淺井咲希が苦手のパー3でティショットの不安を払拭、クラブチェンジが奏功

淺井咲希が苦手のパー3でティショットの不安を払拭、クラブチェンジが奏功

1年前の「CAT Ladies」でツアー初優勝を飾った淺井、クラブチェンジで臨んだ今大会では、パー3でバーディーを奪った。(C)Getty Images

国内女子ツアー第2戦となった「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」初日は、首位から3打差以内に15人がひしめくという大混戦となった。その中で注目したいのが、4アンダーの5位タイにつけている淺井咲希だ。

 1年前に開催された「CAT Ladies」でツアー初優勝を飾り、黄金世代としては9人目のツアー優勝者となった実力者でもある。本来なら次週はディフェンディングチャンピオンとして大会に臨む予定だったが、新型コロナのために中止。その分、今大会に賭ける気持ちも強い。

 実は今大会で淺井が新たに試みたことがあった。昨年までキャディバッグに入れていた4番ユーティリティと5番ユーティリティを抜き、替わりに3番ユーティリティと5番アイアンを入れたのだ。「元々ユーティリティが得意じゃなくて、このクラブを使うときにパーオン率が下がっていたんです」と淺井。特に180ヤード以上のパー3ホールではグリーンを外すことが多かったと言う。

 ユーティリティのほうが比較的ボールを上げやすいメリットはあるが、アイアンほどスピンがかからないため、グリーンに落ちてから止まりにくい面もある。それが淺井のスタイルに合わなかったのかもしれない。データ的にも、昨年はパー3の平均スコアが3・1145(84位)と、パー4(4・0369、27位)やパー5(4・8186、29位)と比べて悪いことを証明している。昨年以上の成績を残すためにも、パー3でのスコアアップを避けて通るわけにはいかない。そこで、あえてクラブチェンジで今大会に臨んだのだ。
  その判断が正しいかどうかを試すチャンスが早くも訪れる。3番パー3のティショットだ。183ヤードだが、ピンが手前のグリーンエッジから10ヤードの位置に切られている。早速5番アイアンを抜き、放たれた淺井のショットはピンに重なるように真っ直ぐ飛んで行く。

「当たりも完ぺきで、イメージ通りに飛んでくれました」という1打は、ピン手前約4メートルに止まる。これを沈め、2番パー5に続いてこの日2つ目のバーディを奪った。さらに、1つ置いた5番パー4でもバーディといい流れに乗ることができた。ツアー2戦目とはいえ、開幕戦のアース・モンダミンカップから約1カ月半もブランクがあっただけに、どの選手にも不安はある。序盤で好スタートを切れたことが、この日の68という数字につながったと言えるだろう。しかも、苦手なパー3でティショットの不安を払拭したのは大きい。
  また、淺井といえば、高校時代にパッティングのイップスとなり、一時はプロに転向することをあきらめた経験を持つ。結果的に一発合格を果たしたが、パッティングの不安が解消されたわけではない。昨年、優勝した試合でも50センチのウイニングパットを外して2メートルもオーバーしている。返しのパットを沈めて事なきを得たが、シーズンを通してクロウグリップやクロスハンドグリップを試しつつ、パターを替えて試合に臨んでいた。今回も新たな秘策を抱えてきたとのことだが、まずまずの成果は得られたという。ただ、まだ確証がないのか、どこをどう変えたのかは明かせないと言う。
  どちらにしろ、首位とは3打差しかないだけに、2日目以降に逆転するチャンスは十分ある。昨年は初日に66を出して3位タイにつけながら、思うようにスコアを伸ばすことができず、19位タイに沈んだ淺井。その借りを返す意味でも、今年は残り2日間でしっかりとスコアを伸ばしておきたいところだ。

取材・文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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