記録。身体能力に秀でたマッグレディとの1オン1でこちらも自信を得たのか、キャリアハイの平均得点を残していた。
 「とてつもないディフェンダーだった」とマッグレディが評したように、パスカットでのスティール奪取に長けていたクリスティ。その守備職人としての才能は、2000−01のサクラメント・キングスへ移籍後に花開くことになる。

 長い腕を効果的に繰り出しながらマッチアップ相手にへばりつく執拗なディフェンスで、リーグ有数のストッパーとしての地位を確立。2001年から4シーズン連続でオールディフェンシブチームに選出、うち2003年は1stチーム入りと、ディフェンダーとして最高級の評価を手に入れた。
  今となってみれば、当時のラプターズには近い将来のリーグトッププレーヤーと、トップディフェンダーが在籍していたことになる。マッグレディ、クリスティともに2000年に退団してしまったが、もし彼らをキープできていれば、恐ろしいチームになっていたのかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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