優勝確率わずか23.8%。アデトクンボ擁するバックスの失墜で、“MVPは優勝できない”風潮が再燃か

優勝確率わずか23.8%。アデトクンボ擁するバックスの失墜で、“MVPは優勝できない”風潮が再燃か

個人では2年連続でリーグ最高の栄誉を手にしたアデトクンボ。しかし昨季に続き、今季も優勝には手が届かなかった。(C)Getty Images

先日、ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボが今季のシーズンMVPを受賞した。MVP(Most Valuable Player)とは言うまでもなく、そのシーズンに最も活躍した選手に贈られるリーグ最高の栄誉だ。

 チームスポーツの中でも1チームあたりの人数が少ないバスケットボールは、1人が勝敗に与える影響が大きい。当然、MVP受賞者がいるチームは、勝利を手にする確率も他チームに比べて高いと考えられる。

 だが、過去のMVP受賞者とそのチームの最終結果を見てみると、頂点までたどり着いたチームは意外なほど少ない。以下は、2000年以降のMVP受賞者と同シーズンの所属チームのプレーオフ結果だ。(左からシーズン、MVP受賞者、所属チーム、プレーオフ結果)
 1999−00 シャキール・オニール レイカーズ   優勝
2000−01 アレン・アイバーソン シクサーズ   ファイナル敗退
2001−02 ティム・ダンカン   スパーズ    カンファレンス準決勝敗退
2002−03 ティム・ダンカン   スパーズ    優勝
2003−04 ケビン・ガーネット  ウルブズ    カンファレンス決勝敗退
2004−05 スティーブ・ナッシュ サンズ     カンファレンス決勝敗退
2005−06 スティーブ・ナッシュ サンズ     カンファレンス決勝敗退
2006−07 ダーク・ノビツキ−  マーベリックス 1回戦敗退
2007−08 コビー・ブライアント レイカーズ   ファイナル敗退
2008−09 レブロン・ジェームズ キャバリア−ズ カンファレンス決勝敗退
2009−10 レブロン・ジェームズ キャバリア−ズ カンファレンス準決勝敗退
2010−11 デリック・ローズ   ブルズ     カンファレンス決勝敗退
2011−12 レブロン・ジェームズ ヒート     優勝
2012−13 レブロン・ジェームズ ヒート     優勝
2013−14 ケビン・デュラント  サンダー    カンファレンス決勝敗退
2014−15 ステフィン・カリー  ウォリアーズ  優勝
2015−16 ステフィン・カリー  ウォリアーズ  ファイナル敗退
2016−17 ラッセル・ウエストブルック サンダー 1回戦敗退
2017−18 ジェームズ・ハーデン ロケッツ    カンファレンス決勝敗退
2018−19 ヤニス・アデトクンボ バックス    カンファレンス決勝敗退
2019−20 ヤニス・アデトクンボ バックス    カンファレンス準決勝敗退
  今季を入れた21例のうち、優勝したのは2000年のシャックと03年のダンカン、2012、13年のレブロンと15年のカリーのみ。優勝確率はわずか23.8%にとどまっている。ファイナルまで勝ち進んだのもこの4人を含めた8例のみという数字だ。2010年代に入ってレブロンとカリーの存在により、“MVPは優勝できない”のジンクスは払拭されつつあったが、過去4年に続き今季も優勝候補本命と目されたアデトクンボ擁するバックスが敗れたことで、その風潮が復活しつつある。

 最たる理由としては、近年の優勝チームの共通点として、複数のMVP級の選手が存在しているという点だ。一方で、シーズンMVPを受賞した選手のなかには、突出した個人能力でチームを牽引したことにより、受賞の栄誉にあずかった者も多い。だがそのスタイルでは長丁場のレギュラーシーズンでは好成績を残せても、よりプレーの強度が上がるプレーオフでは負担が増し、相手の的も絞りやすくなるというわけだ。
  たとえ圧倒的な実力を持った選手が1人いたとしても、勝利に直結するわけではないのがバスケットボール。スター選手の存在はもちろん、その絶対的な個の力に頼らず、チーム全体で調和のとれたスタイルを構築できて初めて、チャンピオンへの道が見えてくるのだろう。

構成●ダンクシュート編集部

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