「僕がやりにくいように守ってきた」ネッツの好守に不発の八村。しかし指揮官は「ルイならすぐ挽回できる」と信頼を崩さず

「僕がやりにくいように守ってきた」ネッツの好守に不発の八村。しかし指揮官は「ルイならすぐ挽回できる」と信頼を崩さず

ネッツの厳しいディフェンスに阻まれ、八村は不発に。(C)Getty Images

8月2日(日本時間3日、日付は以下同)、フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内にある“バブル”でシーディングゲーム(順位決定戦)の4日目が行なわれ、ワシントン・ウィザーズはブルックリン・ネッツとの一戦に挑んだ。

「プレーイン・トーナメントへ進出するためには、大事な試合だとゲーム前に選手たちへ伝えた」とスコット・ブルックス・ヘッドコーチ(HC)が明かしたように、イースタン・カンファレンス9位のウィザーズにとって、8位のネッツとの試合はゲーム差を縮める絶好のチャンス。しかし結果は、110−118で一歩及ばなかった。

 ウィザーズはトーマス・ブライアントが30得点、13リバウンド、3アシスト、2ブロックと暴れ回ったほか、トロイ・ブラウンJr.は22得点、10リバウンド、8アシスト、イシュ・スミスも14得点、5アシストをマーク。「TB(ブライアント)とトロイの貢献があったから、接戦に持ち込むことができた」という指揮官の言葉どおり、2人がチームを牽引した。
  ただ、この日はシャバズ・ネイピアーのパスが味方に上手く通らず、スコアラーのような役割となってしまう状況に。ベテランのスミスがコートに出ている時間帯の方が、相手ディフェンスが乱されチームメイトに得点チャンスが与えられていた。

 そして八村塁も、約32分の出場で9得点、4リバウンド、4アシスト(キャリアハイタイ)、1スティール、1ブロックとオフェンス面で不振。フリースロー成功率83.3%(5/6)とまずまずだったものの、フィールドゴール成功率は33.3%(2/6)にとどまり、3ポイントは1本も打たなかった。

 八村は主にランス・トーマスやロディオンス・クルークスとマッチアップしたのだが、ポジション争いに手こずりなかなかボールを受け取ることができず。数少ない攻撃チャンスでローポストアタック、あるいはドライブからジャンパーやレイアップを狙おうにも、ペイントエリアでジャレット・アレンを中心とした相手ディフェンダーが複数寄ってきたことで、スペースを確保できず思うように得点を奪えなかった。
 「相手もしっかりとスカウンティングしてきて、僕のやりにくいように守っていたと思います。ダブルチームにきたり、トリプルチームをしてきたので、シュートを打つチャンスがあまりなかったという感じはしました」と、八村はフィールドゴール試投数わずか6本に終わった要因を分析した。

「今日は彼のベストではなかったが、ルイならすぐにバウンスバック(挽回)できる。今シーズンは不調のゲームの後には必ず持ち直しているからね。今日はネッツのディフェンスを褒めるべきだろう。様々なパターンを使って小柄な選手でルイを止めにきたし、複数で守っていた。ルイがもっと得点しやすいように、私も工夫しなければならない」

 ブルックスHCがそう振り返ったように、ネッツはローポストでミスマッチになりそうな場面では即座にスイッチ。巧みなカバーディフェンスにより、八村に自由を与えない好守を見せていた。
  そのネッツは、キャリス・ルバートがゲームハイの34得点に加え7リバウンド、ジョー・ハリスも6本の3ポイントを含む27得点、7リバウンド、アレンは22得点、15リバウンドとインサイドを制圧。さらには今季途中にウィザーズから解雇されたクリス・チオッザがベンチから要所で活躍し、古巣相手に14得点、6アシストをマークした。

 第4クォーター中盤、ネッツがハリスの2連続3ポイントとルバートのペイントアタックで着実に加点していった一方で、リードを縮めたいウィザーズは攻め手に欠き、点差は徐々に拡大。八村が得意のプルアップジャンパー、ファーストブレイクからダンクを叩き込むも時すでに遅く、ゲームの勝敗がかかった場面でもウィザーズはショットを決め切れなかった。

 ウィザーズがプレーイン・トーナメントへと進むためには、8位チームとの差を4.0ゲーム以内まで詰めなければならないのだが、この敗戦でネッツとの差は7.0へと広がった。ネッツが今後6戦全敗したとしても、ウィザーズは3勝3敗で乗り切らなければならない。
  しかしウィザーズの残り6試合の対戦相手は、翌3日のインディアナ・ペイサーズを皮切りに、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ(5日)、ニューオリンズ・ペリカンズ(7日)、オクラホマシティ・サンダー(9日)、ミルウォーキー・バックス(11日)、ボストン・セルティックス(13日)。いずれも難敵が待ち構えている。
 「まだ終わってはいない。現実的には厳しいが、我々は戦い続ける。全員が成長し、戦い続けることにコミットしているんだ。この先の6試合、ものすごくタフなゲームが待ち受けている。リーグ屈指のチームとの対戦となるが、みんながこの経験を生かして成長していくだろう」

 指揮官がそう話したように、ウィザーズの戦いはまだまだ続く。プレーイン・トーナメント進出が難しくなったのは間違いないが、ネッツのスケジュールもウィザーズと同様に厳しいため、チャンスがなくなったわけではない。「しっかりと休んで切り替えて、明日のペイサーズ戦へしっかりと臨みたいと思います」と語った八村の“バウンスバック”に期待したいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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