「正直むかついた」MVP投票でアデトクンボに大差をつけられたレブロンが心境を吐露

「正直むかついた」MVP投票でアデトクンボに大差をつけられたレブロンが心境を吐露

MVP投票でアデトクンボ(右)に大差をつけられたレブロン(左)が、その心境を吐露。(C)Getty Images

「あれにはむかついた。それが俺の正直な答えだ。101ある1位票のうち、俺が受け取ったのは16だけ。それに何よりも腹が立った」

 そう話したのは、ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズ。NBAの“キング”は9月18日(日本時間19日、日付は以下同)、デンバー・ナゲッツとのウエスタン・カンファレンス・ファイナル初戦に126−114で快勝した後、同日に発表されたレギュラーシーズンMVPの投票結果について、冒頭のように苦言を呈したのだ。

 今季のシーズンMVPは、2年連続でミルウォーキー・バックスをリーグ最高勝率へと導いたヤニス・アデトクンボと、レイカーズがウエスト首位の座を奪取する原動力となったレブロンによる、完全な一騎打ちの様相を呈していた。事実、101人のスポーツ記者と放送関係者による投票で、10ポイントが加算される1位票を手にしたのはこの2人のみだ。
  ただ、この2人の間にも大きな開きがあった。結果は85人から1位票を獲得し、計962ポイントを集めたアデトクンボが2年連続で戴冠。今季開幕からシーズン中断が中断された3月までの選考期間において、アデトクンボはともにリーグ3位の平均29.6点、13.7リバウンドに加え、5.8アシスト、フィールドゴール成功率54.7%、さらに3ポイント成功数83本はキャリアハイ。また、平均30.9分(中断前)のプレータイムでのシーズンMVP獲得は、2014−15シーズンのステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ/平均32.7分)の記録を抜き、史上最少記録となった。

 レブロンは今年3月、「俺はレギュラーシーズンMVPへの選出を目標にしたことはない。これまででベストな存在になることが俺を突き動かすものであり、これまで複数回のMVPに選ばれたのはその結果だと見ている」とコメント。冒頭の発言は、決してアデトクンボがMVPに値しないと批判しているわけではない。

 だが、現役最多となる4度のシーズンMVP(2009、10、12、13年)を手にしてきたレブロンは、1位票でこんなにも大差が開くとは想定していなかったのだろう。
 「俺はMVPになるためにリーグ入りしたわけじゃない。これまで1日1日、選手として向上するために必死にやってきた。でもそうしていくなかで、俺には手に負えないこと、コントロールできないことがあるのも理解している。だけど、今回の結果にはむかついたよ」

 シリーズ初戦で15得点、6リバウンド、12アシストをマークし、ナゲッツを一蹴したレブロンについて、この試合で両チーム最多の37得点、10リバウンド、4アシストを残したアンソニー・デイビスは「あの投票結果は間違いなく彼をスパークさせたね。彼は何かを証明しようと、まるで怒っているかのようにプレーしていたんだ」と明かしている。

 レイカーズのフランク・ヴォーゲル・ヘッドコーチ(HC)も「ヤニスを軽視しているわけじゃない。彼は素晴らしいシーズンを送ったし、最高の選手でもある。だが、レブロンがこのチームのためにやってきたことは唯一無二のものなんだ。彼はリーグトップのアシストを残し、ディフェンスではクォーターバック役を務め、このチームに数多くの勝利をもたらしてきた。プレーオフでも見事な成功を収めている。だから、私にとっては彼こそがMVPだ」と話していた。
  今季のMVP投票において、1位票を手にしたのはアデトクンボとレブロンのみで、7ポイントが加算される2位票を獲得したのも、両選手とジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ/1票)だけ。だが所属チームにおいて“最も価値のある選手”がMVPとするならば、バックスで存在が際立っているアデトクンボに軍配が上がるだろう。

 レイカーズでは、レブロンの新たな相棒デイビスが全体6位の計82ポイントを獲得しているように、評価が二分されたと言っていい。デイビスに1位票が入ることはなかったものの、“デイビスと負担をシェアしながらレイカーズを牽引したレブロン”と“バックスを1人で背負ったアデトクンボ”を比較した際、アデトクンボに票が集中したのも仕方ないのではないだろうか。
 「正直、まだ戦っていたかった。カンファレンス・ファイナルまで進めなかったことはすごく残念に思う。でも、だからといってこのMVPという素晴らしい賞の価値を損なうことはできない」

 NBA史上12人目となる2年連続の戴冠を果たしたアデトクンボがそう語ったように、プレーオフから早々に姿を消したとはいえ、シーズンMVP受賞は今後も永遠にレコードブックに残る名誉だけに、選ばれたこと自体に非常に大きな価値があるのは事実だ。
  ただ、複数年連続でシーズンMVPを手にした12人のうち、優勝経験がないのはスティーブ・ナッシュ(元フェニックス・サンズほか/2005、06年)とアデトクンボのみ。25歳の万能戦士には、是非とも今後レブロン率いるレイカーズと頂上決戦で激突し、“キング”の壁を乗り越えてリーグ制覇を成し遂げてほしいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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