現地記者が激論!レイカーズとクリッパーズ、どちらが優れたチームなのか?【2020プレーオフ座談会:ウエスト/前編】

現地記者が激論!レイカーズとクリッパーズ、どちらが優れたチームなのか?【2020プレーオフ座談会:ウエスト/前編】

ウエスト首位を走るレイカーズは、3月8日の試合でレブロンの大活躍でクリッパーズに今季初勝利。ただ、プレーオフで勝ち進むためには”第3の男”の台頭が求められる。(C)Getty Images

新型コロナウイルスのパンデミックがなければ、 本来であればNBAはプレーオフの佳境を迎えている時期だった。しかし3月11日以降、2019−20シーズンは中断されたままだ。中断から約2か月が経過した5月には一部地域の練習施設の閉鎖が解除。現在NBAは7月からのシーズン再開を目指しているが、プレーオフは本来の日程やフォーマットと違う形で行なわれる可能性が高い。

 時を遡ること3月11日、ニューヨークでNBAに精通した3人のライターによる『ダンクシュート』の人気企画「プレーオフ座談会」が開催されていた。収録も大詰めに差し掛かった頃、NBAからシーズン中断が発表され、記事はお蔵入りになった。

 しかし、今季の回顧と再開後を展望する意味で、ここで“幻の座談会”を一挙に公開したい。第2弾はウエスタン・カンファレンスをお届けする。

    ◆    ◆    ◆
 杉浦大介(以下杉浦):ウエスタン・カンファレンスでは1位のレイカーズと2位のクリッパーズの評価が高いけど、どちらが優れたチームだと思う?

クリス・シェリダン(以下シェリダン):どちらのロースターが優れているかと言われたら、間違いなくクリッパーズだと思う。今のクリッパーズはNBAで最も層の厚いチームだ。カワイ・レナード、ポール・ジョージがいるチームに、2月にはトレードでマーカス・モリスも加えた。ただ、ケミストリーの養成はこれからだ。モリスは良い選手で、(今季途中までプレーしていた)ニックスではNo.1オプションだったが、クリッパーズではレナード、ジョージが中心のシステムにフィットしなければいけない。とはいえ、レナードとジョージが一緒にプレーした時間もそれほど多くはなく、ルイス・ウィリアムズ、モントレズ・ハレルといったベンチプレーヤーへの依存度も高いから、ローテーションの確立は容易ではないだろう。

シュロモ・スプラング(以下スプラング):僕もクリッパーズこそがウエストのベストチームだと思っている。確かにローテーションを考慮する必要があるから、そのうちスタメンを入れ替えるんじゃないかな。ハレルと(先発センターの)イヴィツァ・ズバッツは相性が良いから、モリスに代わってハレルが先発に入るかもしれない。

シェリダン:総合力はクリッパーズが上でも、現時点でより優れたチームを決めるのは私には難しいな。レイカーズと対戦した場合、誰かがアンソニー・デイビスとマッチアップしなければいけないが、クリッパーズにはその選手がいない。もちろん今のデイビスをガードできる選手は他のチームにもいないが、特にクリッパーズにとっては厳しいマッチアップだ。
 杉浦:クリッパーズは強いけど、レイカーズにとって相性が悪い相手ではないということかな。

シェリダン:付け加えると、3月8日の今季3度目の対戦ではレブロン・ジェームズが大活躍し、レイカーズが勝ったことも精神面で響いてくるかもしれない。あの試合でのレブロンは10年前のレブロンのようだった。情熱と意気込みを持ってプレーした際のレブロンは、35歳の今でも依然としてリーグのベストプレーヤーだ。

スプラング:プレーオフの全試合でレブロンは同じような意欲でプレーできると思う? 

シェリダン:私は可能だと思う。レブロンはこれまで何度も難しいと思えることを成し遂げてきた選手だからな。ただ、レイカーズが勝ち進むためには、エイブリー・ブラッドリー、ダニー・グリーン、ジャベール・マギー、カイル・クーズマ、ドワイト・ハワードといったサポーティングキャストの中の誰かが“第3の男”にならなければいけない。その中ではクーズマが最も可能性がありそうだが、ベンチから起用されているだけに、どうなるかはわからない。いずれにしても、今年は何としてもカンファレンス・ファイナルでレイカーズ対クリッパーズが実現して欲しい。誰もが見たがっているカードだ。
 スプラング:レイカーズとクリッパーズはお互いに嫌い合っていて、ライバルと呼ばれるにふさわしい。ロサンゼルスという巨大マーケットに本拠地を置き、同じアリーナでプレーしている。シリーズの間、どちらも遠征に出る必要はなく、選手たちは万全のコンディションで臨めるだろう。ハイレベルのシリーズになることは必至で、盛り上がる要素は整っている。

杉浦:2強に続くチームは?ナゲッツ、ジャズ、サンダー、ロケッツあたりが候補になりそうだけど。

シェリダン:どれも興味深いチームだから、3番手を選ぶのは難しい。ニコラ・ヨキッチがベストの状態なら、ナゲッツがNo.3だと思う。ただ、今季のヨキッチは昨季よりも動きが落ちている。

スプラング:ナゲッツはギャリー・ハリスが不安定なシーズンを過ごしていて、チーム内の2番手が誰なのかという問いの答えもはっきりしない。本来はジャマール・マレーなんだろうけど、まだそこまでの信頼性はない。(後編へ続く)

文●杉浦大介

【座談会参加メンバー】
杉浦大介/すぎうらだいすけ
ニューヨークを拠点にフリーランスのスポーツライターとして活動。NBA以外にもMLB、NFL、ボクシングを中心に精力的な取材・執筆を行なう。

クリス・シェリダン/Chris SHERIDAN
元AP、ESPNの記者で、現在はスポーツ・ギャンブルサイトのGet More Sportsで健筆を振るうベテランライター。

シュロモ・スプラング/Shlomo SPRUNG
ニューヨーク在住のスポーツライター。主に経済誌フォーブスでNBAの記事を執筆する。

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