プラチナ世代の出世頭、古江彩佳の“強さ“はどこにあるのか【プラチナ世代の歩み】

プラチナ世代の出世頭、古江彩佳の“強さ“はどこにあるのか【プラチナ世代の歩み】

プロの世界でも存分に力を発揮している古江。今季はツアー2勝目どころか、賞金女王争いにも絡んでくる可能性も十分だ。(C)Getty Images

女子ゴルフ界では2000年4月2日生まれから2001年4月1日生まれの世代を“プラチナ世代”と呼ぶ。現在、19〜20歳の世代だが、アマチュア時代からツアーで活躍する選手が多く、いつ優勝を飾ってもおかしくないと言われていた。ところが、あと一歩及ばない試合が続く。このまま未勝利で終わるかと思われた昨年10月、ついに古江彩佳がその壁をぶち破った。

 首位と1打差で迎えた富士通レディースの最終日、伸び悩む上位陣を尻目にポンポンとバーディを奪い、首位タイでハーフターン。後半に入るとさらに加速し、4つのバーディを奪う。そのまま2位以下に2打差をつけて54ホールを終えた。アマチュアがツアー優勝を飾ったのは史上7人目であり、古江が尊敬する宮里藍と同じ道を辿ることができた。
 「最終日は緊張せず、最後まで攻める気持ちでプレーできたと思います。プラチナ世代で最初に勝てたのはうれしいです」と、試合後は初々しさを見せた古江。プロテストが控えていたため、アマチュアとしてトーナメントに出るのはこの試合を最後にするつもりだっただけに、土壇場でチャンスをものにした形だ。この優勝でプロテストは免除となり、同世代の選手よりも一足先にプロの世界に足を踏み入れた。

 古江にとってゴルフの師匠は父親である芳浩さんだが、ゴルフと出会うきっかけを与えたのは母親のひとみさんだった。自分が練習場へ行くのに、当時3歳だった古江を連れて行ったのだ。同じ頃、水泳教室にも通っており、活発な子どもだったという。その後、11歳のときに地元・兵庫県で開催されたアオノジュニアゴルフ大会で優勝。以来、関西小学生ゴルフ選手権、関西中学校ゴルフ選手権、全国中学校ゴルフ選手権など、数多くの大会で優勝を飾る。滝川二高に進むと、17年からはナショナルチームに入り、海外の試合にも積極的に出場。豪州で開催されたリバースデールカップでは初の海外遠征にもかかわらず、優勝した選手に1打及ばない2位となり、海外でもその実力が通用することを証明した。
  団体戦にも強く、日本代表に選ばれたネイバーズトロフィチーム選手権、日韓親善マッチ選手権、トヨタジュニアゴルフワールドカップなどで日本の優勝に貢献。また、全国高校ゴルフ選手権では、チームメイトだった安田祐香とともに大会連覇を果たしている。

 古江の強さはどこにあるのか。昨年、プロとして出場した4試合のデータを見ると、パーオン率が78・6325パーセント、平均パット数が1・8098、パーセーブ率が88・8889パーセント、ドライビングディスタンスが242・20ヤード、フェアウエーキープ率が80・2198パーセントになっている。分母の数が圧倒的に少ないので比較にならないことを承知で言えば、パーオン率、フェアウエーキープ率は1位、パーセーブ率は3位、平均パット数は17位、ドライビングディスタンスは26位に相当する。

 ちなみに、ドライビングディスタンスとフェアウエーキープ率の順位を足したトータルドライビングでは断トツの1位だ。自ら「アピールポイントは曲がらないショットです」と言うだけある。全体的に穴のないゴルファーだけに、今季はツアー2勝目どころか、賞金女王争いにも絡んでくる可能性も十分だ。
  同級生の安田も「古江さんにはこれが苦手というものがなく、自分がギャラリーだったら、安心して観ていられるタイプです。気持ちの切り替えも上手いですしね」と絶賛する。ただ、当の古江自身は、「アプローチやパットをもっと強化したいです。ピンをデッドに狙ってグリーンを外したときでもパーセーブできるようにしたいですね」と、さらに上を目指す。

 将来的には、不動裕理のように何年も続けて賞金女王になるのが目標の古江。海外志向は今のところなく、尊敬する宮里のように「ジュニアゴルファーから憧れる存在になりたい」と言う。どちらにしろ、今季はプラチナ世代のリーダーとして注目を浴びる機会も増えることは間違いない。それを踏まえてどれだけの結果を残せるのか要注目だ。

取材・文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

【PHOTO】古江彩佳、安田祐香、吉田優利…黄金世代に続く大注目の“プラチナ世代”を一挙紹介!

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