ドラフト2位指名権を引き当てたウォリアーズがトレードで狙うべき選手は?レジェンドOBが提言
2020年08月23日 18時55分THE DIGEST

ドラフト2位指名権を引き換えに大型トレードを画策するウォリアーズ。球団OBのマリンはシクサーズをターゲットに挙げた。(C)Getty Images
8月20日(日本時間21日、日付は以下同)に行なわれたNBAドラフトロッタリー(指名順位の抽選)で、ゴールデンステイト・ウォリアーズは全体2位指名権を引き当てた。
昨季まで5年連続でウエスタン・カンファレンスを制し、3度の優勝を飾ったウォリアーズだったが、今季は主力のケガもあってリーグワーストの15勝50敗(勝率23.1%)に終わり、一足早くシーズンを終了。だがこのチームには5年連続でNBAファイナルの舞台に立ったステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンという強固な基盤に加え、ウイングには平均20点が期待できる新戦力のアンドリュー・ウィギンズもおり、来季は早くも覇権争いへと加わる力を秘めている。
今年のドラフトで、もしウォリアーズが216cmの高さと身体能力を兼備するメンフィス大出身のジェームズ・ワイズマンを指名すれば、豪華なスターターを形成することが可能となり、さらにやっかいなチームになることが容易に想像できる。
もっとも、現在のウォリアーズにとって大事なのは数年後ではなくまさに今であり、ルーキーの育成よりも黄金期の主力が健在のうちに再び王座へ返り咲きたいというのが本音だろう。カリーは32歳、トンプソンとグリーンは30歳と今後数年はトップレベルを維持できるだろうが、その期間はいつまでも続くわけではないからだ。
そんななか、21日に公開された『NBC Sports』のポッドキャスト番組「Runnin' Plays」にクリス・マリン(元ウォリアーズほか)が出演。殿堂入り選手であり、かつてウォリアーズでゼネラルマネージャーを務めた経験を持つレジェンドは、ウォリアーズがトレードで狙うべきターゲットについて気になる発言をしていた。
マリンがターゲットチームに挙げたのは、イースタン・カンファレンス屈指の戦力を誇るフィラデルフィア・セブンティシクサーズ。現在はベン・シモンズをケガで欠くなかボストン・セルティックスとのプレーオフ1回戦を戦っているが、ジョエル・エンビードがシリーズトップの平均30.0点、13.0リバウンドと孤軍奮闘するも、3連敗と後がなくなっている。もしこのままスウィープで1回戦敗退となれば、今季終了後にどちらかを放出するのではないかと囁かれているのだ。
マリンはシモンズとエンビードのどちらを獲得すべきかというトークの中で「私ならエンビードだ」と発言。そして「シモンズのことは大好きだけど、まだインサイドアウトを確立しようとしている段階に見えるね」と続けた。
仮にシクサーズがエンビードを放出することになった場合、ウォリアーズはドラフト指名権だけでなくウィギンズとトンプソンまたはグリーンも放出する必要が出てくるだろうが、もしカリー、トンプソン、グリーンにエンビードが加わったら恐ろしい布陣になることは間違いない。
26歳のビッグマンはケガがちなのが玉にきずだが、健康体であれば攻守両面で支配的なパフォーマンスを見せるリーグ屈指の実力者。ともにアンダーアーマー契約選手であるカリーとのピック&ロールは破壊力抜群で、グリーンとエンビードがリムプロテクターとして立ちはだかる光景は考えるだけで威圧感十分だ。
一方でマリンは、ジェームズ・ハーデンとラッセル・ウエストブルックを中心にスモールボールを展開するヒューストン・ロケッツの戦いにも注目しているという。
「ヒューストンがこのプレーオフでどこまで行くかは興味深いね。私は誰よりもスモールボールを愛している。でもバランスが大事なんだ。1つの戦術だけでは勝てない。だからこそ、過去5年のウォリアーズはものすごく特別だった。彼らは3ポイントをたくさん放つだけでなく、多くのフリースローを放っていたし、ミドルレンジやレイアップも決めていた。全体的にゲームを支配していたんだ」
現役時代、ドン・ネルソンHC(ヘッドコーチ)の下でティム・ハーダウェイ、ミッチ・リッチモンドとともに“ランTMC”を形成し、超攻撃的なオフェンスを展開してきたマリンにとって、スモールラインナップは特別思い入れがあるようだ。
「私はスモールボールが大好きだが、リーグは今でもビッグマンを求めている。フィジカル面もそうだし、ゴール下でプレッシャーを与えることができるからね。だから私ならエンビードを狙うよ」
もちろん、これはあくまで仮定の話。シクサーズが大黒柱をそう簡単に手放すとは思えず、近い将来のチャンピオンチーム形成を手助けするようなトレードを成立させることは考えにくい。
ただし、ウォリアーズが来季の覇権奪回を狙っていることも事実だ。百戦錬磨の元王者はドラフト2位指名権を有効に活用し、オールスター級の選手を獲得する超大型トレードを狙っている可能性は十分あるだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
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昨季まで5年連続でウエスタン・カンファレンスを制し、3度の優勝を飾ったウォリアーズだったが、今季は主力のケガもあってリーグワーストの15勝50敗(勝率23.1%)に終わり、一足早くシーズンを終了。だがこのチームには5年連続でNBAファイナルの舞台に立ったステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンという強固な基盤に加え、ウイングには平均20点が期待できる新戦力のアンドリュー・ウィギンズもおり、来季は早くも覇権争いへと加わる力を秘めている。
今年のドラフトで、もしウォリアーズが216cmの高さと身体能力を兼備するメンフィス大出身のジェームズ・ワイズマンを指名すれば、豪華なスターターを形成することが可能となり、さらにやっかいなチームになることが容易に想像できる。
もっとも、現在のウォリアーズにとって大事なのは数年後ではなくまさに今であり、ルーキーの育成よりも黄金期の主力が健在のうちに再び王座へ返り咲きたいというのが本音だろう。カリーは32歳、トンプソンとグリーンは30歳と今後数年はトップレベルを維持できるだろうが、その期間はいつまでも続くわけではないからだ。
そんななか、21日に公開された『NBC Sports』のポッドキャスト番組「Runnin' Plays」にクリス・マリン(元ウォリアーズほか)が出演。殿堂入り選手であり、かつてウォリアーズでゼネラルマネージャーを務めた経験を持つレジェンドは、ウォリアーズがトレードで狙うべきターゲットについて気になる発言をしていた。
マリンがターゲットチームに挙げたのは、イースタン・カンファレンス屈指の戦力を誇るフィラデルフィア・セブンティシクサーズ。現在はベン・シモンズをケガで欠くなかボストン・セルティックスとのプレーオフ1回戦を戦っているが、ジョエル・エンビードがシリーズトップの平均30.0点、13.0リバウンドと孤軍奮闘するも、3連敗と後がなくなっている。もしこのままスウィープで1回戦敗退となれば、今季終了後にどちらかを放出するのではないかと囁かれているのだ。
マリンはシモンズとエンビードのどちらを獲得すべきかというトークの中で「私ならエンビードだ」と発言。そして「シモンズのことは大好きだけど、まだインサイドアウトを確立しようとしている段階に見えるね」と続けた。
仮にシクサーズがエンビードを放出することになった場合、ウォリアーズはドラフト指名権だけでなくウィギンズとトンプソンまたはグリーンも放出する必要が出てくるだろうが、もしカリー、トンプソン、グリーンにエンビードが加わったら恐ろしい布陣になることは間違いない。
26歳のビッグマンはケガがちなのが玉にきずだが、健康体であれば攻守両面で支配的なパフォーマンスを見せるリーグ屈指の実力者。ともにアンダーアーマー契約選手であるカリーとのピック&ロールは破壊力抜群で、グリーンとエンビードがリムプロテクターとして立ちはだかる光景は考えるだけで威圧感十分だ。
一方でマリンは、ジェームズ・ハーデンとラッセル・ウエストブルックを中心にスモールボールを展開するヒューストン・ロケッツの戦いにも注目しているという。
「ヒューストンがこのプレーオフでどこまで行くかは興味深いね。私は誰よりもスモールボールを愛している。でもバランスが大事なんだ。1つの戦術だけでは勝てない。だからこそ、過去5年のウォリアーズはものすごく特別だった。彼らは3ポイントをたくさん放つだけでなく、多くのフリースローを放っていたし、ミドルレンジやレイアップも決めていた。全体的にゲームを支配していたんだ」
現役時代、ドン・ネルソンHC(ヘッドコーチ)の下でティム・ハーダウェイ、ミッチ・リッチモンドとともに“ランTMC”を形成し、超攻撃的なオフェンスを展開してきたマリンにとって、スモールラインナップは特別思い入れがあるようだ。
「私はスモールボールが大好きだが、リーグは今でもビッグマンを求めている。フィジカル面もそうだし、ゴール下でプレッシャーを与えることができるからね。だから私ならエンビードを狙うよ」
もちろん、これはあくまで仮定の話。シクサーズが大黒柱をそう簡単に手放すとは思えず、近い将来のチャンピオンチーム形成を手助けするようなトレードを成立させることは考えにくい。
ただし、ウォリアーズが来季の覇権奪回を狙っていることも事実だ。百戦錬磨の元王者はドラフト2位指名権を有効に活用し、オールスター級の選手を獲得する超大型トレードを狙っている可能性は十分あるだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
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