NBAが22チームで7月末のシーズン再開へ。プレーオフ最終枠を巡る“変則ルール”、開催地、ホームコート・アドバンテージの行方は?

NBAが22チームで7月末のシーズン再開へ。プレーオフ最終枠を巡る“変則ルール”、開催地、ホームコート・アドバンテージの行方は?

7月31日から22チームでのシーズン再開プランを掲げるNBA。プレーオフは例年通り行なう方針のようだ。(C)Getty Images

新型コロナウイルスの感染拡大を防止すべく、3月12日(日本時間13日、日付は以下同)からレギュラーシーズンを中断していたNBAのシーズン再開が現実味を帯びてきた。

 6月3日の時点で、『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者、『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者がそれぞれの情報筋から得たものをまとめると、再開プランは以下の通りだ。

■NBAのシーズン再開プラン
・開催期間は7月31日から10月12日(NBAファイナル第7戦の日程)まで
・開催地はフロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート
・参加するのは22チーム(各カンファレンス8位以内の16チーム+8位と6.0ゲーム差以内の6チーム)
・全22チームがレギュラーシーズンとして8試合を戦う
・最終的に8位と9位が4.0ゲーム差以内の場合はプレーイン・トーナメントを開催(8位チームが1勝or9位チームが2戦先勝すればプレーオフ出場)
・プレーオフのフォーマットは例年と変更なし(各シリーズ4戦先勝)

 このプランは4日に行なわれるオーナー会議の投票と、NBA選手会(NBPA)で承認されれば本格的に開催されることとなる。『ESPN』はオーナー会議でこの再開プランが承認される見通しだと報じている。
  では、参戦する22チームの現時点における順位とここまでの戦績を紹介しよう。
※チーム名は略称、*はすでにプレーオフ出場確定、ゲーム差は8位チームとの差

■イースタン・カンファレンス
1.バックス*:53勝12敗(勝率81.5%)
2.ラプターズ*:46勝18敗(勝率71.9%)
3.セルティックス*:43勝21敗(勝率67.2%)
4.ヒート:41勝24敗(勝率63.1%)
5.ペイサーズ:39勝26敗(勝率60.0%)
6.シクサーズ:39勝26敗(勝率60.0%)
7.ネッツ:30勝34敗(勝率46.9%)
8.マジック:30勝35敗(勝率46.2%)
9.ウィザーズ:24勝40敗(勝率37.5%/ゲーム差5.5)

■ウエスタン・カンファレンス
1.レイカーズ*:49勝14敗(勝率77.8%)
2.クリッパーズ:44勝20敗(勝率68.8%)
3.ナゲッツ:43勝22敗(勝率66.2%)
4.ジャズ:41勝23敗(勝率64.1%)
5.サンダー:40勝24敗(勝率62.5%)
6.ロケッツ:40勝24敗(勝率62.5%)
7.マーベリックス:40勝27敗(勝率59.7%)
8.グリズリーズ:32勝33敗(勝率49.2%)
9.ブレイザーズ:29勝37敗(勝率43.9%/ゲーム差3.5)
10.ペリカンズ:28勝36敗(勝率43.8%/ゲーム差3.5)
11.キングス:28勝36敗(勝率43.8%/ゲーム差3.5)
12.スパーズ:27勝36敗(勝率42.9%/ゲーム差4.0)
13.サンズ:26勝39敗(勝率40.0%/ゲーム差6.0)
  スケジュールは未発表ではあるものの、82試合で行なわれる本来のレギュラーシーズンのように、同じカンファレンスのチームと5試合以上、または別カンファレンスのチームと3試合以上を対戦することはないだろう。

 例えば、レイカーズはシーズン中断時点でイーストのセルティックス、ネッツ、ヒート、バックス、マジック、シクサーズとすでに2度ずつ戦っており、ウエストのチームでもマーベリックス、グリズリーズ、ペリカンズとは4試合行なっているため、それ以外のチームと計8試合が組まれることが予想される。

 プレーオフ枠をかけた戦いは、イーストが3チーム(ネッツ、マジック、ウィザーズ)、ウエストでは6チーム(グリズリーズ、ブレイザーズ、ペリカンズ、キングス、スパーズ、サンズ)による争いとなりそうだ。

 今後の展開を左右しそうな要素としてはケガ人のコンディションだろう。3月上旬に左大腿四頭筋を断裂してしまい、無期限の戦線離脱となっていたペイサーズのマルコム・ブログドンは中断期間に回復しており、シーズン再開となれば戦列復帰が確実視されている。

 また、シーズン中断当初は6月中旬から下旬に再開予定と予想されていたため、アキレス腱断裂という大ケガを負っていたネッツのケビン・デュラント、ウィザーズのジョン・ウォールらの復帰は厳しいと報じられていたが、7月末の再開となれば、電撃復帰の可能性もゼロではない。それが実現すれば、ネッツとウィザーズは一気に要注目チームとして浮上することもあり得る。
  さらに気になるのは、プレーオフでのホームコート・アドバンテージの行方。通常では上位シードのチームがホームで1試合多くプレーできるが、1か所での開催ではその利点がない。

 そのため、チームのエグゼクティブたちはホームコート・アドバンテージの代替案として、下記の権利をNBA側に提案すると『ESPN』が報じている。

■ホームコート・アドバンテージの代替案
・第2〜4クォーターでの最初のポゼッションの権利を得る
・上位シードのチームの選手のうち、1名は6ファウルまで許される(7ファウル目でファウルアウトになる)
・コーチによるチャレンジの権利を1回多くする
・上位チームは自分たちのホームアリーナのフロアを中立地に持ち込める
・プレーオフ期間中に滞在するホテルを選べる

『ESPN』による取材に対し、とあるチームのエグゼクティブは「NBAはホームコート・アドバンテージについても対処しなければいけない。それは最優先事項ではないがね」と話していたという。

 現在、アメリカでは新型コロナウイルスが終息していないなか、5月25日にミネアポリスでアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイド氏の死亡事件が起きたことで、NBA内でも選手やコーチ、オーナーが人種差別の撲滅を訴える態度を表明し、様々な形でメッセージを発信している。なかにはデモに参加する選手もいるが、デモの現場では人々が密集しており、新たな感染が拡大してしまう恐れがあることも否定できない。

 そういった環境のなかで、NBAがどのようにしてシーズン再開へと歩みを進めていくのか。今後の展開から目が離せない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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