リーグ最高勝率のバックスが8位のマジックにまさかの敗戦…。敗因は甘さと集中力の欠如?

リーグ最高勝率のバックスが8位のマジックにまさかの敗戦…。敗因は甘さと集中力の欠如?

シーズン中はマジックに4戦全勝としていたバックスが、マジックに敗退。エースのアデトクンボは徹底的にマークされた。(C)Getty Images

8月18日(日本時間19日、日付は以下同)。NBAはプレーオフのファーストラウンド2日目を迎え、4試合が行なわれた。イースタン・カンファレンス5位のマイアミ・ヒートが113−101で4位のインディアナ・ペイサーズを、ウエスタン・カンファレンス4位のヒューストン・ロケッツは123−108で5位のオクラホマシティ・サンダーをそれぞれ撃破。

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 その一方、リーグトップかつイースト首位のミルウォーキー・バックスは110−122で8位のオーランド・マジックに、ウエスト首位のロサンゼルス・レイカーズが93−100で8位のポートランド・トレイルブレイザーズに敗れる波乱が起きた。

 特にバックスはシーズン中にマジックに4戦全勝しており、4試合で平均17点差をつけて圧倒。しかし、この日は最大18点ビハインドを背負う劣勢を強いられてしまい、黒星スタートとなってしまった。

「相手がやることに対して準備しなければいけない。特にミルウォーキーのようなチームと対戦する時は、彼らがやること全てに対して準備する必要があるんだ。今夜、僕らは間違いなくいい仕事ができたし、ゲームプランを遂行していた」

 ゲームハイの35得点、14リバウンド、4アシストの大暴れを見せたマジックのニコラ・ヴュチェビッチは試合後にそう振り返り、入念な準備とゲームプランの遂行力を勝因に挙げた。
  マジックではシックスマンのテレンス・ロスが18得点、6リバウンド、ゲイリー・クラークが15得点、6リバウンド、マーケル・フルツが15得点、6アシスト、ジェームズ・エニス三世が11得点、8リバウンド、2スティール、DJ・オーガスティンが11得点、11アシスト、エバン・フォーニエが9得点、5アシストをマーク。

 バックスの大黒柱ヤニス・アデトクンボには31得点、17リバウンド、7アシストを許したものの、5本のターンオーバーを誘発。「当然、僕らが最もフォーカスしていたのはヤニスへハードに当たり、ペイントを守ることだった。チームとしていい仕事ができたよ。(ヤニス相手に)ゲイリーは素晴らしい仕事をしてくれたし、僕らも彼をヘルプすることができていた」とヴュチェビッチが話したように、マジックはペイントエリアで支配的な活躍を見せるアデトクンボに対して、クラークやケム・バーチをマッチアップさせ、ペイントエリアで自由にプレーさせないようにとヴュチェビッチらが効果的にカバーへ入り、ジャンプショットへと仕向ける好守が光った。
  これに対し、アデトクンボは「魔法の杖によって何かが変わったわけじゃない。コートに出たらハードにプレーすること。もっとハードにプレーして、一丸となって楽しむことだ」とコメント。

 また、ガードのジョージ・ヒルは「タフだね。ここには家族もいない。シーズンを通して、俺たちはホームのファンたちと共に戦ってきた。ここではファンもいないから、まるでオープンジムでプレーしているかのようだった」と、まだ無観客試合の雰囲気にアジャストできていないかのようだった。

 ただし、マイク・ブーデンホルザー・ヘッドコーチ(HC)が語った「私はこのグループがオーランドを軽んじていたとは思わない。相手はしっかりとコーチングされた良いチーム。それに優れた選手がたくさんいるし、(オフェンスの)武器もあるんだ」という言葉からは、相手へのリスペクトが込められていたが、一方で自チームに対する甘さも感じられる。

 そもそも、この日マジックはジョナサン・アイザック(左ヒザ前十字靭帯断裂)、モー・バンバ(新型コロナウイルスの事後評価)に加え、主力のアーロン・ゴードン(左ハムストリング)とマイケル・カーター・ウィリアムズ(左足)も欠場。代役として入ったクラークはプレーオフ初先発であり、経験の面ではバックスに大きなアドバンテージがある状況だった。
  両チームのこの試合に対する意識の違いは、フリースローにも如実に現われていた。94.7%(18/19)という少ないチャンスを確実にモノにしたマジックに対して、バックスは64.3%(18/28)と集中力を欠いていたと言わざるを得ない。

「俺たちにとって新しい環境なんだ。まだ理解しきっていなかったということ。明日映像を観てチームの状況を把握して次戦に臨むさ」とヒルは話していたものの、この敗戦がバックスにとって“ウェイクアップコール”になったかどうかは微妙。

 むしろ「大きな勝利を手にすることができた。でもこれはあくまで1試合にすぎない。僕らは前に進まなきゃいけないんだ」と話したヴュチェビッチ率いるマジックにとって、この勝利が自信を増幅させるキッカケになったと言えるだろう。

 はたして、20日に行なわれるシリーズ第2戦でバックスは本来の姿を取り戻すことができるのか。もし連敗となれば、チームケミストリーにもズレが生じかねないだけに、どのように挽回できるか注目したい。

文●秋山裕之(フリーライター)
 

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