対照的な勝ち上がりのレイカーズとナゲッツによるウエスト決勝。ヨキッチは「僕らはハングリー」と意欲を見せる

対照的な勝ち上がりのレイカーズとナゲッツによるウエスト決勝。ヨキッチは「僕らはハングリー」と意欲を見せる

1勝3敗の崖っぷちからの勝ち上がりを見せたナゲッツのヨキッチ(左)は、打倒レイカーズに意欲を見せる。(C)Getty Images

今年のウエスタン・カンファレンス・ファイナルは、ロサンゼルス・レイカーズ対デンバー・ナゲッツという組み合わせとなった。両チームがNBAファイナル進出をかけて激突するのは2009年以来初となる。

【PHOTO】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!

 ここまでの勝ち上がりは対照的だ。レイカーズはファーストラウンド(対ポートランド・トレイルブレイザーズ)、ウエスト準決勝(対ヒューストン・ロケッツ)をそれぞれ4勝1敗で突破。いずれも初戦を落としたものの、翌第2戦から見事なアジャストで4連勝を飾った。

 一方のナゲッツはユタ・ジャズとの1回戦、ロサンゼルス・クリッパーズとのセカンドラウンドをそれぞれ1勝3敗からの3連勝で撃破。1シーズンのプレーオフで奇跡の大逆転劇を2度も演じ、新たな歴史を作ってみせた。

 そのため、マイク・マローンHC(ヘッドコーチ)が「そう。我々は1勝3敗からスタートさせることができないかリーグに嘆願したんだ。それでイースタン・カンファレンス(ファイナル)に追いつければと思ってね。もちろん、却下されたがね」とジョークを飛ばすのも頷ける。
  9月17日(日本時間18日、日付は以下同)。レイカーズとのシリーズ開幕を翌日に控えたナゲッツは、メディアの取材に応じ、マローンHCと大黒柱の二コラ・ヨキッチが応対。

 レイカーズとナゲッツの今季の戦績はレイカーズの3勝1敗。ナゲッツは3敗のうち2敗は4点差以内の展開に持ち込み、一度は延長の末に敗れている。レイカーズが中5日の休養があったのに対して、ナゲッツは中2日と短いものの、試合勘という面で言えばナゲッツに分があると言っていいだろう。

 マローンHCは2005−06から09−10までの5シーズン、クリーブランド・キャバリアーズでアシスタントコーチを務めており、レブロン・ジェームズ(レイカーズ)の第一期キャブズ時代を見届けてきた。

「レブロンのことは知ってるよ。(キャブズで)彼の周りにいたからね。明日、相手はコートで我々にメッセージを送ってくるだろう。でもこのチームの選手たちはそれでは満足したりしない。(レイカーズとの対決は)最高のチャレンジになるだろうが、我々も相手のインテンシティ―にマッチできるさ」と自信を覗かせた。
  クリッパーズとのシリーズで、1勝3敗となったナゲッツに対し、第4戦から3連勝を飾ると予想した人がいったいどれくらいいただろうか。下馬評はクリッパーズ優勢で、ナゲッツは圧倒的不利という立場だった。

 だが、第3、4戦のいずれかでヨキッチは手ごたえを掴んでいたことを明かしている。

「僕らはいいプレーができていて、皆がお互いのためにプレーできていると感じたんだ。その試合では負けてしまったんだけど、僕らは戦い続けた。その感覚をまた味わいたいと思っている。このチームは自由にプレーしているし、互いのためにプレーして勝利を収めている。僕らはハングリーなんだ」

 今季のプレーオフ展望では、レイカーズとクリッパーズによる“LA対決”がカンファレンス・ファイナルと報じられ、事実上のNBAファイナルと指摘する者もいた。それがレイカーズ対ナゲッツという対戦カードになったことで、拍子抜けした方もいるだろう。

 それでも、ヨキッチはレイカーズが見せてきた集中力を称えている。

「僕らがクリッパーズを倒した時でさえ、どうしてクリッパーズは敗れたのかと報じられ、僕らについて話題にすることもあまりなかった。でも、レイカーズは本当に集中していると思う。ポートランドのシリーズもそうだし、ヒューストンとのシリーズでもそう。チームとして本当に団結している。だから彼らは僕らが勝ち上がったことも当然とは思ってないはず。僕らとのシリーズにフォーカスし、すごく集中していると思う」
  一方、レイカーズのフランク・ヴォーゲルHCは16日にメディアの取材に応じ、“ジョーカー”ことヨキッチについて「ジョーカーはこの世界で最もユニークな選手の1人。それにセンターというポジションでプレーした選手の中でも最もユニークな選手の1人でもある。あらゆる方法で相手チームを痛めつけるんだ。3ポイントライン、ポケット、ポストでもそうだし、あのパススキルがあるからね…」とコメント。

 スモールボールを敷くロケッツとのシリーズではジャベール・マギー、ドワイト・ハワードというセンター陣の出番は少なかったが、ナゲッツとのシリーズではセンター陣を起用していくことを明言している。

 ナゲッツにはここまでのプレーオフで平均27.1点、5.0リバウンド、6.4アシストに加え、フィールドゴール50.2%、3ポイント49.1%と絶好調のジャマール・マレーがいるものの、レイカーズはヨキッチを最重要人物として警戒している。

 今年のプレーオフで、ヨキッチは平均25.4点、10.8リバウンド、6.0アシスト。フィールドゴール51.5%、3ポイント44.0%とこちらも好調。レイカーズとの4試合では平均16.3点、5.8リバウンド、5.8アシストとスローダウン気味ながら、ナゲッツを下すためにはこの万能型ビッグマンを抑え込む必要があるということなのだろう。

 はたして、今年の頂上決戦へと駒を進めるのはどちらのチームになるのか。18日のシリーズ初戦が今から待ちきれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

関連記事(外部サイト)