新シーズンに向け戦力補強に動くユーロリーグ。一方で若い命が失われるショッキングなニュースも

新シーズンに向け戦力補強に動くユーロリーグ。一方で若い命が失われるショッキングなニュースも

27歳の若さで急逝したオジョ。ご冥福を祈りたい。(C)Getty Images

アメリカではNBAの2019−20シーズンが再スタートしたが、ヨーロッパの方では各クラブが新シーズンに向けて動き始めている。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、昨季のユーロリーグはレギュラーシーズンの28節までで打ち切りに。その後、クラブによってはロックダウン解除後にコンディション調整のためのトレーニングを行なっていた。

 8月に入ってからは、新シーズン開幕の10月1日まであと2か月を切ったこともあり、各クラブとも相次いでトレーニングを再開。アルマーニ・ミラノが2日から始動したほか、バルセロナも8日から小グループでの練習を始めている。
  並行して、各クラブとも新シーズンへ向けた補強の真っ最中だ。

 サルナス・ヤシケビシャスが着任したバルセロナ、名称ジェリコ・オブラドビッチが1年間の離職を申し入れたフェネルバフチェ、トニー・パーカー(元サンアントニオ・スパーズほか)の弟テレンスがアシスタントコーチから昇格したアスヴェルなど、現時点で18クラブ中11クラブが新ヘッドコーチ(HC)を迎えているのも、新シーズンの注目ポイント。現場のトップが交代したチームはおのずとメンバーの刷新にも積極的で、ギリシャの両雄オリンピアコスとパナシナイコス、ドイツのバイエルン・ミュンヘン、ロシアのゼニト・サンクトペテルスブルグ、フェネルバフチェなどは、いずれもロースターの半数を入れ替える勢いでリクルートを進めている。

 なかでもパナシナイコスは、これまで5シーズンにわたってチームの中枢を担ったガードのニック・カラテスをバルセロナに放出。まさに新時代の到来を感じさせる動きだった。

 アルマーニ・ミラノも、ユーロリーグ4冠を誇る欧州を代表するセンター、カイル・ハインズをCSKAから獲得。NBAのデトロイト・ピストンズやボストン・セルティックスでプレー経験があるイタリア代表のフォワード、ルイジ・ダトメもフェネルバフチェから迎え入れ、2年目のエットーレ・メッシーナHCも本領発揮してくれそうな気配を漂わせている。
  シーズン打ち切りで契約交渉にかける時間もたっぷりとあった。そういった意味でも今回のコロナ禍は、例年にはない影響を及ぼすことになるだろう。

 活動再開にあたっては、各クラブともメディカルチェックなど厳しいガイドラインを遵守することが大前提となっているが、CSKAモスクワではディミトリス・イトウディスHCのコロナウイルス感染が確認された。ギリシャ人指揮官の感染は滞在先のアテネで判明。症状は出ていないとのことで、入院はせずに自宅で療養し、十分な回復を確認後、第2弾のトレーニングキャンプを目処にチームに合流するとのことだ。

 奇しくも同じギリシャでは、オリンピアコスのフォワード、コスタス・パパニコラウも陽性だったと判明。彼も症状は出ておらず、自宅で療養している。オリンピアコスはまだトレーニングを開始していないため、参加のタイミングについてもクラブのメディカルチームが慎重にモニタリングしていくそうだ。

 また、10日からのトレーニング再開に向けて7日にPCR検査を行なったバスコニアでも、選手の1人から陽性反応が出ている。
  そしてもうひとつ、ショッキングなニュースが入った。

 レッドスターでプレーしていた27歳のナイジェリア系アメリカ人センター、マイケル・オジョが急逝。プライベートトレーナーと自主トレーニングを開始した7日の朝、突如グラウンド上で倒れ、そのまま帰らぬ人となった。

 オジョはフロリダ州大を卒業後、2017年のNBAドラフトで指名漏れしたものの、セルビアのベオグラードを本拠地とするKK FMPでプロデビュー。1試合10点前後が期待できる得点力と安定したリバウンドを買われ、翌シーズンは強豪レッドスターに引き抜かれると、昨季はユーロリーグでもシックスマンとして貢献していた。

 コート上でもひときわ目立つ216cmの体躯から繰り出される、迫力満点のダンクがトレードマーク。幾度となくアリーナを熱狂の坩堝に陥れたオジョは、それでいて朗らかで謙虚な性格の持ち主で、チームメイトからもファンからも愛されていた。

 6月30日にレッドスターとの契約は満了していたが、6月下旬にはチームでトレーニングを再開したことを、ユーロリーグのブログで元気に話していたオジョ。ご冥福を祈りたい。

文●小川由紀子

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